二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【煉獄関編】 ( No.71 )
日時: 2013/10/06 18:04
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: tzg9ExdF)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/

 瑠李

煉獄関編の道信先生のシーンはホント感動するよね…!
書いてても泣きそうになった←


 サイダー様

えっとですね、まず入力モードを半角英数にします。
それで『Shift』キーを押しながら『る』のキーを2回押してください。
多分『>>』なると思うので、次にスレのナンバーをいれます。
すると『>>0』こうなります。完成です(´∀`)

それから目次の欄をつくっていけます。
題名を書いて上の作業をしていくと>>0みたいな長ァァい目次が気づけばできあがってます(笑)
こんな感じでしょうか? 説明が下手くそですいません(汗)


————————————————————————————————


 幕府の大官1名をその日1日護衛という大変な任務。
 その任務を1人でこなし、結局翌日の朝帰りになった栄蓮である。


 29訓 一度交わした約束は破るな


「…………」


 最っっっっ悪…! いやもうホンット最悪…!
 
 幕府の大官1人を護衛とかマジ何なの? マジ何なのさ?
 もうお見送りどころじゃなかったよ、お見送りされそうになったよマジで。


「ハァァァァァ…!」


 雨ェェェェ…傘忘れたから濡れるしかないなァァ…!
 
 ザーザーと雨に濡れながらも考えるのは道信さん達の事ばかり。
 あァァァ…! お見送り行けなかったァァ…! ごめんなさいィィィ…!


「…って言うか雨ひどいんですけど」


 ヤバイよまた風邪ひくよ。それだけは困るよ。


「…ん……?」


 目に入ったのは『万事屋銀ちゃん』の看板。
 …そう言えば…あそこ確か、天パが経営してるんだよね?

 …ヨシ。雨宿りさせてもらいに行くかァァ…!


 —


「お邪魔しまー…って…、……え?」
「! 栄蓮おねーちゃんッ!」


 え、ちょ、待っ…え?! 何でチルドレンがここにいるの?!
 道信さんは?! 道信さんはァァ?! 昨日江戸を出たんじゃないの?!


「瞳孔女…? お前ガキ共と知り合いなのか?」
「知り合いというか…もうすでにお友達みたいな?」
「隊長…アンタいつの間に…。そしてお疲れさんっス」
「ありがと。…で、何で子供達…ここにいるの? 道信さんは?」


 そう尋ねるとチルドレンは全員俯いてしまった。
 …え? ちょ、あの…何? え、あの…何かすいません。


「道信先生…ッ、殺されちゃったんだ……ッ!」
「…………え……??」


 道信さんが…、殺された……?
 なんで…なんで? だって…道信さん…ッ、一昨日は…!


「八雲から聞いたぜィ。…栄蓮ももう煉獄関のこたァ知ってんだろ」

「…うん。鬼道丸の正体も…一応……」

「…だったら話は早ェや。
 鬼道丸は…その煉獄関の連中の奴らに殺されたんでさァ」

「…………!」


 道信さんが…殺された…。
 あぁ…昨日私がちゃんと…お見送りいけてたら…! 防げてたかもしれないのに…ッ!


「ごめん、ババア…私らが悪いネ」

「……え…?」

「僕と神楽ちゃん、道信さんと一緒に居たんです。
 …けど煉獄関の人達が攻めてきて、それを倒してて。
 ……僕たちがちゃんと最後まで見送ってたら……」

「チャイナ娘…、眼鏡……」


 違う…。違うよ。悪いのはアンタらじゃないよ…。


「栄蓮お姉ちゃん…ッ! お願い…ッ!」

「え……?」

「先生の敵討ってよォ…! どんなに、悪いことしてても…。
 立派な…僕たちの、“父ちゃん”だったんだよォッ……!!」

「ッ!」



 あァ…なーんだ。
 道信さん…貴方は約束するまでもなく…もう、立派な——…。



「分かった」
「え……」


 総悟と八雲が驚いた表情カオでこっちを見てる。
 それは天パや子供達も同じだったんだけど。


「任せといて。道信さんの敵とるのは…私に任せときなさい!」
「「「「栄蓮おねーちゃんッ!」」」」
「ちょッ…、隊長! 正気ですか……ッ?!」
「下手に動きゃァ真選組も潰されかねねーんだぜィ?」


 …だって。こんなにも子供達が泣いているんだもん。
 私だって、こんなにも…。こんなにも、悲しいんだもん。

 …それに、なにより……。


「約束したから」
「…え……?」
「道信さんと、約束、したの」


 

『約束ですよ、道信さん。…必ずいいお父さんになって下さい。
 報告…ずっと待ってますから。約束ですよ?』




「道信さんはいいお父さんになる。子供達を、幸せにする。
 だから私もね…道信さんに約束した」





『その代わり! 何かあったら必ず協力します! 約束です』





「何かあったら…必ず、協力するって。それは今この事も含まれてると思うから。
 一度した真剣な約束は、絶対に破れない。だから…私は行く」

「…隊長……」

「…栄蓮さん…」


 たとえ潰されようとなんだろうと。
 この約束だけは。道信さんとの約束だけは…守りぬく。


「——ッたく…テメェは本当に馬鹿だな」
「…ッ! …兄さん」


 兄さんが腕組みをしながら私を見ていた。

 …道信さんは、もう…約束、守ってくれてるの。
 だから私がここで破っちゃ…だめだと思うから。


「ごめん、兄さん」
「…………」
「何と言われようと…私は行く」
「………栄、」



 ——蓮、と土方は言葉を続けるが、その時にはもう栄蓮はいなかった。
 ハァ、と溜息をつく土方。その時…ガタガタッという音をたたせて銀時が立ち上がった。


「んじゃァ、ま…俺も行きますか」

「おにーちゃんッ!」

「ドッキリマンシール貰っちまったし。
 それに何より…ここで行っても行かなくても、俺ァ死んじまう」

「…え…?」

「——魂が…、折れちまうんだよ」

「己の美学の為に死ぬってか? …とんだロマンティズムだ」

「そーでもねェよ。…何より、なァ?

 オメーの妹さんのあんな言葉聞いちゃァ…行くっきゃねーだろ。
 珍しく神妙な顔して…いつ首がとんでもいいっつー顔してた」


 ジッと銀時は土方を見つめながら言う。


「ンな似合わねェ顔してるアイツが、あぁ言ってんだ。
 何だろうな…。ちょいと手ェ貸してやりたくなったのさ」


 ヒラリと片手をあげて万事屋を出て行く銀時。
 それを合図にしたかのように、八雲が動き出した。


「さてと、俺も行きますか。隊長1人にはできねェし」

「八雲…ッ?! テメェもかよ…ッ」

「……“何があっても隊長の傍にいる”。
 俺ァ昔っからそう決めてるんスよ」


 にっこりと微笑む八雲。その目は決意した目だ。


「あの人が死んだら俺の魂が折れちまうんスよ。だから俺ァ行きます。
 ——俺の1番守りてェモンは昔っから…あの人っスから」


 真剣な表情でそう言って万事屋を出て行く八雲。
 さらに深い溜息を土方はついた。


「…さてと! 神楽ちゃん、僕らも行こうか!」
「そうネ。女だってロマンティストだってことを教えてやるヨ!」
「ちょっ…」


 続いて出て行った新八と神楽。もう溜息しか出なかった。
 ガチャガチャと何かを探っているような音がする。


「全くバカな連中ですね。こんな物のために命かけるなんてバカそのものだ…。
 アンタの妹なんざ、本当に馬鹿でィ」

「…全くだ。俺には理解できねェ……ん?」


 ふと隣を見ると、鼻と鼻ヒゲのついた眼鏡をかけた総悟。
 彼もまた、万事屋を出ていこうとしている。


「ってお前何してんだァ?! どこにいくつもりだァァ!!」

「……すまねェ、土方さん。別にアンタの妹に感染したわけじゃねェ。
 …ただ。八雲の言葉には、ちょいと感染しちまった」

「…………」


 扉をゆっくりとあけながら、総悟は土方の方を振り返った。


「やっぱり…、俺もまた、バカなんでィ」


 そう言って出て行く総悟。
 残された土方は1人、頭をおさえた。



(アレ…? 天パ…なんで来たの……?)
(よぅよぅ瞳孔女ァ。1人で行くなんざ水くせェじゃねェか)
(でもアンタ…今から行く場所は…ほんとに……)
(大丈夫だ。死にゃしねェよ。……死にゃしねェさ)
(…そうだね。負ける気…しないよ)