二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 生涯バラガキ 【記憶喪失編】 ( No.86 )
- 日時: 2013/10/09 23:47
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: 7kf.zKti)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11632165783.html
参照≒記憶喪失編栄蓮(ゆる)バーション。
お隣の吹き出し内は通常栄蓮です(´∀`)+八雲。
Sora様
記憶喪失編の銀さんと近藤さんには笑いましたw
可愛いと言ってもらえると嬉しいです!(´∀`)
瑠李
ザキにも出番をあげなきゃと思った結果コレだよ←
そう言ってもらえると嬉しいよー!(´ω`)♪
————————————————————————————————
マムシによって捕らえられた栄蓮、銀時、近藤、山崎。
グルグルに縄で縛られ、屋根の上に座らされていた。
34訓 伝えたいことははっきり伝えるべし
「幕府の犬どもォォ! この4人がテメーらの仲間だってことは分かってる!
俺たちを止めたくば撃つがいい! ただし…コイツらもこっぱみじんだがなァ」
現場に到着し、マムシ達に大砲を向けている真選組に対してそう言い放つマムシ。
しかしそんなマムシの元にも、大砲とは比べ物にならぬ大きさの大砲、「蝮Z」がある。
どうする…と八雲は唇を噛むが、何者かによって大砲が栄蓮達に向けられて発射された。
「ちょ…ッ、誰だ撃った奴ァァァ?!」
「なんでィ、何か文句あんのかよィ八雲」
「アンタかよ沖田隊長ォォ! つーか大ありだァァァッ!」
「何言ってやがるんでィ。昔近藤さんが俺に言ったんでさァ。
もし俺が敵に捕まる事があったら迷わず俺を撃てってよ」
「近藤さんが…そんな事を…」
「…のはずなんだけどねィ。言ってたような言わなかったような?」
「「そんなアバウトな理由で撃ったんかィィ!!」」
土方と八雲による鋭いツッコミが入る。
一方の栄蓮達は呆気にとられていた。いやマジで撃たれたよ?
「撃ったァァ! ホントに撃ちやがったよアイツらァァ!」
「あの人達本当に私達の仲間なんですかジャッキーさん?!」
「山崎だっつてんでしょうがァァ! もう知りません! もうあんな奴ら仲間じゃねェェ!」
「いてて…ゴリさん大丈夫ですか…ってゴリさんんん!」
見事に近藤の頭に木片がささっている。血がダラダラ状態だ。
「ザキ…? お、俺は…、な、何だろうか…長い夢でも見ていたようだ…」
「局長! アンタまさか記憶が…ッ! …ていうか頭……」
「あぁ、心の霧が晴れたようだ。とにもかくにも逃げよう。行くぞ!」
「ッ待ってください局長! まだ旦那と栄蓮隊長が!」
未だに栄蓮と銀時は身動きがとれない状況だ。
しかし2人は近藤と山崎を見ると、小さく微笑んだ。
「大丈夫です。せめて銀時さんだけは助けて…行ってください」
「何言ってるんですか栄蓮隊長!」
「そうですよ栄蓮さん! ジミー、僕の事はいい。栄蓮さんを連れて行ってくれ」
「何言ってるんですか銀時さん! 貴方を置いていけるわけないでしょう!」
「しかし栄蓮さん! ッこのままでは…!」
「銀時さん…ッ!」
「アンタらこの非常事態になにラブコメみたいなことしてんだァァッ!!」
必死に近藤と山崎は2人をはり付けられている壁から離そうと引っ張る。
その甲斐あってか何とか離れ、地面に下りた4人は逃げようと駆け出す。
それを見た土方が発砲の命令を送った。マムシ達に大砲が発砲される。
「クッソォォ…! こうなりゃ“蝮Z”を使えェェ!」
「嘘ォォッ?! ちょ、もっと早く逃げろォォ!」
「無理です…も、もう…私…げ、限界…ですっ…!」
「アンタは記憶喪失になると体力まで落ちんのかァァ!」
次の瞬間、マムシによるマムシのための蝮Zが発砲された。
必死に走る4人だが間に合わない。その時、近藤が3人を庇うように押した。
「ッ! ゴリさッ…」
——ドォォォォォォォォォンッ!
本当に国1つ消してしまいそうな威力の蝮Z。
小さく呻き声をあげ、栄蓮は隣で倒れている銀時を見た。
「銀、と、きさ…! だ、いじょ…うぶ…です…か……?」
「栄蓮さん…! 貴方、額から血が出て…!」
「…え…? あ…う…、大丈夫、です…よ……」
「大丈夫じゃ…! ッ?!」
「あぃた…ッ!」
「——あぃた…じゃないッスよ」
いきなり額に触れた柔らかい布の感覚。
ふと栄蓮は視線をあげる。優しい手つきで栄蓮の額の傷口に布をあてていた。
「あ、貴方は……」
「ったく…どんだけ心配かけさせるんスか。心臓止まったら隊長のせいッスからね」
「あ、の…」
「…大丈夫っすよ」
八雲は優しい優しい極上の笑みを浮かべる。
傷口から手を離し立ち上がると、マムシ達のいる方を睨めつけた。
「アンタは、俺が守ります」
「……ッ!」
『アンタのこと、…俺が守る』
「おいコラマムシ野郎ー。そのショボい大砲撃ちたけりゃ撃て。
但し…この人だけァ傷つけさせねーぞ」
「——そうですよ」
「! き、君たち…なんでこんなところに!」
新八と神楽だ。2人は銀時を庇うように立ちはだかる。
八雲、新八、神楽はただ真っ直ぐにマムシを睨んだ。
「江戸が焼けようが煮られようが知ったこっちゃないネ」
「でも…この人達は撃ってもらっちゃ困りますよ」
「この人が居なくなったらさらに困るッスけど」
「あ、危ないです…! 早く逃げて下さい!!」
「もういいって…好きに生きていこうって…決めたじゃないか!」
「「「黙ってろ馬鹿2人組」」」
こちらを見ずに言い放つ3人。銀時と栄蓮は顔を見合わせた。
「こちとらもうとっくに、好きに生きてんだヨ」
「好きでここに来てんだよ」
「「好きでアンタと一緒にいんだよ」」
「…ッ…!」
「アンタと、栄蓮さん…どっちも大切なんです」
「一緒にいて損しないヨ。…むしろハッピーアル」
きょとんとした表情の2人。八雲がそれを見て小さく微笑んだ。
「まァ、簡単に言いますとね」
「「……」」
「アンタらのことは、俺達全員で守るっつー事っスよ」
「全員…? …ッ?!」
ザッ、と並ぶ真選組隊士達。無論土方も沖田もいる。
2人を庇うように前に立ち、マムシの方を真っ直ぐに見据える。
「…そういうことだ。撃ちたきゃ俺達撃て。
チン砲だかマン砲だかしらねーが、毛ほどもきかねーよ」
「そうだ撃ってみろコラァ!」
「このリストラ侍が!」
「ハゲ! リストラハゲ!」
「趣味悪クソ野郎ォォ!」
「…ッ俺がいつハゲたァァ!! 上等だァ、江戸を消す前にテメーらから消してやるよ!」
「私達消す前にお前消してやるネ!」
「いけェェ!!」
わっと一斉にマムシの元に斬りかかろうと駆け出す一同。
八雲もキッとマムシを睨みながら走る。
「——ねェ八雲。ちょっと刀貸してくんないかなァ?」
「え…いいっスよ…、……ッ!!」
素早く八雲の手から刀を抜き取り、先頭を走っていく女。
ニィィッと栄蓮はいつもの笑みを浮かべた。
「おやじさーん! すいませーん、本職に戻らせてもらいまーす!」
「た…隊長ォッ!」
「栄蓮ッ!」
「…つーことで俺も! 今日で仕事やめさせてもらいまーす!」
「ぎっ…銀さん!!」
新八から木刀を奪ったらしい銀時も追いついてきた。
にんまりと2人は笑い、刀を蝮Zの穴にさす。
「「お世話になりました!」」
——ガァンッ!
蝮Zが爆発する。あちこちで驚きの叫び声が上がっている。
銀時が万事屋衆の元に戻っていく。栄蓮も八雲達のいる方向へと足を向けた。
土方、総悟、八雲の3人が寄ってきた栄蓮を見る。
どこか不安そうなその瞳に栄蓮は苦笑を零した。心配をかけたと思い知る。
だから、めいっぱい笑ってやった。
「——ただいまッ!」
その言葉に、3人とも嬉しそうに微笑んだ。
(ハハ…やっぱり栄蓮隊長もあーでないとな。…あ、局長!)
(……)
(大丈夫ですか? ホラ、旦那と栄蓮隊長の記憶戻ったんですよ)
(……)
(副長も沖田隊長も風霧副隊長も凄く嬉しそうで。やっぱりあの3人はあーでないと。ねっ、局長…)
(…君は…誰だ…?)
(…………)