二次創作小説(紙ほか)
- Re: 魔天使マテリアル「夢を目指して」 ( No.217 )
- 日時: 2013/10/18 16:49
- 名前: 柚 ◆joZC5jv7jo (ID: DcPYr5mR)
「あーあ、レイヤも、覚えちゃったか〜」
冷たく、余裕そうに、ユウヤがいい放つ。いかにもレイヤをバカにしたような言い方。ユウヤは冷たく微笑んで、見下ろしてくる。
レイヤはビクッとした。身体が震える。背筋がゾクゾクっとする。
「闇よ、見えざる手となれ」
さっき、レイヤを突き飛ばした闇の、見えない手。
今のユウヤの一撃は、さっきレイヤが生み出した光の盾によって消滅したのだが。
(あ・・・・・)
盾はもうボロボロだった。このままだと、次の攻撃は、完璧に防げないだろう。どうしようっと焦っているレイヤはお構い無しに、ユウヤはまた攻撃を仕掛けてくる。
「闇よ、光を貫く鋭き矢となれ!」
この技は、さっきよりも強いのだと言うことを、幼いレイヤにも、解った。
ユウヤの闇の矢は、もうレイヤの目の前まで迫ってきていた。
(僕、死んじゃうの・・・・?盾を一回消して、また新しい盾を出せたら良かったのに・・・)
レイヤは目をつぶる。痛みを、そして死を覚悟した。
・・・でも、いつまで経っても、痛みと死は襲ってこなくて。
レイヤがおそるおそる目を開けた。見えたのは、新しく、丈夫な盾だった。
(僕・・・生きてるんだ・・・!)
その時、気付いた。願えば、自分は光を操ることに。
防御だけでは、ユウヤに勝てない。
(やるしか、ないか・・・)
レイヤは心のどこかで迷っていた。
レイヤだって、前大好きだった、一番仲良しだった、「お兄ちゃん」を倒すのは辛い、イヤだ!
でも、その「お兄ちゃん」は変わってしまったのだ。
今は、冷たく、レイヤをバカにし、上から見下ろしてくる「ユウヤ」
自分を、攻撃してくる、「ユウヤ」 だいっきらいだ。
(お願い!ユウヤを倒して!)
「光よ、闇を貫く鋭き矢となれ・・・」
∞∞∞∞
「くうっ・・・・」
再び、記憶が締め付ける。・・・でも、今回もユウヤの記憶ではなかった。
ユウヤを倒したい との気持ちで叫んだ声。
それは、今も、その気持ちは変わらない。
(夢、ではないよな・・・)
記憶で自分が叫んだ声。頭に、何度も蘇る。
でも、あんなこと、覚えていない。
コンコンコン
「レイヤくん?だいじょうぶ?今日は疲れたよね。夕飯、できたから」
サーヤの声。
「解った。すぐ行く」
心配してくれる姉に、レイヤは答える。何事もなかったかのように・・・
ガラスにチラッと自分の顔が映って・・・。
(また、あいつにひとつ似たっと言うか・・・いや、ダメだ。今は、母さんを助けるのに、全力を傾けないと)
色んな気持ちが入り混ざって、レイヤは食卓についたのだった。