二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 幸災楽禍 (※泥中ノ蓮) 【シリアス・ギャグ】 ( No.6 )
日時: 2013/09/04 01:13
名前: べるりん ◆LL2ucVkJQE (ID: 4gmoED8F)


                    だから、会いたくなかったの。

     
            第03訓 大切な女が危険な目に遭ってる時は男の見せ所だ


『お前はただの見せ物だ』


 残酷に、残忍に、冷酷に、男は私に向かって言い放った。


『白い髪に赤い眼。間違いねぇよ、こいつ……』


 ——朝霧村の生き残りである忌み子の片割れだ。
 なんて醜い奴なんだろう。そして何でそれを知っているのだろう。初めて会った時はそう思った。 
 でもある意味普通かもしれなかった。朝霧村は有名ではなかったものの市場は盛んであった。近隣の村からも人が来ていたようなものだ。それなりに知っている人がいてもおかしくはないのだ。


 ただの見せ物となっていた私。
 でもある日、救世主が現れた。そこで働いている中年の男性で、温厚で優しい人だった。


『僕が必ず、君を助け出すよ』


 その言葉を信じた。そして男性は本当に私を連れ出してくれた。
 一緒に逃げることをもしてくれて、私達はあちこちを駆け巡った。その途中に兄の行方も探したけど、見つからなかった。会いたいよと、何度も何度も思っているのに。


 そして、ある日江戸にやってきた。治安も悪くはない。
 いつものように宿を二人でとり、しばらく江戸に滞在することにした。この男の人とならどこまでも逃げられる気がした。


 見せ物なんてもううんざり。暴力もふられるし、ご飯もまともに与えてもらえない。
 ————結局私はどこまでいっても『忌み子』なのだ。暴力をふられ蔑まれ、挙げ句の果てに……大切な人を失う。 


『何しんみりした表情をしてるんだい』


 この人だけは失いたくないと思った。温厚で優しい、この人だけは。
 どうして私を助けてくれるの、と聞いたことがある。そう聞くとこの人はおかしそうに笑って、人間だからさと答えた。嬉しかった。救われた気がした。『忌み子』と言われ続け、『人間』として扱われてはいなかったから。
 

 あぁ、こんな人、前にもいたな。
 その時は確か他にも私と同じくらいの子供がいて。たくさんの、たくさんの温もりに触れられたな。名前ももらえて本当に幸せだったな。また泣きそうになる。


『そんな表情はダメだよ。よし……ちょっと風に当たりに、外に行こうか』
『え……でも、もう深夜ですよ?? 大丈夫なんですか??』
『大丈夫大丈夫。江戸の方々は皆早寝さ。それに……今夜は月が綺麗だからね』


 そんな言葉にのせられ、私とその人は外に出た。
 本当に月が綺麗な夜だった。川面に映る月も空に浮かぶ月も、両方輝いていた。ほんのちょっぴり、さみしさが紛れた気がした。


『気分は楽になったかい??』
『っ…はい! ありがとうございますっ!』
『うんうん、女の子は笑顔が一番だね。よし、じゃあ帰ろう——…!!!!!』


 その人の目が、私の後ろを見て見開かれて。
 ゆっくりと後ろを見る。本当に、ゆっくりと。世界がスローモーションになったかのようにゆっくりと、後ろを見た。


『よォ、お二人さん。……久しぶりだなァ??』


 そこにいたのは、銃をかまえたあの男で。銃口は真っ直ぐ、私に向いていた。
 あまりにいきなりのことに体が動かない。足が、動かない。男の指が引き金にかかる。ぐっと力がこめられたのが分かった。

 次の瞬間、パァンッという音が鳴り響いた。
 私の体が貫かれる。その銃弾は私の心臓を真っ直ぐに貫いていた。




 ————はずだった。そう、そのはずだったの。



『ぐっ……うあ……ッ』


 苦しげに呻き声を上げて倒れ込んだのは、大切なその人。
 私を庇って左胸——つまりは心臓を撃ち抜かれている。驚きで声が出なかった。かわりに、涙があふれた。


『げ、ろ……ッ!! 逃、げろ……ォッ!!』
『ッヤ……ヤダ……ヤダァァァァァッ!! 死な、ないで!! イヤ、イヤァァァッ!!』
『うるさい女だ……。ただの見せ物が自由なんぞを求めるからだ。オイ』
『ヘイ』


 男の部下が二人銃をかまえて、私に近づいてくる。
 腰がぬけてしまったかのように、動けなかった。しゃがみこんだまま後退する。戻りたくない戻りたくない、戻りたくないよ。
 その時、血まみれのその人が部下二人の足を掴んだ。


『早く…ッ……逃げろォ……ッ!!』
『……かしら、この裏切り者、どうしましょう』


 部下の一人が頭と呼ばれた男に言う。男は、冷徹に、無機質な声で、


『やれ』


 と言った。その瞬間銃声が重なって響く。
 目を、見開く。ぐったりと動かないその人。血まみれの、その人。まるで一度見た、兄のように、真っ赤で。
 
 また守られた。また、また、また、また————



『ッあああああああああああああああああああああ!!!!!!!』




























 ——ふと我に返った時には、もう遅かった。
 変わらずそこにある大切な人の遺体。それと、恐らく部下二人と思われる遺体、なんて生易しいものじゃない。部下二人の、ただの肉塊。
 誰がやったの?? 何でこうなってるの?? どうして?? ねぇどうして??


『バ……ッ、化け物!! 化け物ォォォォォォォ!!!!』


 男は一人、走り去っていった。
 血を浴びた私の体。真っ赤な私の手。白いはずの髪は、赤に染まっていた。

 あぁ、そっか。これ、紛れもなく、私が————…。



 その日の、その後の事はよく覚えていない。ただ橋の下の川岸に、まず遺体を持っていった。
 すぐに夜が明けてしまって、その後は隠れるように宿に帰ってこもっていた。そしてその日の深夜にまた川岸に行って、今度は遺体をきっちりと埋葬した。二人分の肉塊は、ただただ川に流した。大切な人の近くに埋葬なんてしたくなかったから。
 

 そしてその日から私はあの男とその部下達に追われるようになった。
 目的は殺すためだろう。あんなことをした化け物を自分の傍には置いておきたくなくなったのだろう。薄情な奴。でもそのほうがいいけれど。


 毎日毎日逃げて逃げて逃げて、そして毎日毎日深夜にはあの人を埋葬した場所に行った。
 そして何度も何度も謝って、何度も何度も涙した。


 次の日には同じことの繰り返し。でも、その日決めた。もう決着をつけようって。もう誰も巻き込まなくていいように、私が死んですべてを終わらせようって。



 そんな中だった。幽霊だなんだと噂になり、いきなり何か砲撃のようなものをうけた。目が覚めるとそこには、銀ちゃんがいて。


 会いたかった。でも、会いたくなかった人。
 絶対に忘れるはずがない、大好きな人。でもやっぱり、会いたくなかったな。



 ——だって。










「ハァッハァッハァッ……」
「——銀、ちゃん……。ど、して…追いかけて、きたの……??」
「あァ!? んなもん……決まってんだろ……」





 その言葉はいつも、私を揺るがすから。






「オメーのことが、大切だからだよ」







 この掴まれた腕から伝わる温度さえも、私の決意を揺さぶってくるの。


 ◆ ◆ ◆


きなこ.


こんばんちゃ!じゃねぇでしょうがテメこんにゃろぅ!(((
誰かはわかりますよ??アレでしょ、隣の隣の席の@@@さんでしょ??
何きなこなんて愛らしい名前つけてやがるんだァァァァァ!!
こちとらべるりんだぞ!!ドイツだぞ!!もっと名をひねれ名をォォ!!


とまぁ何故かツッコミに回ってみた。(((
来てくれてありがとー! なんていうかもうマジのマジで嬉しいよ。
いや嘘だと思うかもしれないけどマジだからね??
参照数は増えて行って嬉しいんだけどコメ来ないから自信なくt(((((


きなこも小説ファイトォォォォォォォ!!
私も頑張るからお前も頑張るんだぞおおおおおお(((