二次創作小説(紙ほか)

Re: 銀魂 −銀の世界のその果ては− ( No.35 )
日時: 2013/09/28 20:22
名前: 瑠李 (ID: x2W/Uq33)
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「よォ銀時。何してんだァ」
「ゲッ低杉・・・」
「誰が低杉だ?あ?」


沖田と銀時の決着がついた数秒後に現れたのは、高杉。


「今さ、総一郎君と手合わせしてたんだよね。すげェぞ。10秒保ったぜ」
「ほゥ、銀時相手に10秒か。良い線行ってんじゃねェか。
ならそうだな、息が落ち着いたら俺とも手合わせしちゃくれねェか」


銀時よりも遥かにわかりやすい歓喜の瞳と声色。
一番ヤバイのはコイツだ、と反射的におもった5人と、そんな5人の心境をしらない銀時と高杉は踏んだり蹴ったりのケンカへ突入していた。
沖田は期待と緊張に高鳴る心臓を沈めようと、息を大きく吸う。
そして吐きだ・・・・


「貴様らァアアア!何をしている!一体何度言えば良いのだ!ケンカをするな!」
「グハッ・・・」


タイミングがいいのか悪いのか、沖田が息を吸いきったところで、おなじみ(?)の桂が道場に飛び込み、大声で銀時と高杉を怒鳴りつけた。
お陰で沖田は息を吐くタイミングを間違え、咽ることになってしまったのだった。


「大体お前らは昔から・・・」
「「ヅラは黙ってろ」」
「ヅラじゃない桂だ!!」


この時代も未来も変わらない桂の定番台詞と共に、高杉と銀時に拳が振り落とされた。
何ともまあ、桂は実に主夫性質があるようだ。


「ヅラ・・・相変わらずネ」
「そうだね・・・変わらないね」
「ったく、煩い以外の何モンもねェ・・・」
「はっはっは、いいじゃないかトシ!賑やかで!」
「近藤さん、こいつ等が未来の俺らの敵ってこと忘れてやせんかィ?」


そして、近藤も相変わらずであるようだった。




「いいかァ、銀時とはルールが違ェぜ。先に三本だ。
剣の腕だけじゃねェ、剣を振るのに大切な体力も見せてもらうぜ」
「わかりやした」


審判は銀時。
銀時が出した合図とともに、先ほどと同じように竹刀と竹刀がぶつかる・・・筈だった。


「!?」


ぶつからなかったのだ。
沖田の前、否、視界に高杉の姿はない。
反射的に後ろを向くと、そこには竹刀を振り上げた高杉の姿。

つまりは背後を取られたのだ。

高杉の竹刀が振り下ろされる前に、沖田は素早く後ろへ跳ぶ。
間一髪、その攻撃は免れる事が出来た。


(けど・・・キツイ・・・ 旦那よりも速ェし、初めから動きに着いていけない)


じりじりと間合いを詰める二人。
周りでは、桂や銀時、神楽、新八、土方、近藤が固唾を飲んで見守っている。


そして次の瞬間、もう一度、二人の足は力強く地を蹴り、走り出した。


____


「ハァ、ッ・・・やっぱ・・・強ェや、旦那もアンタも・・・」


結果は高杉の勝ち。
沖田は座り込んで息を整えている。


「確かに、銀時とやりあって10秒保っただけあるなァ。流石に息が上がらァ」
「高杉ィ、テメェがこんな時間かかるなんざ、俺ァ見たの始めてかもしんねーぜ?」
「黙れ腐れテンパ」
「んだとォ?低杉!チビ杉!馬鹿杉!」


再び二人はケンカを始め、桂に怒られる。
この3人は、放っておけば永遠にこのやり取りを続けるのではないか、新八たちは揃ってそう感じた。



一方の沖田は、銀時と高杉の流儀に共通する何かを見つけていた。


(さしずめ、師が同じとかそんなところだろィ)


確かめるため、沖田は座り込んでいた場所を離れ、銀時たちの元へ歩いた。