二次創作小説(紙ほか)
- Re: 魔天使マテリアル 「さよなら、また会おう」 ( No.20 )
- 日時: 2013/10/10 17:33
- 名前: 瑠李 (ID: x2W/Uq33)
私おもっくそDQNだし・・・w
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長いダークブラウンの髪に、光が絶えた瞳。
その人物は項垂れ、簡素な椅子に腰掛けていた。
その近くに佇むのは。
「えっ・・・」
驚愕に声が漏れる。
ダークブラウンの髪の女・・・綾香の隣にいたのは。
(レイヤくんにソックリ・・・でも雰囲気が全然ちがう・・・)
それがさす意味を、サーヤは一瞬で全て理解した。
綾香の隣にたたずむ男は、自分達の兄、ユウヤだと。
「私に・・・こんなもの見せて、何をするの」
サーヤは悪魔を睨みつけ、言った。
悪魔はニヤリと嗤(わら)ってから、指をパチンと鳴らす。
すると、サーヤたちは隔離された霧の空間から、元の場所へと戻る。
そこは先ほどまでとなんら変わりはない、ただの路地裏。
多少の緊張は解けたものの、やはり危険に変わりはない。
サーヤはもう一度、悪魔に問う。
すると悪魔はようやく口を開いた。
「お察しのとおり、先ほどの霧に移った方は王女の母君と兄で御座います。どんな状況かはお分かりでしょう。そこで一つ、提案があります」
悪魔は狡猾な笑みを深め、単刀直入に一言、言った。
「私たちの仲間になりませんか?」
*
その言葉を理解したサーヤは、悪魔に反論する。
が、悪魔は、サーヤの答えを予測していたようで、こう返してきた。
「あなたが此方に来ないというのなら、貴方の仲間は襲われていきます。もちろん、確実に、です。
貴方が此方にこられるのであれば、襲われることはないでしょう」
苦渋の決断を迫られる。
そんなこと、簡単に決められるはずが無い。
でもそれは、サーヤだったから。
サーヤだったからこそ、こう決断を下したのだった。
「・・・・わかった。行く。だからその代わり・・・お願いだから、皆を傷つけないで!」
悲痛な叫びが、悪魔とサーヤしかいない、寂しい路地裏に響いた。
悪魔は嗤うと、再び指を鳴らす。
つぎの瞬間、サーヤの意識は暗転した。