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「さあやっちとレイヤとアイツの…」
「お母さん…！」
「うん。私がこの子達の母親よ」


今まで下を向いていた顔を上げた綾香。
髪の色や大部分はサーヤに似ているが、力強い瞳はレイヤに似ているようである。
初めてあったはずなのに不思議な懐かしさを感じた。

「それで…死んだと思われてたらしい私がここに居る理由…順を追って話すわ」


綾香は、今まで自分が魔界に捕らわれていたことから、突然サーヤが来たこと、「サーヤが魔界に残る代わりに綾香が逃げられる」旨を説明した。
皆目を見開き、レイヤに至ってはただならぬ殺気を溢れさせている。


「そんな、それじゃあ状況が…！」
「紗綾ちゃんは何で簡単に誘いに乗ったんだ…？」
「脅された、とか」
「さあやっちが…？」


レイヤを除く四人がざわめいている間、レイヤは必死に思考を巡らせていた。


「母さん…」


掠れた声で、つぶやくレイヤ。


「破魔が闇に変わると…僕たちじゃどうしようも無いかもしれない…」