二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 情報屋ナギ 【いらっしゃいませ】 ( No.1 )
日時: 2013/10/06 23:40
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: y88BZl/P)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/

 * プロローグ



「ちょいとそこのおねーさん! 今から俺と遊ばなァい?」




 いやらしい笑みを浮かべた豚の天人アマントが1人の女に触れる。



 女はキャァッと悲鳴を上げ、露骨に嫌がっているようだ。




「は、離して! 離してくださいッ!」


「そんな嫌がらないでよ〜! ちょっとだけでいいから、ね? ね?」





 店の中だったため、周囲の客は困った様子でそれを見ている。



 でも誰も助けない。助けることができないのだ。 



 なんせ相手は天人アマント。このご世帯で奴らに逆らおうなどという気は誰にも無かった。





「や、…イヤ! だ、誰か、助けて! 離してェェッ!」


「ちょ、暴れちゃダメだよー! いてッ…ちょ、暴れんな!」


「イヤです! 離してください!」


「こ、の…! 折角この俺が相手をしてやろうというのに!」





 天人アマントの片腕が振り上げられた。



 殴られる——と、女は反射的に強く目を瞑る。





「このアマ——」



「とう」



「ブヒッッ!」





 ガシャァァァァンッ! という音を立てて蹴りを入れられた天人はカウンターにつっこむ。



 おかげでカウンターは半壊したようだ。




「……え…?」




 何が起きたのかわからなかった女は、自分の隣に立つ人物を見る。



 髪は金髪をゆるく結んで三つ編みにし、それを肩から前に流している。


 視力が悪いのか、ふちのないシンプルな眼鏡をかけている。


 そして何よりも、真っ直ぐな水色の瞳。濁り一つない目だ。



 吸い込まれそうなその瞳を呆然と女は見つめた。





「……大丈夫?」





 抑揚のない声で尋ねられ、女は必死に頷いた。


 眼鏡の女はその返答を見て小さく笑み、改めて天人アマントを見る。



 どうやら相手は非常にお怒りのご様子だ。




「き、貴様ァァ! 何をするかァァ!」


「そりゃァこっちの台詞だこのクソブタ。なァに天人如きがナンパしてんだよ。
 しかもなに店のカウンター壊してんだテメェぶっ殺すぞ」


「店のカウンター壊す原因作ったのはお前だァァァッ!
 て言うかカウンター壊しただけて殺されんの?! どう言う時代?!」


「知るか。つーか臭い。寄んな。こっち来んな。死ね。寄んな」


「今死ねっつったか?! さりげなく死ねっつったか?!」





 眼鏡の女は全く悪びれしない。



 逆に鋭い瞳でギンッと睨みつけているくらいである。






「このご世帯で天人に逆らうとは…! 覚悟は出来ているな、女ァ!」



「そりゃテメーだ豚野郎。悪臭撒き散らすな、消臭力あげるから帰れ」



「いらんわァァァッ! 貴様、調子に乗るのもいい加減にしろォッ!」






 天人が襲いかかってくる。冷たい目で女はそれを見つめている。



 ゴスッ、と言う鈍い音。続いてドサッという音も。






「天人が人間にかなうと思うな……この豚野郎」





 
 見事に眼鏡女の足が豚の天人の顔面に入りダウンだ。



 天人はうずくまりながらも、腕組みしながら立っている女を睨んだ。




「貴様ァ…ッ、何者だァァァッ……!」



「ミートに教える名はない」



「ウゼェェェェェ…! つか誰が肉じゃァァァ…!」




 そう言いながら気を失う豚の天人。



 店内からどこからともなく湧き上がる拍手。どもどもと眼鏡の女は礼をしている。





「あ、あの…ッ! ありがとうございました…!」



「ん? あァ、どーってことない。ストレス発散しただけだし。
 天然パーマの男にすんごく苛立っててね」



「そ、そうなんですか…。あ! お、お名前を! お名前を教えてください!」






 立ち去ろうとしていた眼鏡の女は顔だけを向け、女に向かって優しく微笑んだ。










「情報屋のナギ。兼万事屋。ナンパには注意するんだよ」


————————————————————————————————

なんかモブの女が結構目立ってた…?←
万事屋サイドストーリーの主人公はこんな感じのお方ですね(´ω`)