二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 情報屋ナギ 【出会い編】 ( No.9 )
日時: 2013/10/14 23:23
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: nA/hfs8a)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11634165995.html

 瑠李

気に入ってもらえると嬉しいなー(´∀`)♪
描いてくれると超嬉しいよ! アナログとか気にしない←

————————————————————————————————


 いきなり扉を蹴破って入ってきた男達。
 どうやら借金の回収に来たらしい。道場館内はピリピリしていた。


 03訓 親思いの子になりなさい


「こっちはお前らのオトンの時代からずっと待っとんねん!!
 もォーハゲるわ!!」

「いやテメーは絶対ヅラだ」

「じゃかぁしいわ金髪女ァァァ!」

 
 リーダー格と思われる男はお妙に歩み寄る。
 凪と銀時はおとなしく見守っているようだ。


「金払えん時はこの道場売り飛ばすゆーて約束したよな!
 あの約束守ってもらおか!!」

「ちょ…ちょっと待ってください!!」

「なんや!! もうエエやろ、こんなボロ道場!
 借金だけ残して死にさらしたバカ親父に義理なんて通さんでエエわ!
 捨ててまえこんな道場…おぶっ!」


 お妙が男を殴る。ヒュゥッと凪は口笛をふいた。
 他の男に掴まれて制止させられているお妙は怒っているようだ。


「こ…んのボケェ…!」
「……!」


 ゆらりと殴られた男が立ち上がり、お妙を地面に叩きつける。
 どうやらこちらも相当頭にきたらしい。


「女やと思って手ェださんとでも…思っとんかァァ!!」
「…ッ!」
「——!」


 ゾク、と男の背中に何かが走る。腕も動かない。
 恐る恐る男が振り向くと、銀時と凪が力強くその腕を掴んでいた。


「そのへんにしとけよ。ゴリラに育てられたとはいえ…女だぞ」
「あいにく…同性の子が殴られてんのを黙ってみる趣味はないから」
「い…いだだだだだ! いだい、ちょ、いだだだだだだッ!」


 メキメキと腕が音を立てている。男は悲鳴をあげた。
 パッと掴んでいた手を離す銀時と凪。


「なっ…なんやお前らァァ! この道場の門下生かァァ?!」

「うるっせーよ黙れヅラ男」

「もうヅラ決定ィィ?! つーかちゃう言うとるやろォォ!
 ホンマにっ、どいつもコイツも! もうエエわ!!」

「……」

「せやけどなァ姉さんよォ…その分アンタに働いて返してもらうで」


 男は懐から一枚の紙を取り出してピラピラとふった。
 そこには“ノーパンしゃぶしゃぶ天国”と書いてある。


「ノッ…ノーパンしゃぶしゃぶ天国だとォ!」

「簡単にゆーたら空飛ぶ遊郭や。今の江戸にゃ遊郭なんぞ禁止されとるやろ。
 だが空の上なら役人の目は届かん。やりたい放題や」

「…………」

「色んな星のべっぴんさん集めとったんやけど…あんたやったら大歓迎やで。 
 まァ…道場売るか体売るかゆー話や。どないする」

「究極の選択だ…! ヅラ男か、道場か…」

「黙っとれ金髪女ァァ!」 


 お妙は一度瞠目したあと、ゆっくりと立ち上がった。


「わかりました、…行きましょう」

「え゛え゛え゛え゛え゛! ちょっ…姉上ェ! なんでそこまで…!
 もういいじゃないか! ねェ!! …姉上!!」


 新八の叫びに歩みをとめるお妙。
 銀時と凪もここは空気を読んで大人しくしていた。


「新ちゃん、あなたの言う通りよ。
 こんな道場…護ったっていい事なんてなにもない。…苦しいだけ。
 でもねェ、私…捨てるのも苦しいの。
 もう取り戻せないものというのは…持ってるのも捨てるのも苦しい」


 お妙は切なげな表情を新八の方向に向け、微笑んだ。


「どうせどっちも苦しいなら…私はそれを護る為に苦しみたいの」
「……!」


 そう言って男達に連れて行かれるお妙。
 カチッ、とライターで煙草に火をつけながら凪は呟いた。


「とんだ孝行娘だ、眼鏡ボーイの姉上は」
「…ッ…!」
「…オメー、いいのかよ」


 銀時は新八に尋ねる。ぐっ、と返答につまる新八。
 その時だ。リーダーらしき男が戻ってきた。


「オイ、そこの金髪女ァ!」

「…え、私か」

「そうだよ! オメーも来い! 
 あの娘が何かオメーも巻き込んでいいとか言ってたからな!」

「とんだ悪い奴だ、眼鏡ボーイの姉上は」

「そんな感じの言葉さっきも言ってませんでした?」


 銀時と凪の視線がかち合う。じぃっと互いに見つめ合っている。
 その時、ハァ、と銀時が溜息をついた。


「分かった、行ってやりましょー」
「ほォ、度胸のある女やないか。色気もなかなかだ」
「ちょ…ッ、凪さん?! 別に姉上が言ったからって貴女が行く必要は…!」
「あとはよろしくなー」
「凪さんんんん?! ア、アンタ止めなくていいのかよ!」


 新八が銀時に詰め寄る。 
 銀時は去りゆく凪の背中を見送り、ケッと頭をかいた。


「とりあえず…新八クン、オメーはどうする。追いたいか?」
「は…? …でも…。と、と言うか! アンタこそ良いんですか、凪さん行かせて!」
「…お前…アイツが何のためにあっさり行ったと思ってんだ」
「…は…?」

 
 フリーズする新八。いまいち分かっていないようだ。


「オメーの姉貴を護る為にアイツァ行ったんだぞ」
「…そ、そんなこと…何で分かるんですか」
「そういう奴だから」
「…………」
「もう一度聞くぜ。…お前はどうする?」



(凪さん…。本当に来てくれたのね)
(ま、迷惑かけたし。美人ちゃん一人にはできないし)
(……。ふふ…おかしな人)