二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 情報屋ナギ 【池田屋編】 ( No.62 )
- 日時: 2013/11/30 00:31
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: ..71WWcf)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11714715743.html
Dr.クロ様
情報屋ナギも更新ペース上げていきたいと思ってます(´∀`)
はい! オッケーですッ!
楼蘭様
私もここのセリフ大好きです! 書いてて幸せでした((
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とある日、万事屋銀ちゃんにて。凪は一人コクコクと眠っている。
そんな中、銀時は神楽と新八、漆と瑠璃音、百華と九六に詰め寄っていた。
15訓 託された奴がしないでどうする
「俺が以前から買いだめていた大量のチョコが姿を消した。
食べた奴は正直に手ェ挙げろ。今なら四分の三殺しで許してやる」
「…四分の三ってほとんど死んでるじゃないですか」
「と言うか銀時さん、貴方いい加減にしないと糖尿になりますよ」
「るせーよ俺の勝手だろ」
「なんですって?」
「ゴメンナサイマジ勘弁百華様」
パソコン画面を見つめながら言う漆に銀時は懇願する。
瑠璃音は完全に夢の中の凪に毛布をかけながら、ふと神楽の方を見た。
「…ん? ……神楽。そちの鼻から何か赤いものが垂れておるぞ?」
「…またも狙われた大使館。連続爆破テロ強行続く…。私恐いよ、パピー、マミー」
「恐いのはそちじゃわ。…九六、そちも何やら後ろめたそうじゃが」
「…ごめんなさい」
「九六は素直でよろしい。腹減ってたんだな、うん」
「何アルかその九六と私の扱いの差は」
じとーっと神楽が銀時を見る。
が、銀時もチョコレートを勝手に食べた神楽に冷たい視線を送っているようだ。
「…漆さん。凪…今日はよく寝てるけど…どうかしたの…?」
「あァ〜、凪は昨日情報収集してたから疲れてんの〜…」
「そう…」
「クー…クー…」
小さな寝息をたてて眠る凪。その顔はどこか安らかだ。
よほど情報収集とやらで疲れていたのだろう。
その時だ。ドカンッ、という音が響いた。
「…なになにィ〜?」
「相変わらず緊張感ないな漆さんアンタ。…事故、ですかね?」
—
「くらああああああ! ワレェェェ人の店に何さらしてくれとんじゃァァァ!」
「ス…スンマセン……昨日からあんまり寝てなかったもので…」
「よっしゃァッ! 今永遠に眠らしたらァァァァ!」
「——落ち着けあやのん」
「!」
自分を制する声が聞こえてお登勢がそちらを見ると、凪達が階下に降りてきていた。
くぁ〜と大きな欠伸をする凪はどうやら先程の音で目が覚めたらしい。
店につっこんでいる男性を見て目を細めた。
「こりゃァひどい」
「…アンタ、飛脚か?」
銀時が男性を見つめながら言う。コクリと男性は頷いた。
そして一つの小包を取ると、それを近くにいた漆に手渡す。
「…は?」
「これを…俺の代わりに…届けてください……!」
「ふぁ〜ぁ…頑張れェ、漆ィィ…」
「ちょっと待って〜凪ィ〜」
「お…お願いしまっ……う…」
「おっ、おいっ!」
意識を失った男性に声を上げる銀時。
八人は同時に顔を見合わせ、そして同時にため息をついた。
—
「…ここ」
「……。…マジか」
凪の情報を頼りに一行は配達先へとやって来た。
戌威星の大使館である。天人嫌いな凪と百華は露骨に嫌そうな表情である。
「…嫌なトコ来ちゃいましたね」
「…そだね」
「さっ、漆。さっさと配達して帰るのじゃ」
「…なんで私なの〜…」
「…貴女が荷物を渡されたから」
「いやそれはそうだけどもー…」
ため息をつきながら漆は近くにいた大使館の門番に声をかける。
犬の天人であるその門番は露骨に迷惑そうな表情を浮かべた。
「届け物がくるなんて聞いてねーな。
最近はただでさえ爆破テロ警戒して厳戒態勢なんだ。帰れ帰れ」
「ドッグフードかもしんねーぞ。もらっとけって」
「んなもん食うかァッ!」
銀時の言葉に、パシッと天人がその荷物をはじく。
大使館の敷地内にその荷物が落ちる。…その瞬間だ。
——ドカァァァァァァンッ!
「「「「「「「………………」」」」」」」
「……ふあ〜ぁ…」
一人欠伸をしている凪。それ以外はフリーズしている。
もんのすごい爆発だ。もんのすごい威力だ。
とりあえず…と、凪は瞠目してつぶやく。
「「っ逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉいっ」」
「「もっと凪と漆は緊張感を持てェェェェェェッ!」」
「私に構わず逝って、みんな!」
「いだだだだだっ…ちょ、三つ編み引っ張んなコラ」
「…お先にいきます」
「待たぬか九六ォォォォォッ!」
「こんの犬風情が私に触ってんじゃないですよ」
「んな事言ってる場合か百華ァァァッ!」
全員が全員我先にと逃げ出そうとするが、後ろから多勢の犬の天人が追ってくる。
そして新八が腕を掴まれ、新八は銀時の腕をつかみ、銀時は神楽の…と続いている。
だから全員が全員逃げられないのだ。
「ギャァァァァッ! ワン公さらに増えましたよォォォッ?!」
「——全く、手間のかかる奴だ」
そんなつぶやきをする男が一人。
次の瞬間、一行をとめていたワン公たちが吹っ飛ばされた。
「なっ…?!」
「だ、誰じゃ…っ?!」
「——逃げるぞ、銀時」
そこにいたのは黒髪長髪の男。銀時は目を見開く。
「おまっ…ヅラ小太郎か?!」
「ヅラじゃない桂だァァァァァ!」
「ぶふォ!」
いきなりのアッパーカットに見事にやられる銀時。
しゅばっ、と物凄い勢いで銀時は桂を見た。
「て…てめっ、久しぶりに会ったのにアッパーカットはないんじゃない?!」
「そのニックネームで呼ぶのは止めろと何度も言ったはずだ!」
「つーかお前なんでこんなところに…?!」
「話はあとだ! 行くぞ!」
追ってくるワン公達を見て、万事屋と情報屋一行、百華と九六は走り出したのだった。
————それを見つめる者が、幾人。
( とうとう尻尾出しやがった )