二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 情報屋ナギ 【池田屋編】 ( No.71 )
日時: 2013/12/07 22:00
名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: hxCWRkln)
プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11721437553.html


 Dr.クロ様

九六ちゃんの母親絡みでオリジナル…ですか(´∀`)
うーん…一応考えてみますが、ちょっと難しいかもしれませぬ(´・ω・`)

 竜様

では、三番隊で行かせていただきます!(´∀`)
ドSキャラグッジョブです((

 Sora様

優姫様あんな感じでよかったのでしょうかw
土方は敵だらけですねww書いてても思いましたww
思わず栄蓮を味方として入れてあげようかなと思うくらいw
真選組は賑やかでこそ真選組なのです!(´∀`)


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『 凪。…元気にしてるんだよ 』
『 まひる……っ 』


 17訓 人生でいいやつにはきっと一度は会える


『——に続き、今回卑劣なテロに狙われた戌威星大使館。
 幸い死傷者は出ていませんが…監視カメラにテロリストと思われる一味が…』

「「「「「「「「…………」」」」」」」」


 ばっちりテレビに八人の顔が映っている。はぁ、と新八が溜息をついた。


「何かの陰謀ですかね、こりゃ。…なんで僕らがこんな目に」
「唯一あの桂とやらに会えたのが不幸中の幸いじゃな…」
「こんな状態の僕らかくまってくれるなんて…あの人、何?」


 九六がゴロゴロしている銀時に尋ねる。
 銀時は真顔の無表情で“テロリスト”と答えた。


「テロリスト…」
「なんの冗談ですか? 全く笑えませんよ、銀時さん?」
「百華、悪ィけどマジで冗談じゃねーんだわ」
「帰りたいィ〜…」
「オメーはいつでもホームシックだなァオイ?!」


 ブーブー言っている漆に銀時のツッコミが入る。
 凪はプヘーッと一服しているようだ。


「——テロリストとは何だ、銀時。
 我々は天人を討ち払い、もう一度この国を侍の国へと立て直す侍だ。
 卑劣なテロなどと一緒にするな」

「…じゃあ攘夷志士ってこと〜…?」

「ピンポーン」

「何この人。何か無駄に腹立つんだけど何この人」

「凪、“じょういしし”とはなんじゃ?」


 瑠璃音が煙草を吸っている凪に言う。スパーッと煙をはく凪。
 一向に説明する気がない凪にかわり、百華が口を開いた。


「…攘夷とは二十年前の天人襲来の時に起きた外来人を排そうとする思想のことです。
 高圧的に開国を迫ってきた天人に危機感を感じた侍は、天人を江戸から追い払おうと戦ったんです」

「…でも天人の強大な力を見て弱腰になっていた幕府は、侍達を置き去りに勝手に天人と不平等な条約を締結。
 幕府の中枢を握った天人は侍達から刀を奪い彼等を無力化したの」


 百華に続いて九六の説明も入る。スッ、と漆の瞳が細まった。


「どうやら…踊らされちゃったみたいだねェ〜…」
「え…?」


 漆が指差す方向を見ると、そこには先程の飛脚の男がいた。
 つまりはハメられたというわけだ。


「…全部てめーの仕業か、桂。最近世を騒がすテロも…今回のことも」

「…例え汚い手を使おうとも手に入れたいものがあったのさ。
 銀時。…否。天人との戦において鬼神のごとき働きをやってのけ…味方からも敵からも恐れられた“白夜叉”よ。
 この腐った世を立て直すため…再び俺と共に剣をとらんか」

「銀さん…アンタ攘夷戦争に参加してたんですか…」

「…昔の話だ」 

「そして…。先程から煙草を吸っているそこの女よ」


 桂が凪を見る。凪はいつもの如く座っている瞳を桂に向けた。
 真っ直ぐな瞳がかち合う。


「…なぎ、と言ったか。…まひるを知っているな」
「…………」
「…凪?」


 九六が凪に声をかける。が、凪は黙ったままだ。


「銀ちゃん、“まひる”って誰アルか?」
「…一之瀬イチノセまひる。俺達と共に攘夷戦争に参加して…戦死した同志だ」
「!!」
「戦場にいる唯一の女…。まさしく一輪の花だった…」


 桂は目を細めながら、懐かしそうに、愛おしそうに言う。
 
 ——なびくオレンジ色の長髪。優しいが、鋭く、凛々しい紅色の瞳。
 幾度も幾度も、助けられた。幾度も幾度も、支えられた。


『 桂。もし私が死んだら… 』
『 ちょっと待て。なぜ貴様が死ぬ話になっている。何で死ぬ前提だこの馬鹿 』
『 桂に馬鹿とか言われたらもう死んでる同然だね 』
『 おとなしそうな顔して本当に貴様は…… 』


「…神風凪。…まひるは、貴様にとってなんだ?」
「…………」


 凪は鋭い瞳を桂に向けた。ギンッと言う効果音が合う勢いで睨みつける。
 グリグリと煙草を手持ちの灰皿に押し付け、凪は目を伏せる。


「…大切だった」
「…………」
「なくしたく、なかった。行って…。…逝ってほしく、なかった」
「凪さん…」


 いつもは自分の思いをそこまで語らない凪がいうものだから、ただ静かに皆聞いていた。
 

「そういう存在だった…。…帰ってきて欲しかった」
「…俺も、共に帰りたかった」


 桂も俯きながら呟く。
 それ程までに“一ノ瀬まひる”は、凪の中で大きな存在だったのだ。


『 凪、凪。…これあげるよ 』
『 これ…なに? 』
『 こだち、って言ってね。女でも使いやすいの 』


 桂は凪に近づき、片手をすっと差し出した。


「まひるは天人にやられた。…否、正確に言えば…幕府に裏切られて死した」

「…………」

「神風凪。貴様も俺と銀時と共に…この腐った世の中を立て直そう。
 …きっとまひるもそれを望んでいる」

「凪……」


 百華が凪の名を呼ぶ。凪は無表情で桂を見ている。


「…私は——」


 凪が口を開いた瞬間、バァァンッと部屋の扉が勢いよく開かれた。
 一斉に全員がそちらを見る。黒い服を着た、集団。


「御用改めである!! 神妙にしろ、テロリストども!!」
「し…真選組だァァッ!! イカン、逃げろォッ!!」



(アレ…? …トッスィーじゃね?)
(トッスィーって誰?!)