二次創作小説(紙ほか)

Re: 銀魂“真選組討伐部隊・零番隊帰還”キャラ募集! ( No.166 )
日時: 2013/11/20 09:15
名前: 楼蘭 (ID: JSwWcgga)


二十五訓/表と裏。自我と非我。どれも全て要は自分自身だよね?


列車の中には近藤と伊藤、美月とその他隊士が乗っていた。

「久しぶりだな、武州に帰るのは。あそこは俺や姉さんやトシ、総悟や菫ちゃんの生まれ育った所でね。どいつもこいつも喧嘩ばかりしてる荒れたところだった」
「やってることは今と変わらないわね」
「変わらなさすぎて不安になる。ちたぁあの頃よりマシな奴になれたのかって少しは前に進めているのかってね」
「君ら姉弟は立派な侍だ。僕は君ら程洗練な人物に会ったことがない。無垢とも言うのかな?君らは白い布のようなものだな。何者も受け入れ何者も染まる。真選組とはきっとその白い布に思い思いの色で描いた未旗なのだろう。比べて僕の色は黒だ。何色にも染まらないし何事も黒に塗りつぶしてしまう。どこへ行っても黒しか残らない。私の通ったところは全て私の色になってしまう」

近藤と美月にいつの間にか隊士全員から剣が向けられていた。

「ん?」
「あらあら」
「近藤さん、美月さん。すまないね。君達の未旗はもう真っ黒になってしまったんだよ」
「ぷっ、だぁははははは」
「ふふふ、面白いこと言うのね」
「本当さすが先生。俺たちが真っ黒に染まった?成る程。俺たちが白い布とするならば確かにそうかもな。だが俺はいいとこ縮毛だらけの褌ってとこかな?」
「確かに白い未旗って言う甘っちょろいもんじゃないわね」
「あぁ。先生の周りにいる奴らは知らんが奴らは違う。奴らは色なんて呼べる代物じゃねぇ。言ってみりゃ垢だよ。洗っても取れねぇ染み付いちまった汚れだ」
「しつこくて洗っても取れないものだから最後には愛着まで湧いちゃって、困ったものね。けど汚れも寄せ集まって年期が入るうちに見慣れるようになるの。いつの間にか立派な未旗になっちゃってて。学もないし卑屈も無い。頭より感情で動く人間よ」
「奴らは何色にも塗りつぶせないし何色にも染まらん。何を考えてるのかわかんねぇ得体の知れねぇ連中だ。先生、あんたの手には負えない」

っとそこに沖田と菫が入ってきた。

「沖田君、清河君。何をやっている。君らは見張のはず」
「てめえが何やってんだ。てめぇが何やってんだって聞いてんだ!クソメガネヤロー!」
「その刀、降ろしな」
「沖田君!清河君!伊藤先生になんて口を」
「「手を離せ…」」

沖田が容赦無く刀を抜き男を斬った。

「その人から手ェ離せって言ってんだ!」
「総悟」
「菫」
「沖田君、清河君。やはり君らは土方派。僕に近づきその動向を探る為のスパイ。土方を裏切ったのは僕を欺く為の芝居だったか」
「勘違いしないで。私は兄さん派。狐もマヨも兄さんの敵は私の敵」
「芝居じゃねぇよ。言ったはずだ。俺の眼中にあるのは副長の座だけだ。邪魔な奴は誰だろうと叩き潰す。土方は消えた。次はてめぇの番だよ、伊藤先生。俺ぁてめえの下にも奴のしたにもつくのはゴメンだ、俺の大将はただ一人。そこをどけぇ!局長(そこ)の隣は俺の席だ!」
「ははははは!とんだ性悪だ。土方を消す為に僕を利用し用済みとあらば僕をも消すか。いいじゃないか。僕も君と同意見だ」

互いに含み笑いをする伊藤と沖田。

「「だぁぁ!!」」

菫と沖田の背後のには刀を振り上げた隊士がいた。菫が刀を抜き斬りつけたのと沖田がズボンから取り出したボタンを押したのとほぼ同じだった。
列車は揺れ爆音が響く。
揺れにより近藤と美月は隊士の刀から離れた。

「立てますか?」
「えぇ。大人しくしてると言うのも面倒な事ね」
「美月さん、大人しくしとかないと黒田さん殴った時の脱臼、ぶり返しちゃいますよ。癖ついたら大変です」
「近藤さん。行きやすぜ」
「あっ、おい」

四人は反対方向に走り始めた。

「伊藤先生!爆破箇所から炎が出ていてこれ以上は危険です!」
「列車を止めるな!止めれば近藤姉弟に逃げられる!列車にはあの二人以外我々の仲間しかいない!列車が走り続ける限り奴らは袋のネズミだ!」