二次創作小説(紙ほか)
- Re: 銀魂“真選組討伐部隊・零番隊帰還”急遽ネタ募集!! ( No.440 )
- 日時: 2014/03/03 21:42
- 名前: 楼蘭 (ID: EdfQYbxF)
- プロフ: http://s.ameblo.jp/sora-rouran/entry-11786579036.html
三十一.五訓/ひな祭り番外編!女の子はいつだって大人に憧れる!
とある少女は体が弱く、長くは生きられないと医師に言われました。
まだ幼かった少女は外をみたいとこっそり、家を抜け出しました。
外の夜の世界は星みたいにキラキラしていました。
本当は少しみて帰る予定でしたが、大人になる前にこの世界を見れなくなることに悲しくなり、少女は佇んでしまいました。
そんな時声をかけられ、悲しみのあまり胸の内を打ち明けました。ただし死ぬことは伏せて。すると声をかけた人が言いました。
なら、大人になった世界を見せてあげよう。
少女は満面の笑みで指切りの約束をしました。
これは一世紀も前の話。
「ん〜、」
夕凪はふと体を起こした。周りをみれば飲み会のままみんな寝ていた。
「松ぅ……」
「…何?」
「漏れる……」
「………はいはい」
まだ三月なりたてのこの時期は寝巻き一枚だと肌寒い。
松菊は寝ぼけながら夕凪に手を引かれて厠へ向かった。
「……ん?」
「でたぁ……」
「報告はいらん……ってか夕凪、でかくなった?」
「成長期だもん……眠い」
「………もう一眠りするか…」
まだ日も登らない時間。二人はまた布団へ潜り込んだ。
「♫♫♫♫♫♫っっ!!!!???」
声にならない悲鳴。でも悲鳴だから声のした方へ集まった。
「黒田隊長……また爬虫類でも………」
集まってきた部屋の中で松菊、土方、要までもが固まっていた。
全員の視線の方をみて聞きつけてきた男どもも固まってしまった。
なぜなら夕凪、実華、菫、総悟が20代へと成長していたのだ。
「ん?松?おはようのギュゥ〜」
夕凪は寝ぼけながらいつものように松菊に抱きつく。
「ん……っ!?」
いきなり起きて外のギャラリーをみたため実華は身近にいた土方の背中に隠れる。
「むにゅ………兄さん、朝だよぅ」
「ん…」
ドS兄妹も目を覚ました。
「「いっただっきまぁす!」」
「いただきます」
「いただきやす」
元気にご飯へありつく四人。
だが明らかに周りの様子がおかしい。
おかしいのは…夕凪と実華の制服にあったのだが。
なにせいきなり成長したにもかかわらずその服を着出すのだからへそだしミニスカ状態である。
「………要、アレはなんなんだ?夢見てる?オレ」
「推測不能です」
「ってか問題はあの四人はなんで気づいてないかだろ」
そう、全くもって本人は気づいていない。
そこがまた難点で。鈍感なのか、なんなのか。
「まつまつ!今日はね!お雛祭りなんだって!」
「………ひな祭りねぇ」
「あっ……そういえばひな祭りに関することが書かれた本を読みましたね」
「えぇ?ちょっと教えてくれる?」
「はい、確か……へ?」
要は横をみると銀時が座っていた。
「きやぁぁぁぁ!!」
「ぐへはっ!?」
要はつかの部分で思いっきりアッパーをかました。
「銀時様、大丈夫ですか?」
「銀ちゃんが悪いネ」
「そうですよ、いきなり声なんてかけるか「駄眼鏡さんは臭い口でしゃべらないでください」ちょっとひどく無い!?」
みれば神楽と新八も成長していた。
「すみません。取り乱してしまいました」
「取り乱す!?防御攻撃の間違いじゃないの!?」
「なんで勝手に入り込んでんだよ」
「空いてたんですぅ」
「空いてたからって入ってくんじゃねぇよ!」
「マヨラーと甘党はほっといて、要。その話ってのは?」
「はい、一世紀ほど前。体を患わした女の子はもう長くないとお医者様に言われ、屋敷を飛び出しました。
外の景色を冥土の土産にしようとしたのですが、あまりにも綺麗すぎて、ここで死ぬことが怖くなったそうです。
そんな時、一人の天人に会い、死ぬこと以外の胸の内を語るとなんだそんなことかと天人は告げたそうです。
『大人になった世界を見せてあげよう。だから少しだけ待ってておくれ』
ですが天人がまたきた際、その少女はなくなっていたそうです。
ですがそのご両親は大変天人に感謝しました。
『娘に最後の楽しみをくれてありがとう』
と。
それ以来、少女の命日である三月三日のお雛祭りの日にきまぐれで10代の少年少女を20代の姿に見せてあげるそうです」
「へぇ、ってことは気まぐれにはまったってことか」
「ご本人が気づかないのはどういったことなんでしょうか?」
「憶測ですが、未来を知っては未来ではなくなるからではないでしょうか」
「なるほどな。で?マヨラーと甘党はなんでないてんだ?」
「「泣いてねぇ!コンタクトが刺さっただけだ!」」
「……いつからコンタクトしてんだよ」
見事なハモりに松菊は呆れながら聞いた。
とある年のひな祭りの日のこと。