二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.104 )
日時: 2014/10/04 14:23
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第33問「巨大魔水晶って何?」


翌朝。
テーブルの上においてあった手紙を見たハートフィリアが叫んでいた。
同じあたしとして許せない、と。

出ていった理由はいろいろ知っているがあえて言わないにした。
ルーシィがそういった理由を紙に書かなかったんだからわざわざ私から言う必要もない。
それに説得に成功したら自然とわかるだろう。


「出ていっちまったもんは仕方ないだろ?ハートフィリア。出発するぞ」

武器がちゃんと手元にあるか確認して街へと歩き出す。



ハートフィリアは途中、興味ある本を見つけて機嫌を直したようだ。
その時、“ゴゴゴ”と音がして上空を見上げる。
そこには飛行船が飛んでいた。

飛行船は地へと降りると王国軍が飛行船へ乗り込もうと急いでいた。
私たちは影に隠れて様子をうかがう。

あの巨大水晶の魔力抽出が明後日だと騒いで。
ここからだと歩いて3日。
ドラグニルたちの目的はあの魔水晶だ。間に合うはずがない。
しかし、抽出が始まってしまったら形のないものになってしまう。

ナツがいれば…。


「あの船、奪うか」

ドラグニルは唐突にいう。
普通、潜入だろと言い直すがドラグニルは隠れるのが嫌らしい。
ハートフィリアはそれに賛成し、飛行船の前に立つ。


「開け!獅子宮の扉……ロキ!!」

「申し訳ございません、姫」

ハートフィリアの反応からするに出てきたのは本来と違う人物だったみたいだ。
それを見たドラグニルやマーベルが武器(まほう)を取り出す。
だけど扱いなれないのかすぐにやられてしまう。

ここで捕まられても困ると思い私も前に立つ。


私専用に改造した伸縮可能な金槌。
槌の部分を巨大化させ、王国軍に向かってく。

「王都につくまで戦闘は避けたかったんだがなッ!」

地面へと王国軍を叩き潰せばかなりの数が減る。
それでもまだ人数はいそうだ。

3人は使い物にならない。それはネコも同じこと。
ここは1人で何とかしなくちゃな…


そう思っていると遠くからエンジン音。

「この音…」

「な……なんだ!?」

向かってくるは魔道四輪。
妖精の尻尾の模様、間違いない。

彼は周りの王国軍を蹴散らし、私たちの前に止める。

「ルーシィから聞いてきた。乗りな」

ドラグニル達はおお、と声をあげすぐに乗り込んだ。


「リキ、お前はどうする?」

どう考えてもこの人数じゃ全員は乗り切れないだろう。
乗り切れてもきつすぎる。

「決まってる、王国軍も攻撃を仕掛けてくるかもしれねーし。車体の上に乗らせてもらう」

「分かった。後ろの王国軍は任せたぜ。落ちんなよ」


車体のつかまれるところをしっかりとつかむと魔道四輪は走り出す。
私は片手で掴み片手で武器を持ちながら後ろを向いた。

追いかけてくる気はないみたいだ。
同時に攻撃を仕掛けてくる様子もない。


「相変わらずはえーな、ナツ」

その言葉は勢いよくふく風に流れ消え去った。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.105 )
日時: 2014/10/05 14:25
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

ファイアボールの通り名を持つナツ。
すぐに王国軍の姿は見えなくなり、風の抵抗に逆らいながら武器をしまう。
かなりのスピードを出しているのだろうか。
風の勢いはすごかった。

正直、よく片手だけで掴んでいられたと思う。
それほど必至だったのかはよく分からない。
でも来てくれて助かった。
ルーシィは説得に成功したんだろうか…。



しばらくすると車はいきなり止まる。止まったのを見て私はすぐに上から降りた。
平衡感覚を失ってしまったのか少しフラつく。
長時間、勢いがある風の中にいるもんじゃないな…。

それにしてもかなりの時間が稼げた。
王都はすぐ目の前だ。

「うぉおおー!生き返ったー」

すぐにドラグニルが出てきて、ちゃんとに説明してないのか、
ハートフィリアとマーベルが追い出されるように出てきた。


「王国とやり合うのは勝手だけどよォ、オレたちを巻き込むんじゃねえよ」

今回はルーシィの頼みで手を貸してやった、と。
ナツはただ走り続けたいんといった。
ドラグニルはそんなナツに声をかけ、降りろと無理やりおろした。

そんな様子に私はくくっと笑う。

「何で乗り物に強え!?」


「ひ…ひ…ん、ご…ごめんなさい……ボクにもわかりません」

ナツは顔を隠し怯える。
相変わらずのヘタレっぷりにはいつも笑わせる。
このギャップがたまらない。

「お…おまえ本当にさっきの“オレ”?」

「は…はい……よく言われます。車に乗ると性格変わるって」

ハッピーがこっちが本当のエドナツだと騒ぐとナツは大きな声出さないで、と頭を抱え震える。
思わず声を出して笑ってしまった。
ドラグニルたちは相当驚いているようで。
とりあえず落ち着きを取り戻し、話を元に戻した。


「ごめんなさい、ごめんなさい!で…でもボクには無理です!
ルーシィさんの頼みだからここまで来ただけなんです」

ナツは改めてアースランドの人たちを認識する。
ハートフィリアに話しかけられた時はまた怯えだし岩陰に隠れた。
こちらのルーシィの影響もあるのだろう。


「こっちのルーシィさんは……みなさんをここまで運ぶだけでいいって…」

崖を見下ろすとそこに見えたのは王都。
ドラグニルは着いてるならはやく言えよと肩を組む。

崖を降りていくみんなについていくとナツは後ろから本当に戦うのか、と問うてくる。
ドラグニルはやるしかないだろ、と返した。

「お……王国軍になんて…勝てる訳ないよ」

ドラグニルはただ笑う。