二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.108 )
- 日時: 2014/10/06 19:37
- 名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
王都城下町。
ここでは様々な人で賑わっていた。
他の街とは違い、魔法にあふれている。
全ての街やギルドから魔力を奪い、ここに集中させているんだ。
魔法を持たない者たちにとってここは娯楽施設だろう。
私にはそう思えないけど。
ドラグニルたちが何かあちらの方が騒がしいなとそちらへ向かう。
そこには魔水晶があった。それを守るように立つ王国軍の奴等。
魔水晶には切り取られた部分がある。これで全部ではないのだろう。
その前にはこの国の王が立っていた。
「エドラスの子らよ。
我が神聖なるエドラス国はアニマにより10年分の“魔力”を生み出した」
10年分の魔力…。
それはあくまで目の前に立つドラグニルやマーベル、ハートフィリアたちの仲間だ。
いや、仲間であったものだ。
魔力は欲しい。でも仲間を犠牲にしてまで魔力は欲しくない。
実際、私は魔力なしでも生きられるんじゃないかと思ってるんだ。
この国が平和であれば。
「共い歌い共に笑い……この喜びを分かち合おう」
周りの連中は歓声をあげる。
「エドラスの民にはこの魔力を共有する権利があり、
また…エドラスの民のみが未来へと続く神聖なる民族!!
我が国からは誰も魔力を奪えない!!!
そして我はさらなる魔力を手に入れると約束しよう!
これしきの魔力がゴミに思えるほどのなァ!」
“バキィ”と音がして魔水晶が割れた。
人々は「エドラス」と声を上げる。
それは私達をイラつかせるのに十分だった。
あそこには奪ったドラグニル達の仲間がいる。
それを“ゴミ”といったのだ。
私とは直接の関わりはない。
だが、私だって仲間をゴミ呼ばわりされるのはいい気はしない。
王も王都にいる人間も王国軍もみんな大嫌いだ。
殺したいぐらいに。
むしろ今からでもこいつら全員殺していってもいいのに。
何かが私の意思を止めていた。
それから場所を移動し、部屋を一室借りる。
それぞれが険しい顔をしていた。
ドラグニルは我慢出来ないと立ち上がるがシャルルは作戦を立てると落ち着かせる。
水晶からどうやって元に戻すか。
それは王から聞くしかない。
ハートフィリアは考えることが分かる、というジェミニならいけるかも知れない、と。
問題はどうやって王に近づくか。
「王に近づく方法はあるわ」
シャルルは紙を突然に見せてきて言う。
それは地図のようだ。
元々は城から外への脱出用の通路。
町はずれの坑道から城の地下へと繋がっているはずだと言った。
エドラスに来てから地理の情報が追加されるようになってきたらしい。
「とにかくそこから城に潜入できれば何とかなるかも」
「おし!みんなを元に戻すぞ!!」
出発は夜。今は少しでも休むことに。
そして夜になるとシャルルの案内に沿って歩いていく。
ここから城の地下へと繋がっている…。
その時、急にハートフィリアの体が拘束される。
次にマーベル、ドラグニル、私とネコ以外の全員が捕まってしまった。
手が出せなければ攻撃もできない。
これはいったい…。
ザッザッと歩いてくる兵隊。
どうして見つかったんだ………。
「奴等とそっくりだな。
ナツ・ドラギオン、ルーシィ・アシュレイ……とは本当に別人なのか?」
エルザ…。
「つれていけ」
身動きが取れずにそのまま引きずられていく。
抵抗しようとしても無駄に終わる。。
ハッピーやシャルルは“エクシード”と呼ばれ、称えられていた。
+++
『お願い……ノエルさん…助けて…………』