二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.109 )
- 日時: 2014/10/08 21:15
- 名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
第34問「亡霊って何?」
ざわざわと声が聞こえてくる。
それは一層うるさくなって聞こえてきた。
そういえばさっき誰かに“助けて”と言われたような気がする。
一体誰だろうか…。
“パキンッ”
考え事をしているとそんな音が聞こえて目が覚めた。
見渡してみるとそこはまったく知らない土地。
ここは…どこだ。
だけど暴れまわるガジルさんの姿が見えた。
倒れている人たちも何人かいる。
「?」
「ノエルとグレイか?」
声がした方を振り向くとそこにいたのはお姉ちゃんの姿。
グレイさんもいるようだ。
それにしてもこれはいったいどうゆう状況なのだろうか……分かりかねる。
「へぇ、本当に滅竜魔法で元に戻るんだな」
ギヒという特徴的な笑い方をするガジルさん。
お姉ちゃんがこれはどうゆうことだ、と説明を求めるとガジルさんは説明してくれた。
どうやらここは私たちの知っている世界ではないらしい。
“エドラス”
それがこの世界の名称。
ガジルさんも詳しくは分からないみたいだ。
簡単な説明の後、ミストガンさんにこっちに飛ばされたと言っていたし。
「そういやぁ、ミストガンからこんなもの貰ったぞ。
“エクスボール”っつたか?これを飲まねーとこちらの世界で魔法を使えないみたいだ」
ガジルさんが手渡してきたのは瓶。
瓶の中には木の実のようなものが入っていた。
これがエクスボール…。
それはグレイさんが受け取り、私とお姉ちゃんに一粒ずつ渡す。
少し抵抗はあったが確かに魔法はこのままでは使えなそうなので飲み込んだ。
体に魔力が戻ってくるのがわかる。
マグノリアのみんなが“アニマ”というものに吸い込まれ魔力、水晶にされた。
そこをガジルさんは助けてくれたらしい。
私たちはその水晶の一部。
他に魔水晶にされたみんなは何処にいるのだろうか。
「ここは分かれて探した方が早いだろう」
お姉ちゃんがいった。
「そうだな」
グレイさんもそれに賛成し二手に分かれる。
ギルドのみんなを助けないと…。
「それにしたってこんなただっぴろいところを探せってもなぁ…」
「あ、お城がありますよ。あそこに行ってみては?」
目の前に見えるのは大きなお城。
ずいぶんと複雑な構造になっているみたいだけど。
何かしらの手がかりは得られると思う。
「そうだな。そこへ向かってみよう」
城へ行く事を決定し私達は走り出した。
- Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.110 )
- 日時: 2014/10/09 20:58
- 名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
城内。
複雑だし何より広すぎた。だけど何か様子がおかしい。
城の人間があわただしく動いている。
それを私たちは影から見ていた。
何か緊急事態でも起きたのだろうか。
『……!…?………ノエル』
シエルが一点を見つめて私を呼んだ。
「?」
『お前を呼んでるみたいだ』
シエルが見つめる方向を向くとそこには確かにこちらを見る誰かの姿が見えた。
遠くて顔まで見えないけど女の人だ。誰だろうか。
城の人間がひととおりいなくなり、グレイやお姉ちゃんが動き出そうとする。
「すみません、気になる事が出来たので先に行っててください」
「どうしたんだ?」
「対したことじゃないと思います…」
「……分かった。行こう、グレイ」
2人は私が行こうとしている方向とは逆方向へと向かう。
私はシエルと頷き合い、彼女がいる方へと向かった。
彼女は私を案内しているように見えた。
城の人に見つからないように追いかけてるからたまに見失う。
でもその時は戻ってきてまた歩き出す。
「どこに連れて行こうとしてるんだろう」
『さぁな…』
しばらく着いて行くと彼女はひとつの部屋へ入っていく。
人の気配がしないのを確認し、私もその部屋へと入る。
そこには様々な武器が置いてあった。
「武器庫…?」
周りを見渡し彼女の姿を見つける。
その姿に私は目を見開いた。
「誰…?」
『……初めまして。アースランドのノエルさん』
「(…?)」
“アースランド”のノエルとこの人はいった。
と、いうのは、つまりそうゆうことなんだろう。
目の前にいる私にそっくりなその彼女はこのエドラスにいる私自身だ。
相手も“ノエル”として活動しているかは分からないけど。
いや、でもその表現も少し違うのかな。
彼女はもう既に死んでいるみたいだから。
雰囲気的に彼女は悪霊の類ではなくどちらかというと“亡霊”
未練を残し、現世にとどまっているのかな。
『“リキ”を助けて欲しいんです』
「リキ…?」
それは私の2人目。
でもこの人は確かに存在しているように言う。
エドラスとアースランドではきっと私も違うのだろう。
もしかすると1人目も3人目も存在するかも知れないのかな。
『ここにリキの武器がある』
そのリキって子がどんな子かは知らないけどここまで来たのだから最後まで付き合おう。
武器の特徴を聞いてそれを探し出す。
やっとそれらしい武器を見つけると彼女はまた部屋を移動する。
あまりまともな説明ももらえないまま、再び彼女についていくとどこかの地下牢へ。
どうやら人がいるらしい。話し声が聞こえる。
- Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.111 )
- 日時: 2014/10/22 16:13
- 名前: 紫苑有栖 (ID: 4lMk69pY)
「リキ・アルバンスだな?妖精の尻尾の情報を教えてくれれば
こんな事にならなくていいんだぞ?お前だけ逃がしてやってもいいといっているんだ」
「………っは、誰が…教えるか……盗人野郎」
「っち…」
「ぐはっぁ…っ……はっ」
多分この先にそのリキさんがいる。
バリッという音と同時に聞こえてくるのはリキさんの苦しむ声。
何が起きているのか、大体予想は出来た。
はやく、助けなきゃ…。
声の聞こえる方へ走り出し、シエルを実体化させる。
そしてシエルに檻を切ってもらうとこちらに気付いた軍人2人。
檻の中には拘束され、傷だらけの姿になってしまっているリキさんの姿。
「その人を離して下さい」
「んなっ!こいつ…」
拘束具を外す気配のないその軍人2人にシエルは思い切り攻撃を繰り出す。
その間にリキさんの元へ。
近くの岩を手に取り、それを剣へ変えて拘束具だけ切った。
「おまえ……ノエル…?」
リキさんはこちらを見て目を見開く。
その目には僅かながら涙が浮かんでいた。
「いや、すまん。ノエルがここにいるはずないよな、ごめん」
だけどすぐにこの状況を理解したのか、顔を俯かせた。
この人にも霊の類は見ることはできるのだろうか。
武器庫でとってきた彼女の武器を返すとそれを受け取ってくれる。
「なんで、ここが分かったんだ?」
「えっと…彼女が……」
周りを見渡すが彼女の姿は見えない。
どこにいってしまったんだろう。
「……いえ、エドラスの“ノエル”に案内してもらいました」
「! ノエルに…!?どこに、いるんだよ……、」
私は顔を横に振る。
案内してもらったのは実体のある彼女じゃない。
幽体となった彼女だ。
そう、伝えるとリキさんはそうか、と頷いた。
「おい、ノエル。ひとまずここを出よう。グレイ達と合流が先だ」
「うん。そうだねシエル。とりあえず行きましょ、リキさん。安全なところへ」
「私も行く」
「でもその怪我で…」
「いい、大丈夫だ。気にするな」
そうゆう訳にもいかないだろう。
私は一度、シエルを戻してからラーウェルさんに出てもらう。
そして彼女を癒してもらってから牢屋を出た。
+++
ちょっとここいらで亡霊(幽霊?)と悪霊の違いを…。
多分、分かってるとは思うけど。
*亡霊
死んだ人の霊、亡魂。
*悪霊
人にたたりをする死人の魂。
用は人間に影響を及ぼせるか及ぼせないかの違いですよね。
ノエルが扱うのはもちろんのごとく悪霊の方です。
亡霊は見えるだけで実体化等はできません。