二次創作小説(紙ほか)
- Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.124 )
- 日時: 2015/02/06 13:05
- 名前: 紫苑有栖 (ID: 8y9cmuB3)
第38問「お墓ってどこ?」
通路から出た先、そこに試験を突破した人たちが集まっていた。
残っているペアは…。
カナさん、ルーシィさんペア。レビィ、ガジルさんペア。
ナツさん、ハッピーさんペア。グレイさん、レオさんペア。
そして、エルフマンさん、エバーグリーンさんペアだ。
結構残ったなぁ。
「グレイ!カナ!レビィ!エルフマン!ノエル!」
ナツさんがいきなりS級試験者の名前を呼ぶ。
「誰がS級魔導士になるか勝負だ!!」
その挑戦状に誰もが譲れない、と言い張った。
+++
S級試験、第2次試験。
内容は、初代ギルドマスター。メイビスさんのお墓を探すこと。
制限時間は6時間。
誰もが簡単だと侮っていた。
だけど………
「多い!多いよ!この生き物はいったい何!?」
「天狼島の気候も特別だからな……見たことない奴がいても不思議じゃない…」
後ろからなんとも形容しがたい怪物に襲われそうになっていた。
更に、倒したら倒したでまた違う怪物がやってくる。
キリがない。どうすればいいんだ。
そうだ。
まだやったことないけどやってみる価値はあるかな。
「呪い(カーズ)」
立ち止まり、怪物の方へ向き直り死霊をその怪物へ取りつかせる。
動きは……止まった。
「! 行こう、シエル。今のうちに」
「おぅ」
何が起きる分からないからさっさとこの場から退散。
次こそ、怪物に見つからないように探さなくては……。
「でもどうしていきなり墓を探せ、なんだろうね」
「さぁな…。俺も初めてだし何ともいえねーよ」
この試験…試されてるのはきっと知力だ。
何もヒントがないとは思えない。
天狼島に来たのが初めての人は多いはずだ。
その中で地図も渡されていないし明らかに不利すぎる。
カナさんは何回か試験をやっているみたいだけど…。
「! ………」
「シエル?どうしたの?」
いきなり立ち止まったシエルに疑問を持つ。
何か思い当たることでもあったのだろうか。
「この感じ…黒魔導士ゼレフがこの島に…いる…!?」
「え…」
ゼレフは今でも生きている。
それは確信があった。
ゼレフの“悪霊”を感じたこともないし仲間から聞いたこともなかったから。
「どうしてこの島に?」
「それは分からないけど……気を付けた方がいい、」
「……うん。そうだね」
もしゼレフと遭遇してしまったら。
考えるのはやめにしよう。
その時、ガササと茂みが動く。
何が来るか、と警戒していると出て来たのはレビィさんだ。
パートナーのガジルさんはいったいどうしたのだろう。
「ノエルちゃん?」
「ガジルさんはどうしたんですか?」
まぁある意味、この試験の場では出会わない方がよかったのかも知れないけど。
「えっとガジルは…」
「! レビィさん危ないッ」
気配がしてすぐにレビィさんへ体当たりする。
すぐに後ろで剣同士がぶつかる金属音が聞こえ、前から鳥みたいな奴も現れた。
「憑依!」
すぐにレイさんを憑依させて相手へ攻撃する。
しかし敵はすぐにバックして避けてしまった。
「レビィ!」
「ガジル!?」
どうやらガジルさんも来たようで。
私とレビィさんはすぐに起き上がる。
「何だコイツらは…」
「悪魔の心臓。闇ギルド最強のギルドがなんでこの島に…」
シエルも一度、相手から離れ間合いを取る。
ゼレフと何か関係があるのだろうか。
- Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.125 )
- 日時: 2015/02/13 00:03
- 名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)
悪魔の心臓…闇ギルド……。
駄目だ、今は…今はガジルさん達の足手まといにならないようにしなくちゃいけない。
「あんたたち目的は何なの!?」
「ここにいる妖精を狩る事なり!!!」
“轟”
相手の持つ剣から書かれた文字から魔法が放たれる。
それは私達の聴覚を失わせた。
剣士がシエルとレイさんを襲おうと飛び掛ろうとする。
「シエル!!レイさん!」
だけど2人とも、私の声は届かず敵の接近にも気付いていない。
駄目だ、このままでは…。
「実体化、憑依…全解除ッ!」
剣士の剣が2人に届くより先に彼らは幽体へと戻る。
剣は空を斬る。
2人は傷付いていない。
『『ごめん、ノエル!/ありがとう、ノエルちゃん!』』
でも騒音を消さなければ状況は変わらない。
「個体文字…静寂!!!」
瞬間、聞こえていた騒音は消え周りは静まり返る。
「拙者の文字と打ち消しあったのか」
聞こえた、とガジルさんが剣士へと向かう。
鶏がレビィさんの方を攻撃したみたいだが、彼女は防いだみたいだ。
しかし戦況は押されていた。
傷付く仲間と倒れるガジルさんの姿。
「この程度の奴らばかりなら“本隊”が上陸する前に全て片づきそうだ」
「ほ…本隊…だと?」
「我がギルド、悪魔の心臓全部隊なり」
「まだ…まだいるんだ……」
黒い人達が。
仲間を…友達を……大切な人を傷付ける人達が。
「何だ、魔力が…上がって……」
+
「望むのは、君達の全滅。…“呪怨”」
私は笑う。
この世で1番醜いのは仲間の裏切りだと思う。
片方に悪霊を取り憑かせ、命令する。
目の前の鶏を殺せと。
どうせ黒い連中は人の死に対して何も感情はないだろう。
ガジルはレビィに逃げろと叫ぶ。
この様子に少し戸惑いながらも彼女は走り逃げていった。
剣士は鶏を無我夢中で襲う。
「ペペ、こんな時にこんな事してる場合じゃないペロ」
「無駄だよ。その剣士はもう私の命令しか聞かない」
明らかに鶏の方が弱いのは分かっていた。
「どう…なってんだ?」
重症を負い、それでも立ち上がろうとするガジル。
見ていれば分かるだろうと私は何も説明しない。
決着はあっという間に着いた。
剣士は鶏を斬り倒す。
「呪怨、解除」
そのタイミングを見て私は悪霊と剣士の体を離した。
剣士の体は、爆発しその場で倒れ伏す。
*
呪怨rancune
呪いが更に強くなった魔法。
取り憑かれた者は体の自由を奪われ術者の命令しか聞けなくなる。
又、憑依が外れるとその身は自身の魔力の高さに比例して攻撃を受ける。