二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」*オリキャラ募集中 ( No.48 )
日時: 2013/11/23 18:42
名前: 有栖 (ID: bpc70dxM)

第17問「迷子って何?」

「まだこんな小さな子が大変ねぇ」

「いえ、心配しないでください。大丈夫です」

マグノリアまでの道を教えてもらい、このお店で少しだけ食料を買う
お金を必要な分だけ払って店を出ようとした

「ほら、お譲ちゃん!これ、持って行きな」

店のおばあさんに持たされた奇麗なリンゴ
いいんですか、と聞くと遠慮しなさんなと言ってくれる。
だから笑ってそれを受け取った。

「ありがとうございます」

今度こそお店を出る。
あの人からお金を貰って数日。色んなことを学んだ。
それは、こんな私でも大半の人が優しくしてくれること、だ。
私の知っている世界はきっと狭すぎたのかも知れない。
きっとじゃない、狭すぎたんだ。
産まれた土地で悪霊たちが見えるようになってから知らぬうちに“悪霊憑き”とかって呼ばれて親にも捨てられた。
昔は愛されていたはずなのにね。産まれた土地での記憶はあまり残ってない。
忘れてしまっているのか元々覚えていないのかは知らないけど…。
受け取ったリンゴをかじりながらマグノリアへの道を進む。
本当は馬車とか使った方が早いけどそれだといくらかかるか分からない。
使えるお金は少ないし、なるべく使いたくなかった。

「待ってくれ…大丈夫だ、きっともうすぐ帰ってくる」

その時、ひとつの家から夫婦らしき人が2人、何やら険悪なモードで出てくる

「もうすぐって言ってもう何日たってるのよ!?3日たってるのよ、」

「だからって自分から探しにいかなくてもいいじゃないか。あそこは迷いの森と呼ばれてるほど危険なんだぞ?」

「じゃあどうしろっていうのよっ!」

「魔道士ギルドに…」

「そんなの無理よ!そんなお金どこから出てくるの!?」

なんだか大変そうだなぁ…。
ふと足を止めた。他の人達もこの騒ぎを聞きつけて少しだけ人が集まってきていた

「それは……」

「それに、依頼を受諾してくれるっていう保証もないじゃない!?貴方は子供の事が心配じゃないの!」

「俺だって心配だ!でも、でも……」

女の人はしびれを切らし、多分、森へと足を進める。
男の人は待ってくれ、と一度引き留めたが女性が立ち止まることはなかった。
周りに集まっていた人達はそれぞれ解散していく。

「あんな森へ子供が行く訳ないだろう……」

「助けてあげたいけど…あの森は…」

そんな小言が耳に届いた。

『ノエル、あの女性の後を追いかけよう』

シエルの言葉に頷いた。
私1人の力でいけるか分からないけど一般人にそんな危険だと言われている森に1人でいかせる訳にはいかない。
すぐに女性の後を追いかけた。
しばらく後を追っていると街の人が迷いの森だと、いっていたところへ入り込む。
木々がおいしげっていてお昼だというのに周りは暗い。
日が落ちるころにはきっとこの森は真っ暗だろう。
私は見失わないように女性の後を追う。
女性は森の中へ入ってから誰かの名前を呼びながら進んでいた。
きっと子供の名前だと思われる。

『この中に本当に子供が入っていったのか?』

「うん……そうなんじゃ、ないのかな?」

その時、急に強い風が私を襲う。思わず腕で顔を覆った。
風が静かになった時、そっと顔から腕を離すとすでに女性はいなくなってしまっていた。
見逃した…。

「シエル、どこにいったか分かる?」

『…あっちかな』

シエルの言葉を頼りにそちらへと足を進める。
でも、すぐにまた分かれ道。
ここまでシエルも他のみんなも見えているはずもなく…。
ムーンだって今は霊だから実体化しない限り匂いは分からないし。
何かあるまでなるべく魔力の消費は抑えたいというのも事実。
魔物とか出てきそうだし。
止まっていても仕方ないので、ひたすら歩く。

『なぁノエル。さっきから同じ道を通ってないか?』

ムーンが言う。
ふと立ち止まる。確かにそうかもしれない。
最初は分かれ道がいっぱいあるのかも、と思っていたけど。
そんなことをしているうちにこの森はもう夜を迎える準備をしていた。
夜目は効く方だから問題ないんだけど急いだ方がいいかも
やみくもに歩いているのが無駄だと分かり、近くの木から枝を一本もぎとる。
行く道の真ん中に風で飛ばされないようにもぎとった木の枝を刺す
確かに、同じ道を通っていたらしい。
さっき印をと思って刺した木の枝がそこにあった。

「…いつ曲がったんだろ」

『こんなうっそうとした森の中ですから、方向感覚が狂うのもおかしくありません』

確かにそうかもしれない。さっきまでずっと迷子してたのかぁ。
はやく目印つけとけばよかった。
そう思いながら道ゆく道に印を残して行き進んでいった。