二次創作小説(紙ほか)

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.70 )
日時: 2014/07/27 14:56
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
プロフ: 第3難解 〜もう1人の人格の問題_正解〜

第24問「バラム同盟って何?」



——なぁ知ってるか?殺害の悪魔マーディオスフィンドの話。


「あぁ知ってるよ。
目撃情報によると赤目、赤髪の幼い少女って言われてるみたいじゃないか」

とある酒場で大人たちは酒を飲みながら話をする。

「名前は忘れちまったけどそんな少女が何人もの人を殺してるって」

「怖いよな…」

「でもそんな幼い少女に殺されんなら…」

「おい、やめとけってロリコン。本当に来たらどうするって」


そんなことねーよ、と大人たちは笑いあい“噂話”を終わりにした。







収穫祭も終わって約1週間。
街もやっといつも通りの落ち着きに戻ってきた。
壊れてしまった建物等も今ではすっかり元通りに。

でもラクサスさんが破門になったことはみんなそれなりにショックらしくて。
ツナさんなんか何回もマカロフさんに駄々をこねていたし。

それで責任を感じたのかマカロフさんは“マスターの座を降りる”と言って出ていこうとした。
でもフリードさんの一言でなんとか思いとどまってくれたみたい。


ミス、フェアリーテイルのランキングも発表されルーシィさんは2位。
おしかったね。それで家賃が払えないと騒いだために仕事へ。

チームで行くことになったんだ。

「ルーシィ仕事行くぞーっ!」


なんの仕事をするのとルーシィさんが聞いてグレイさんがだしたのは、
脱獄囚ベルベノの捕獲。
みんなが出発しようと準備した中、ルーシィさんは何か考え事しているようだった。

そして走り出したと思ったら話している人たちへ「アカリファはどこ」と聞いていた。
場所を聞いたあと、ルーシィさんはすぐにギルドを出ていく。

「ルーシィ?」「ねぇっ!仕事は…」

「ごめん!用事ができた!!」「おまえ…家賃……」


いきなりどうしたんだろうと私たちは顔を見合わせる。
少し、考えたあとにすぐに仕事をキャンセルしてルーシィさんのところへ向かった。


アカリファ、商業ギルド前。
どうやら銀行強盗的なことをルーシィさんは解決しにいったらしい。
でもいきなりなんでだろう。

ふと目についたのはルーシィさんに微笑む1人の男性。
あぁ…あれはルーシィさんの父親なんだろうな、と思ってなんとなく意図をつかんだ。

それからルーシィさんの家賃のことなんだけど。
元評議員であるヤジマさんのお店で働くことに。


仕事が終わり、最後に気を付けて行動するようにと注意されてからそれぞれ帰って行った。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.71 )
日時: 2014/07/27 14:21
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

その数日後。
ギルドへ行くと何かリーダスさんが宙に何かの図を書いているのが見えた。

「これは……」

「闇ギルドの組織図だな」

お姉ちゃんが応えてくれる。
そのあと、ルーシィさんが来て同じような質問をしていた。
それに答えるのはミラさん。

「近頃、動きが活性化してるみたいだからね。
ギルド同士の連携を強固にしないといけないのよ」


真ん中の大きいくくりは…。
闇ギルド最大勢力、バラム同盟っていうらしい。
その中に入っている3つのギルド。
六魔将軍オラシオンセイス、悪魔の心臓グリモアハート、冥府のタルタロス

「バラム同盟は3つのギルドから構成されてる闇の最大勢力。
それぞれが幾つかの直属ギルドを持ち闇の世界を動かしている」


エリゴールさんのいたギルド…。
鉄のアイゼンヴァルトは六魔将軍の傘下。
ラクサスさん率いる雷神衆が潰したギルド、屍人のグールスピリットもそうらしい。
さらには、ジュビアさんとガジルさんが幾つか潰したギルドも六魔将軍。

「うわー怒ってなきゃいいけど」


逆にすべて六魔将軍だっていうのもすごいけど。

「気にすることねぇさ。こいつら…噂じゃたった6人しかいねーらしい」

「どんだけ小せェギルドだよって」


「でも逆に言えばたった6人で最大勢力の一つを担ってるんですよね」

「う」

1人1人がきっと強い魔導士なんだろうな…。


「その六魔将軍じゃがな……」

マカロフさんはギルドに入ってくるなり怖い顔で言う。


「ワシらが撃つ事になった!」

その言葉にギルドにいるほとんどの人が驚いた。
ミラさんだけ「おかえりなさい」とマイペースだけど。

お姉ちゃんがマカロフさんにどうゆうことか、と聞く。
先日の定例会で六魔将軍に動きがあることが議題に上がった。
無視はできない、という事になりどこかのギルドが叩くことになったのだと。

それを妖精の尻尾フェアリーテイルが役目を負う事に。
しかし今回ばかりは敵が強大すぎる。
私たちだけで戦をしえも後々、バラム同盟にココだけが狙われる。

「そこでじゃ。我々は連合を組む事になった」


妖精の尻尾、青い天馬ブルーペガサス、蛇姫のラミアスケイル、化猫の宿ケット・シェルター





この4つのギルドが各々のメンバーを選出し力を合わせて奴らを撃つ。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.72 )
日時: 2014/07/27 22:52
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第24問「六魔将軍って何?」

メンバーが選ばれ馬車に乗っているのは、
私とお姉ちゃん、ルーシィさん、ナツさん、グレイさんの5人。

「何でこんな作戦にあたしが参加する事になったのー!?」

と、ルーシィさんは騒いでいた。


「マスターの人選だ。私たちはその期待に応えるべきじゃないのか?」

「そんなこと言わないで下さい、ルーシィさん。大丈夫です」


だって私が選ばれてるくらいだから…

「そうよね…ノエルちゃんも選ばれてるんだもんね。
でも、バトルならガジルやジュビアだっているじゃない」


それもそうなのだけど。
2人は別の仕事中が入ってしまったから無理、と。
結局、いつものメンバーなのだ。

「見えてきたよ。集合場所だ」

ハッピーさんが窓から顔を出して言った。


集合場所は青い天馬(ブル-ペガサス)のマスターの別荘らしい。
言ったら失礼だけど。結構、趣味悪いなぁ…。

「妖精の尻尾(フェアリ-テイル)のみなさん。お待ちしておりました」


部屋は暗くなり、1つの場所にスポットライトが当てられる。

「我ら青い天馬より選出されしトライメンズ」

そこにいるのは3人の男性。


「白夜のヒビキ」「聖夜のイヴ」「空夜のレン」

と紹介される。
…なんだかキラキラしてるのはきっと気の所為ではないだろう。

3人はお姉ちゃんと私の所へと近寄る。

「噂に違わぬ美しさ」
「初めまして妖精女王(ティ-タニア)」

「こちらも可愛い子だ」
「さぁ…こちらへ」

3人は、私たちをソファへと座らせる。
何か落ち着かない。
そんなこんなしていると2階から降りてくる1つの影。

3人は「一夜様」と呼ぶ。


「久しぶりだね、エルザさん」

「ま…まさかおまえが参加してるとは……」


「会いたかったよマイハニー。あなたの
為の一夜でぇす」
『……貴方みたいな人がエルザさんの彼女な訳ない』

この人の前で“姉”と呼ぶのはちょっと遠慮があった。
何か言われそうで怖いから。


何か心に来るものがあったのか気をそらし、
3人組に片付けろ、と指示をする。

「青い天馬のクソイケメンども。
あまりうちの姫様方にちょっかい出さねーでくれねーか?」


お互い、睨みあった後に青い天馬の人達は男は帰っていいよと煽る。
それにキレたグレイさんをきっかけケンカするような雰囲気に。

「やめないか、おまえたち」


「エルザさん、相変わらず素敵な香り(パルファム)だね」

止めようと叫んだお姉ちゃんだったが、
後ろから近付く一夜さんを殴り飛ばした。

出入り口の方へと吹っ飛ばされる一夜さん。
その時、扉が開き一夜さんを受け止めた誰か。


「貴様らは蛇姫の鱗上等か?」

入って来たのはリオンさんだった。
どうやらギルドに入ったらしい。

一夜さんは凍らされこちらに再び投げ返される。

「何しやがる!」
「先にやったのはそっちだろ?」

後に3人組みが騒ぎ立て、男は全員帰れと言う言葉に反応した1人。


「あら……女性もいますのよ。人形劇 絨毯人形(カ-ペットド-ル)!!!」

絨毯は動き、ルーシィさんを狙う。
出て来たのはシェリーさん。
再びケンカしそうな雰囲気に…。

『何でこうなるのだろうね…』


シエルは呆れていた。

「やめい!!!」


その時、止めに入ったのは聖十大魔導の1人、ジュラさん。

「妖精は5人、ペガサスは4人でしたね。
私たちは3人で十分ですわ」


これで3つのギルドが揃う。
残るのは化猫の宿…のみ。

『化猫の宿か…聞いたことないんだよな』
「私もないよ」


一夜さんは化猫の宿から来るのは1人だと言う。

「1人だと!?こんな危ねー作戦にたった1人だけをよこすってのか!?」

「ちょ……ちょっと……どんだけヤバイ奴が来るのよぉー」


みんながどんな奴が来るのかと待っているとその子は駆け足で入って来た。
だけど途中で転んでしまう。
急いで立ち上がり私たちの方へ顔を向けた。

「あ……あの…遅れてごめんなさい。化猫の宿から来ました。
ウェンディです。よろしくお願いします!」



入って来たのは私と同じくらいの年の女の子。




『これは…ビックリしたな……』
「そうだね…」


『俺と同じ魔力を感じる…』
「それってあの子も滅竜魔道士ってこと?」

『…多分な』

ナツさんや、ムーンと一緒の滅竜魔道士……

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.73 )
日時: 2014/07/28 10:56
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)


「これで全てのギルドがそろった」

「話進めるのかよっ!!」


話を進めようとするジュラさんにグレイさんが思い切り突っ込んだ。

「妖精はともかくこの大がかりな討伐作戦にこんなお子様1人をよこすなんて……
化猫の宿はどういうおつもりですの?」


妖精を最初にあげたのは多分、私がいるからなのだろう。

「あら、1人じゃないわよケバいお姉さん」
「シャルルついてきたの!?」


「当然よ。アナタ1人じゃ不安でしょうがないもの」

もう1人歩いてきたのは白毛のネコ。
ハッピーと同じかな…。

「あ…あの……私…戦闘はぜんぜんできませんけど…………
みなさんの役に立つサポートの魔法いっぱい使えます」

付加エンチャントか。
だから仲間はずれにしないでください、と弱気になるウェンディさん。
お姉ちゃんは少々驚いたがそんなつもりはないと笑う。


「さて……全員そろったようなので私の方から作戦を説明しよう」

一夜さんがそう切り出した。

しかしその前に一度、一夜さんはトイレへと退出。
少しして戻ってきてから作戦の内容を説明。


ここから北にいくとワース樹海が広がっている。
古代人はその樹海へある強大な魔法を封印した。
その名はニルヴァーナ。
古代人たちが封印するほどの破壊魔法だということは分かっているが、
どんな魔法かはわかっていないらしい。

六魔将軍が樹海に集合したのはニルヴァーナを手に入れるため。
私たちはそれを阻止するため、六魔将軍を撃つ。

こっちは13人。あちらは6人。
だけどその6人がとんでもなく強いんだと。

毒蛇を使う魔導士コブラ
その名からしてスピード系の魔法を使うと思われるレーサー
天眼のホットアイ
心を覗けるという女エンジェル
情報は少ないがミッドナイト
そして奴らの指令塔、ブレイン

たった1人でギルド1つ潰せるくらいは魔力が強い。
私たちは数的有利を利用する。


しかし私たちは戦闘だけでなく拠点を見つけてくればいいと。
そこへ集めて青い天馬が大陸に誇る天馬クリスティーナで拠点もろとも葬り去るらしい。

「おしっ!燃えてきたぞ。6人まとめてオレが相手してやるァー!!」


本当に作戦を聞いていたのかと思うくらいにナツさんは走り出していく。
その後を私たちは追いかけた。
あとから蛇姫の鱗、青い天馬、化猫の宿と続いていく。

だけど外に出て待っていたのは破壊されたクリスティーナの姿
だった。


クリスティーナは地に落とされる。その煙の中から出てきた6人の人影。

六魔将軍…。


一夜さんとジュラさんはもう倒されてしまった。
私たちの作戦はすべてお見通しだとエンジェルは言う。

探す手間が省けた、とナツさんは言うけど。
6人同時はまずいと思う。
けど何も考えずに突っ走っていくツナさん。


その後に続きそれぞれが戦闘へと入る。

『やるしかねーんじゃねぇの、ノエル』


「勝てる気はしないけど…。憑依パーシオンっ!ムーン、レイさんお願いしますっ」

2人を実体化させ、戦闘へ。しかし1対2という訳じゃない。
あくまで6対13。
だからこそ連携はあちらの方が上手(うわて)。

ここでいきなり連携できるはずがなく次々とやられてしまう仲間たち。


「せめて1人ずつなら…」

「くっ」「っ!」


「!!」

ありがとうございます、レイさん、ムーン。
やっぱりダメなのか。


常闇回旋曲ダークロンド

大気が震え、ブレインが魔法を撃ちだそうとする。
私は防御魔法を使えるルカさんを憑依させ、実体化させる。


「防御、お願いします」
「…はい…!」

ルカさんの防御と私の魔力でどこまで耐えられるかわからないけど。
だけどその時、ブレインは魔法を止めた。


ウェンディさんの方をみつめ茫然としている。



「………ウェンディ」

ブレインは確かにそう言った。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.74 )
日時: 2014/08/04 18:01
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第25問「天空の巫女って何?」


「間違いない。天空の巫女」


「シエル」「はいよ」

何があってもいいようにウェンディさんの近くでシエルを実体化。
すぐにブレインがウェンディさんを捕まえようとしたところをシエルは防ぐ。

「天空の巫女って何ですか」

「おまえのようなガキにはわかるまい」


教えてくれる気はないようで。
ルカさんはそのままみんなを守るように立ってもらい私はウェンディさんに近づく。

「何にしろ、“仲間”を渡す訳にはいきませんよ」


ブレインは顔をゆがませフッと笑う。

「だったらおまえごと連れていくまでだ」


再び向かってくるのはブレインの魔法。
避ければウェンディさんに当たる。
私はその場に落ちていた手頃な枝を拾う。

転換コンバージョン

枝から剣へ。
霊を対象物へ憑依させるのとお姉ちゃんの換装の魔法を応用した魔法。

防御の形を取り、その魔法を防ぐ。
しかしそれは私の気をそらすものでしかなかったらしい。


防御したそれは分散し、
もうひとつ放っていたのだろう魔法が後から来ていたのに気付かず。
後ろで待機していたシエルは他の六魔将軍オラシオンセイスにやられてしまう。
最終的にウェンディさんは捕まってしまった。

「ウェンディ!」

「シャルルー!!」


「金に…上下の隔てなし!!」

ウィンディさんの方へ走り出そうとするといきなり大地の形が変わりその場で身動きが取れなくなる。


「うぬらにもう用は無い。消えよ!!」

「ふせろォーっ!!」

ブレインが魔法を撃ちだし、みんなが伏せる。
その時、前に出てきたのはジュラさんの姿。


「…防城壁!」「岩鉄壁!!」

ルカさんと言葉がかぶり防御を張る。
おかげで全員助かったみたいだ。

私はすぐにルカさんをもとに戻す。


「行こう」

『…主…みんなと…行かなくていいの…?』

「大丈夫、1人で行ける。そのうちみんなも来るはずだから」



みんなに気付かれないようにウェンディさんを探しに行くために走り出した。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.75 )
日時: 2014/08/09 13:58
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

私の予想が正しければウェンディさんは天空の滅竜魔導士。
どうして連れ去ったかなんてわからないけど。
確かウェンディさんはエンチャンターだったはず。
いくら弱くな子でも敵に力を借すとは思えない。

「考えても分からないなぁ…」


その時、回りがざわついた。
出てきたのは多数の魔導士たち。
六魔将軍オラシオンセイス。闇ギルド、黒い人たち…。
それを支えるのもやはり黒い人なのか。

心の奥で何かが湧き上がるのを感じて私は止めた足を再び動かした。

「おい、待てよ。お嬢ちゃん」


だけど魔導士達は私を襲ってくる。

憑依パーシオン


アクトを実体化させ戦闘を頼む。

「久しぶりですね」

「お願いします」


頭を下げ、アクトを残し走り出した。
どの距離まで私の魔力が届くか分からない。
でも時間が稼げれば今はそれでいい。

とりあえずシエルが西に強い魔力を何体か感じる、
といったので西へ走りついたのは廃村。
ここにウェンディさんと一緒に巻き込まれたハッピーさんもいるはず。

敵がいるかも知れないと慎重に歩き、2人を探す。
そこで見つけた一つの洞窟のような場所の入り口。


『ここからだな…』

やっぱりみんなと来た方がよかったかな。
そう思いながらそっと中へ。

中にあったのは棺桶とブレイン、レーサー。
ウェンディさんとハッピーさんの姿。
無事のようだけど…。
ウェンディさんは棺桶の方を見てじっと何か考えている。

あの棺桶には一体誰が入っているのか。
こっちからだとちょうど反対側で見えない。


『ジェラール…』

「え?」


ジェラール…。あのジェラールだというのか。
だけど不思議といやな感じはしなかった。
とにかく今はハッピーさんたちを…。

「ハッピーさん、ウェンディさん!」

「ノエル!」


「邪魔はさせない」

私の前に立ったのはレーサーで。
こちらを見下ろしてくる。
ウェンディはまだ何かを考えたままで。
ブレインはこちらをみてにわかに笑っていた。

『私は行けますよ』

いつの間にか戻ってきていたのか、アクトさんはそう言った。

「ううん…。こちらが動こうとしない限りはあちらも動く気はないみたい」

少し様子を見よう、と小声でアクトさんに告げる。


「ハッピィ、ウェンディ…」

かすかに遠くからそう声が聞こえた。
きっとナツさん達がこちらに向かってきてるんだ。
しかし、ブレインはレーサーに近づけるな、と命令をする。
レーサーはナツさん達の方へ。
それを見て私はウェンディさんの近くによる。

「ウェンディさん、早く…」

「ううん……。やっぱり私…」


棺桶の中で眠るジェラールを見上げ涙を流す。

「ウェンディはジェラールに恩があるんだって」


ハッピーさんは言った。

「だけど…ウェンディさん……」


「5分だ。もう考えはまとまっただろう」

「ノエルさん、ごめんなさい…」

ウェンディさんはそっとジェラールに近づいた。
そして魔法を使う。それは治癒魔法…。

そうゆうことなんだ。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.76 )
日時: 2014/08/09 13:58
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第26問「私って誰?」


ナツさん達が中に入ってくるころにはジェラールは復活していた。
私は止めなかった。
本当は止められたけど止めなかった。

「ウィンディ!あんた治癒の魔法使ったの!?
何やってんのよ!その力を無暗に使ったら…」

シャルルさんがそう言うとウィンディはその場に倒れてしまう。
一方、ナツさんはジェラールを見て怒りに満ちていた。
そして立ち向かおうと走り出すがジェラールさんはそれを魔法で攻撃して止める。
ナツさんは落ちてしまった。さらには話しかけたブレインまで落とす。

そしてこちらを少しだけ見てどこかへと歩いていってしまう。
今はウィンディさんを連れていくのが先か。


「ナツさん!はやくお姉ちゃんの元に戻りましょう!」

「ジェラールは!!?」

「…もうどこか行きました。とにかくはやく。
この状態で放っておくのは危険です。お姉ちゃんも毒にやられているんでしょう?」


ナツさんは納得いかないような顔をするがすぐに決心してくれる。
そしてウェンディさんを抱え走り出した。

森の中、途中でレーサーとグレイさんが戦っているところを発見したが、
何とかバレずに突破。
その後、青い天馬ブルーペガサスのヒビキさんが連絡してきてお姉ちゃんんのところまでの地図を送ってくれた。

おかげで早いうちに到着。

「よかった。ノエルちゃんも無事だったんだね」

「1人で先走ってすみません」

「ううん、無事だったなら構わないよ。それより…」


私はラーウェルさんを実体化させウェンディさんを癒す。
起き上がったウェンディさんはすぐに謝ってきたけどナツさんが土下座しておさまったようで。
すぐに治療してくれた。

「エルザさんの体から毒は消えました」

ウェンディさんがそう言うとお姉ちゃんの顔はすっとよくなる。
どうやら本当に消えたようで。よかった。

「ルーシィ、ハイタッチだーっ!」
「よかったー」

ナツさんとルーシィさんがハイタッチ。
また、ハッピィさんとシャルルさんもタッチしていた。

「ノエル!」
「はい」

私もナツさんと手を合わせ、ナツさんはウェンディさんともハイタッチした。

「ありがとな」

「しばらくは目を覚まさないかもですけど。もう大丈夫ですよ」


それならよかった。

「…いいこと?これ以上ウェンディに天空魔法を使わせないでちょうだい。
見ての通り、この魔法はウェンディの魔力をたくさん使う」

「私の事はいいの。それより私…」


ウェンディさんはジェラールを復活させたことを気にしているのだろう。

「後はエルザさんが目覚めたら反撃の時だね」

「うん!!打倒、六魔将軍オラシオンセイス!!!」

「おーっ!ニルヴァーナは渡さないぞぉ!!」

ハッピーさんがそういった時、森の中心から光りだし、現れたのは黒い光の柱。
ニルヴァーナ…復活。


「あの光…ジェラールがいる!!」





“さてどうしてやろうかな” 

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.77 )
日時: 2014/08/09 13:59
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)




ニルヴァーナのおかげで外に出られた。
とはいっても“ノエル”の精神も不安定だったから入れ替わるのもそう遅くはなかっただろう。

ったく、エーテリオンの時はよくもやってくれた…。

ナツは真っ直ぐ光の元へと走り出す。
今の話を聞いていたのであろうエルザも起き上がりすぐにそちらへ向かう。
私は自分の手をみつめ握ったり開いたりを繰り返す。


『……ノエル?…いや“リキ”の方か…』

「久しぶりだな、シエル」

シエルは私のことが嫌いのようでこちらと目を合わせようとしない。
状況が掴めていないのだろう他のノエルの“お友達”にシエルは説明していた。

「ノエルちゃん…?」

ルーシィが私の半身の名前を呼ぶ。


「初めまして、皆様方。
いや、ルーシィは私に会った事、あるかな?」

「!! ……あ、あの時の、ノエルちゃん…」

鉄のエイゼンヴァルトの時に一度、目にした覚えがあるはずだ。

「殺害の悪魔マーディオスフィンド。リキ・アルムニストです」


不適にそう笑い自己紹介するとルーシィさんが一歩下がりヒビキが前に出て戦闘態勢に入る。
名前は私がうまれた時についていた名前を借りているにすぎないけど。

「そうか、少し不思議に思っていたんだ。
リキ・アルムニストの容姿にすごく似ていたから。その正体は二重人格…」

「私はノエルの“心”からうまれた“闇”だ。
ノエルがお前等を“黒い人”だと認めない限りは殺す気はない」

「どうゆうこと?」


「説明は後、だ。今はナツを追いかけるんじゃないのか?」

腕を伸ばしナツが走っていった方へ指をさす。
そうするとヒビキの警戒は解いていないみたいだが納得したようだ。

「あーっ!!!」


いきなりシャルルが騒ぎそちらを見る。
どうやらエルザがいないのに今、気付いたらしい。

「なんなのよあの女!ウェンディに一言の礼もなしに!」

「エルザ…もしかしてジェラールって名前聞いて…」


「どうしよう…私のせいだ…私がジェラールの治したせいで……
ニルヴァーナ見つかっちゃってエルザさんや……ナツさんや…」

その時、いきなりヒビキがウィンディに攻撃を与え、気絶させる。
すぐにウィンディをヒビキはおぶり走り出した。
走りながら説明をするヒビキ。ニルヴァーナという魔法を知っている、と。


この魔法は意識してしまうと危険な魔法。
光と闇を入れ替える。しかしそれは最終段階。
まず封印が解かれると黒い光が現れる。
黒い光は手始めに光と闇の狭間にいるものを逆の属性にする。
強烈な負の感情を持った光の者は、闇に落ちる。

「それじゃあウェンディを気絶させたのは…」

「“自責の念”は負の感情だからね。
あのままじゃウェンディちゃんは闇に落ちていたかも知れない」


説明するよりも手っ取り早い方法だよな…。
いきなりだとさすがに驚くけど。

「ノエルちゃんが何の前触れもなくリキちゃんに変わったのは、
もしかするとこれが関係あるのかな?」

「正解。元々、“闇ギルド”を撃つっていう任務に関わらせるのが危険なんだ」

最近は大分、落ち着いてきているみたいだけど。
それもエルザと出会ったから、なのか。


「リキちゃんがノエルちゃんの“闇”だと聞いたとき気付いたんだ」

それはよかったな、気付いて。
ハッピーはまだ分からなかったみたいでシャルルから説明を受けていた。

「それが僕がこの魔法を黙っていた理由。人間は物事の善悪を意識し始めると思いもよらない負の感情を生む」

それらすべてをニルヴァーナがジャッチをするんだ。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.78 )
日時: 2014/08/09 14:00
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第27問「ニルヴァーナって何?」


しばらく走っていると見えてきたのはグレイがナツへ攻撃しようとしているところだった。
ルーシィはそれに気づき、すぐに星霊を出してグレイとナツの間を矢で射る。

「何してんのよグレイ!!」

ナツさんはイカダの上。
どうやら酔っているらしい。それで動けないのか。
邪魔するなと、グレイさんはルーシィに言う。

「まさかグレイが闇落ち…」

「グレイが!?」

ありえなくもない話だが…。しばらく様子を見た方がよさそうだ。
ハッピーはナツを助けようとイカダの方へ飛ぼうとするが、グレイに氷漬けにされてしまう。

「・ハッピーは空を飛ぶ。・運べるのは1人。
・戦闘力は無し。情報収集完了」

…いや、おかしい。
闇に落ちたとしてなぜ情報収集する必要があるのか。
グレイはそこらへんの情報を言わなくても知っているはずだ。

「グレイから見たルーシィ。
・ギルドの新人。・ルックスはかなり好み。・少し気がある。
・見た目によらず純情。・星霊魔導士。ほう……星霊ね…」

そう呟き、面白いとルーシィに攻撃を与えようとするところを、
ヒビキが防御をとる。
そしてグレイは偽物だ、と言い張った。

「グレイから見たヒビキ。
・青い天馬(ブルーペガサス)。・男前。・詳しく知らない。チッ…情報不足か…」

すぐ後にルーシィへと姿を変えた目の前の人物。
いや、あれは…もしかすると星霊。


「ルーシィから見たノエル。・ちょっと苦手な子。・霊憑き。・二重人格。
…?リキ・アルムニスト?…あぁ殺害の悪魔マーディオスフィンド。なるほどね」

目の前の偽物ルーシィは不適に笑う。

「星霊情報収集完了。へぇ…すごい。サジタリウス、お願いね」


そう言った瞬間に、サジタリウスは弓を構えこちらへと矢を放つ。
何も考えずに咄嗟によけてしまったためにどうやら後ろにいたヒビキに当たったらしい。

「ヒビキ!!」

地面へ崩れ落ちるヒビキへルーシィが近寄る。
ルーシィの星霊を相手は操ったのか。

「シャルルはウェンディを連れてなるべく遠くへ」

「言われなくてもそうするわよ!」

ルーシィはサジタリウスを閉門すると今度は偽物ルーシィがサジタリウスを召喚する。
再びルーシィは強制閉門しようとするがそれは効かず。
相手が召喚した奴は、閉門できないらしい。

偽物ルーシィがネコを撃ち落せ、と命令するが躊躇するサジタリウス。
その時、奥から出てきたもう1人の敵。

「は〜い、ルーシィちゃん、リキちゃん。エンジェルちゃん参上だゾ」


偽物ルーシィは泡のようになって消え、変わりにそこに現れたのは、
双子宮(そうしきゅう)の星霊、ジェミニ。エンジェルもまた、星霊魔導士の1人。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.79 )
日時: 2014/08/09 13:57
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

「まさか殺害の悪魔マーディオスフィンドだとは思わなかったゾ」

「そりゃどうも、初めまして」

お互い、戦闘体勢へと変える。


「…いいわ、ここは私がやる。開け!宝瓶宮の扉…」

ルーシィが動いたのを見てエンジェルはジェミニを閉門する。

「アクエリアス!」

私はその様子を見て一歩下がった。
相手が出して来たのは天蠍宮(てんかつきゅう)の扉、スコーピオン。
アクエリアスの恋人だそうで。

2体は何もせずに帰っていってしまった。


ふと光が立っている方へ目を向ける。
あれだったら別に集団行動を強いられている訳じゃない。
魔力も十分あるし単独行動でも問題ないはずだ。

ルーシィはエンジェルと戦う気満々みたいだし私は光のある方へ向かおう。

「リキちゃん、何処へ…」

ヒビキはまともに動けそうにないみたいだ。


「光の元に」

「! 君1人だけでは危ないっ!!」

「私はノエルと違って知識はある」

何とかなるだろう、とヒビキの叫ぶ声を無視して光の方へ向かった。
ヒビキ達から大分、離れたその時に出て来た1つの人影。

六魔将軍オラシオンセイスか。

「ミッドナイト」

「子供1人?またつまらない戦闘になりそうだ」


相手はどうゆう魔法を使って来るのか分からない。
ここはやり過ごすべきか否か。

周りを見渡し逃げ道を探す。

「逃がさないよ」


大きい魔力を感じ咄嗟にその場でしゃがむと周りの木々は倒されてゆく。
おかげで見渡しがよくなったよ、
戦うしかなさそうだな…。

幸運なことにニルヴァーナが近いせいか悪霊と呼べる霊はたくさんいる。
ぜひ利用させてもらおう。

本来ならばシエルみたいな“友達”つまり“契約者”の方がいいんだけど。
まだ戸惑ってる奴の方が多いしね…

「カーズ(呪い)」

近くの悪霊を引き寄せミッドナイトへ憑くよう命令する。
しかしそれは、跳ね返された。


「へぇ、見えない魔法を使うんだ」

「そうゆー訳じゃないんだけどね」

どうなってる。何故、跳ね返されたのか。

シエルは戦闘してくれる気はないみたいだし。
誰か…誰かいないのか。


「コンバージョン(転換)」

枝を剣へと変えて相手の魔法を防ぐ。
悪霊を実体化させて無理にあいつを襲わせても何も変わらないだろう。

「防ぐばかりじゃ勝てないよ」

それは知ってるよ。ただ、駒が少なすぎるんだ。
能力を持たないただの人間の霊ではだめだ。
魔道士じゃないと相手には通用しない。


「ッチ、誰かいないのかよ」

…いや、見つけた。


「ねぇ、お前」

「……?」

「お前だよ」

ミッドナイトの後ろ。
私の戦いを高みの見物をしている1人の女性の霊。

『あら、もしかすると私にいってますの?』

「お前に言ってる」

銀色の髪を右側にてななめにしばりライトメイルを来た霊はこちらに気付く。

『へぇ、私が見えるなんて珍しい人に出会いましたわね』

「私と“契約”しよう。
そうすればまたこちら側の世界で少しの間、生きられる」

女性は少しだけ考える素振りをしてから言う。



『それはいい事を聞きましたわ。
私はクレア。“魔導要塞”のクレア・パンデッターです』



「さっきから誰に言ってるの」

私は不敵に笑う。


「契約成立だ。私はリキ・アルムニスト。
己の魔力を糧に生き返れ、サブスタン(実態)」

「!?」

「…あぁ、久しぶりですわ、この感覚」

ミッドナイトのすぐ後ろで実体化したクレアはそう呟き、すぐに攻撃を与えた。
こちらへ飛んできたミッドナイトへと私は持っていた剣で攻撃をする。


いきなりすぎて防御が取れなかったのかまともに攻撃をくらったようで。

「くっ…いつの間に……」

「背後に回ったんじゃないよ、最初からそこにいたんだ」


「少しは楽しめそうだ」



戦闘は始まったばかり。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.80 )
日時: 2014/08/09 21:05
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)



長引く戦闘。
相手は屈折リフレクターの魔法を使うみたいだ。
おかげで攻撃が跳ね返され、下手に攻撃出来ない。
最初の一撃は本当にふいをついた、って感じだったんだ。

戦闘の間、ニルヴァーナの光は黒から白へと変わっていた。

「耐えるね」

ニルヴァーナの封印が解ける…。
その時、白い光は大きくなりその周辺は音を立てる。
私もミッドナイトとそちらを見ていた。

封印は解かれてしまったのか。
これに乗じて私はそっとその場から逃げ出した。


クレアを戻しニルヴァーナの方へ走る。
ミッドナイトに気付かれる前に上には行きたい。

何とかニルヴァーナへ登れる所を見つけ上へ。
そこにあったのはもはや1つの街。
ニルヴァーナに乗って数分も立たずに受けてしまった攻撃。


「っぐ…」

後ろにいたのはミッドナイト。


「これで終わりさ」

くそ…追い掛けてきてるとは思ったけど注意が甘かったか…。
傷が思ったより深く体が動かせない。

その攻撃を覚悟して目を閉じた時、落とし穴に落ちるような感覚に囚われた。


どうやら足元が陥没したようだ。
でもいきなりどうして…

「大丈夫か!?ノエル殿!!」

この声、ジュラか。なるほど。
目の前に影が出来て見上げるとそこにいたのはホットアイの後ろ姿。

「!!?」

思わず身構えるがジュラが言うにはどうや彼は味方になったらしい。
ニルヴァーナの影響だろう。まさか、敵が落ちるとはなぁ…


「ホットアイ、父上を裏切ったのかい?」

「違いマスネ!ブレインが間違っていると気がついたのです!!」

ジュラが手を差し出して来たがそれを受け取らず自力で立ち上がる。


「父上が間違っている……だと?」

「人々の心は魔法でねじ曲げるものではないのデス。
弱き心も私たちは強く育てられるのデスヨ」

両者とも戦闘体勢へ。
ホッドアイはミッドナイトと戦う気満々らしい。
王の間へ行けと逃げる隙を作ってくれる。

「さあ!!早く行くデスネ!!!
そして私の本当の名は“リチャード”デス」




「真の名を敵に明かすとは…本当に落ちたんだね、ホットアイ」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.81 )
日時: 2014/08/14 09:12
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
プロフ: http://t.co/sDH4d7V9mw

ノエルのイラストでも描いてみました。
絵の上手さは保証しません。

また、ノエルのイメージを崩したくない等あれば、
見ない方が幸いです。


妖精の尻尾の紋章は首あたりに決めました!
参照800、有り難うございます。
これからもよければ読んで下さると嬉しいです。
感想、アドバイス等もくれると喜びます。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.82 )
日時: 2014/08/14 09:26
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第28問「ゼロって誰?」

「いたぞ!!」

王の間へと行く途中。
私、リキのことをグレイやジュラにも説明した。
そんな時に見つけたナツの姿。

しかし乗り物酔いしているのかかなり辛そうだ。
ブレインにも捕まっているし。
ハッピーは近くで倒れていた。

「六魔も半数を失い、地に落ちた。
これより新たな六魔をつくる為、この男を頂く。」


「いつか来ると思ってたけど本当に闇ギルドにスカウトされっとはな」

「ナツはあんたたちの思い通りにはならないんだからね!!」


「ニルヴァーナがこやつの心を闇に染め、私の手足となるのだ」

その時、ナツが「なるか」と腕に噛み付く。
ブレインはすぐにナツを離し、地面に叩き落とした。

「早く…こいつ…倒し…て……コレ…止めてくれ…うぷ」

「おまえの為じゃねーけど止めてやんよ」



「止める?ニルヴァーナを?できるものか。
この都市は間もなく第一の目的地、化猫の宿に到着する」

化猫の宿…ウィンディとシャルルのギルドか。
ジュラは何故そこを狙うのか目的を言え、と問う。
しかし返ってきた答えは問いとは違う言葉。
超反転魔法は一瞬にして光のギルドを闇に染める。
そう彼は言った。

「聞こえなかったか?目的を言え」

「うぬのようなザコに語る言葉はない!!!
我は光と闇の審判なりひれ伏せぇっ!!!」

「困った男だ。まともに会話もできんとはな」

そう言ったジュラは真っ先にブレインを吹っ飛ばした。
ブレインは建物にぶつかり倒れる。

「立て。化猫の宿を狙う理由を吐くまでは寝かさんぞ」


さすが聖十大魔道士。強いねぇ。

『ジュラ様、お強いんですねぇ』


嫌味ったらしく言う彼女に笑った。

「クレアでも防ぎ切れないかもな」

『あら、誤解なさらずに。
私(わたくし)なら何でも防いで見せますわ』

それは楽しみだ。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.83 )
日時: 2014/09/01 20:02
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

新規で新しい小説作ろうかな、と思っている有栖です。
誰か……コメント、くれると、跳ねて、喜び、ます…


明日、更新できれば更新します。

夏休みも終わったんで就活等あり更新速度が遅くなりがちだろうとは思いますが。
読んでくれると嬉しいです。
天狼島編より少し先までネタはあるんですが、
とりあえずはニルヴァーナ編は今月中に終わらせたいかと思ってます。

よし、頑張ろう。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.84 )
日時: 2014/09/01 20:23
名前: レティナ (ID: x1YwoWnh)

お久しぶりです!絵お上手ですね…!

文才もあり絵までお上手だとは…自分は絵心がない画伯やろうです(´・ω・`)

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.85 )
日時: 2014/09/01 20:38
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

うぉおっ

レティナさん
お久しぶりです!さっそくコメントありがとうございます!
跳ねて喜んでますっ

絵、上手だなんて言われてるほどじゃないですよぅ。
でもうれしいです!
ありがとうございます!

これからも頑張りますね!!!

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.86 )
日時: 2014/09/02 22:08
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

ブレインは立ち上がり、魔法を放つ。
それをジュラは岩で防ぐがブレインの魔法は貫通性。
岩を貫きジュラへと向かう。
しかしジュラはそれを岩をまげてその攻撃を弾く。

その岩は粉々になっていきブレインを閉じ込める。

覇王岩砕はおうがんさい!!」


その魔法は、決まりブレインに止めをさした。
六魔のマスターを倒してしまったのか、こいつは。

「ミッドナイトよ…後を頼む…六魔は決して倒れてはならぬ…
六つの祈りが消える時……あの方が…」

「あの方?」

誰のことだろうか。
人のことに関してはまったく情報がないからな…。
その時、こちらへ走ってくるウェンディの姿を見る。

どうやら化猫の宿へ向かっていることに気付いたらしい。
グレイはもう大丈夫だ、と言うけれど。
本当に大丈夫だろうか。何かがあるように思えて仕方がない。

「デカブツが言ってたな。制御してるのは王の間だとか」

「あれか!?」

「あそこに行けばニルヴァーナを止められるんだ」


「本当に止められるといいな」

「リキ殿?」

「いや、なんでもない。今は進もう」

止められるかどうかは置いといて。
行ってみる価値はあるだろう。






…王の間。

「どうなってやがる…」
「何これ…」
「む…」

何一つ、それらしきものはない。
止め方も分からない。

「………」

ウェンディはナツに解毒の魔法をかけたのに回復しない、と困り顔。
乗り物酔いだ、と教えるとそれに適した魔法を使いナツが復活した。
どうやって止めるか、そんな話をしているとシャルルが会話に入ってくる。

止めるとかどうとかの前にもっと不自然なことに気付かないのか。

そう問うた。

「操縦席もない、ブレインも倒れた。なのに何故、ニルヴァーナは動いているのか」

「えぇ、その通り」

私が返した言葉にシャルルは頷く。
グレイがまさか自動操縦なのか、と呟いた。


「私たちの…ギルドが……」


「大丈夫!ギルドはやらせねぇ、この礼をさせてくれ。
必ず止めてやる!!」



+++


でもどうやって止めるのかってハッピーが聞くとナツは壊すとか、と言い出す。
こんなでかいもの壊せるかっての。
足の一本も壊せないんじゃないのだろうか。

やはりブレインに聞くのが早いか、とジュラが言う。
その時にウェンディが“もしかしてジェラールなら…”とつぶやく。
でもそれは私にしか聞こえていなかったようで。

ジェラール…か。
あいつは結局どっちなんだろうな。

ウェンディは心当たりがあるから、と私たちから離れる。

その時、頭に直接、響いてきた声。
ホッドアイの声だ。


残念ながら無事ではない、ミッドナイトには勝てなかった。
力を合わせてミッドナイトを倒せ、
奴を倒せばニルヴァーナへの魔力供給が止まりこの都市は停止するはず。
王の間の真下にいるはず、とても強いから気を付けて、

と内容的にはこんな感じだった。
でも、ミッドナイトに念話なんて使えただろうか。

「行くぞ!!!」

でも深く考えずにみんなはこの真下へと走り出す。
警戒しながらも私もみんなの後に続いた。




「出て来い居眠りヤロォ」

王の間、真下。扉をナツが開ける。


光が私達を包む。

「罠だーー!!」


「クレア、実体サブスタン

「お安い御用です」


一瞬のうちに防御を展開するクレア。
爆発音があたりに響き渡る。

「うぅ…いてぇ」
「生きてんのか…オレたち……」
「どうなってるの…?」

みんなの声が聞こえる。ジュラの岩の下で。
最初に顔を出したナツ。

「大丈夫か?お前等、ジュラ」

「リキ殿……」

すぐに防御を展開したために私達はほぼ無傷だ。
攻撃をすべて受け持とうとしていたのだろうジュラには、
間に合わず少し負傷してしまったみたいだが。

それでも意識があるなら対したものだろう。

「あの念話はブレインか…」

「何!?あいつか!倒したんじゃなかったのかよ!」
「落ち着きなさいよ、ナツ!」
「そうだぜ、意識があったんだろ」

「じゃあこれからの行動は決まりだ。
ブレインにニルヴァーナを止める方法を聞きに行く」

行かないよりはマシなはずだ。

「ありがとう、クレア」

今日は活躍するな。
やっぱり防御魔法が強い奴は1人は欲しいものだ。

「やれやれ、ブレインめ…最後の力をふりしぼって1人もしとめられんとは…」

ブレインが持っていた杖がしゃべる。
どうやら私たちを片付けるつもりでいるらしい。
杖が喋るのも驚きだけど。杖に何ができる…。

ナツが杖をつかみニルヴァーナの止め方を教えろと地面にたたきつける。
しかしナツの手からすっぽぬけ、最初の目的地が見えてきた、と言って攻撃を始める。

ふいをつかれたのか3人は殴られる。
ただ杖の為に攻撃力は弱い。本当は壊してもいいのだけど。
足元の石を拾い、魔法をかけ剣へと変える。
そして杖へ剣先を向けた。


「こいつの止める方法を話せ、杖野郎」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.87 )
日時: 2014/09/03 18:26
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

「だ、誰が話すか!」

その言葉を聞いて剣を構え、杖が攻撃してくる前に柄を切り落とす。
でもそいつはまだ生きているようだ。


「残念、次は何処を壊せば死ぬ?」

「エルザに似てきたな…あいつ」
「い、いやでも今リキちゃんだし…」

そんな声が後ろから聞こえた。
それでも杖は話す気はないらしい。

「六魔が……全滅!?」


杖はいきなり震えだす。あの方がくる、と。
何だっていうんだよ、とグレイが説明を求めると、
以外にも素直に教えてくれる。

ブレインには2つの人格がある。
知識を好む“ブレイン”のコードネームを持つ表の顔。
破壊を好む“ゼロ”のコードネームを持つ裏の顔。
あまりに凶悪で強力な魔力のため、ブレインがその存在を6つの鍵で封じた。

それが六魔将軍。

生体リンク魔法により、6つの“魔”が崩れる時、
ゼロ”の人格がよみがえる。




「お…おかえりなさい!マスターゼロ!!!」

マスターはブレインじゃなかったのか。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.88 )
日時: 2014/09/03 22:11
名前: ドロップ ◆5/7K.VcEo2 (ID: UcGDDbHP)

こんにちはー!!

読みました、ノエルちゃん………いや、リキちゃん?
とにかく、かっこいいです

絵も上手いですね
というか、どうやって写真を載せるのですか?
とどうでもいいことを思ってました………。。

どうでもいいことは置いといて
これからも楽しみにしてます♪

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.89 )
日時: 2014/09/04 11:29
名前: 紫苑有栖 (ID: Ku3ByRAK)

ドロップさん

こんにちは!
読んで頂きありがとうございます!
26話後半からリキですね!
かっこいい、と言って頂いて嬉しいです。

絵、上手いなんてそんなとんでもないですよぅ。
だけど嬉しいです。

写真の載せ方は私の場合Twitterにうpした写真のURLを、
“URL”に貼っただけですね。(説明下手ですみません…)
あと、Twitterだけでなくブログ等があればそこに貼って
そのURLを貼る、というのも手ですよー

もちろん、こちらの掲示板お絵描き掲示板?
みたいなところに貼るのもいいんじゃないでしょうか!
あ、写真をパソコンに取り込む方法だったらすみませぬ。



長文失礼しましたッ!
楽しみにしていただけるなんて嬉しいです。
頑張りますね!

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.90 )
日時: 2015/02/13 12:19
名前: 紫苑有栖 (ID: 8y9cmuB3)

第29話「どうやって止めるの?」

「ずいぶん面白ェ事になってるなクロドア
あのミッドナイトまでやられたのか?」

「はっ!も…申し訳ありません!!」

「それにしても久しいなこの感じ。
この肉体…この声…この魔力…全てが懐かしい」


オレがやる、下がってろクロドアと言った彼は服を脱ぎ捨てると
また新たな服が生成された。

「小僧ども…ずいぶんとうちのギルドをくいちらかしてくれたなァ
マスターとしてオレがケジメをとらしてもらうぜ」


こいつが六魔将軍のマスター、ゼロ…。
なんつー魔力。私の使う魔力と比にならない。

「そうだな…まずはこの体(ブレイン)を痛めつけてくれたボウズから…
消してやる」

「下がっていろ!」

ジュラが前に立った。
しかしそいつの魔法はブレインとはまた違う。
性質は同じだが明らかに強化されている。

グレイやナツが加勢に入るが2人ともふっとばされてしまった。
冷や汗が流れる。
ジュラ1人ではだめだ。

「クレアッ!」

すぐにクレアを実体化、のちにジュラと協力をし攻撃を仕掛けるが効いていない。
聖十大魔道士のジュラでもかなわないってどうゆうこと…
いや、ジュラにはあの爆発時に多少、負傷していた。それが原因か。

「魔力切れ…ですわね」

「!!」


クレアはそう呟き透けていく。
私の少なくなってしまった魔力ではもう魔導士は実体化できない…。

無防備になった私へとジュラを攻撃をしてくる。
それをモロにくらってしまった。
こちらを気にしてきたらしいジュラもその隙を狙われ倒れてしまう。

ルーシィは恐怖で動けずハッピーとともにダウン。




「さ…さすがマスターゼロ!!お見事!!!
このやっかいなガキどもをこうもあっさり」


「まだ死んでねえな」

「へ?」



「まだ死んでねえよなァガキどもォォ!!
だって形があるじゃねえか」



王の間に鈍い音とゼロの笑い声が響く———




「マスターゼロ、化猫の宿が見えて参りましたぞ」

王の間、景色が見渡せる場所で杖のクロドアはゼロに言う。


「ニルヴァーナを封印した一族のギルドです。
あそこさえ潰せば再び封印されるのを防げますよ」

「くだらねえな」

「え?」

その瞬間、ゼロは「くだらねえんだよ」とクロドアを潰す。


「オレはただ破壊してえんだよ!!何もかも全てなァァー!!」

これが最初の一撃。
理由なんてない、そこに形があるからこそ壊すだけ、
とニルヴァーナは発射される。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.91 )
日時: 2014/09/08 19:45
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

だけどそれは何かがニルヴァーナの足を攻撃したことにより的がはずれる。
ギルド、化猫の宿も無事だ。

何があったのかと空を見上げるとそこには
魔導爆撃艇、天馬クリスティーナの姿。


+++

“聞こえるかい!?誰か…無事なら返事をしてくれ!!”

突然の爆発音の後に誰かの声がかすかに聞こえてきた。
頭の中に直接響く声…、これは念話……。

“ヒビキか?”“わぁ”

他にもエルザやウェンディ、一夜の声が聞こえる。



“どうなっている?クリスティーナは確か撃墜されて”

壊れた翼をリオンの魔法で補い、
シェリーの人形劇とレンの空気魔法エアマジックで浮かしている。
さっきの魔法はイヴの雪魔法だと説明するヒビキ。

今のでクリスティーナに乗っているであろう人達の魔力は限界。

“僕たちのことはいい!!最後にこれだけ聞いてくれ!
時間がかかったけどようやく“古文書アーカイブ”の中から見つけたんだ!!”

その声は全員の耳に響く。



“ニルヴァーナを止める方法を!!!”

ニルヴァーナの足みたいなものは7本。
その足っは大地から魔力を吸収しているパイプのようになっている。
その魔力供給を制御する魔水晶ラクリマが各足の付け根付近にある。

その7つを同時に破壊することでニルヴァーナの全機能が停止。
1つずつではダメ。
他の魔水晶が破損部分を修復してしまう。

“同時にだと!?どうやって!?”

“僕がタイミングを計ってあげたいけどもう…念話がもちそうにない”

念話からは、クリスティーナが墜落する音とヒビキが苦しむ声。


“君たちの頭にタイミングをアップロードした。
次のニルヴァーナが装填完了する直前だよ”

頭の中には20分という時間が表示される。


“無駄な事を…”

“僕の念話をジャックしたのか!!?”


“オレはゼロ。六魔将軍のマスターゼロだ。
まずはほめてやろう。
まさかブレインと同じ“古文書”を使える者がいたとは…

聞くがいい!光の魔導士よ!!オレはこれより全てのものを破壊する!
手始めに仲間を5人破壊した。
滅竜魔導士に氷の造形魔導士、星霊魔導士、霊憑魔導士、聖十大魔導士。
それと猫もか。


てめえらは魔水晶を同時に破壊するとか言ったなァ?

オレは今、その7つの魔水晶のどれが一つの前にいる。
ワハハハハ!!オレがいるかぎり同時に壊すことは不可能だ!!”

それだけ言ってゼロとの念話が切れる。
ゼロに当たる確率は1/7.


“待って!!7人も……いない…!?
魔水晶を壊せる魔導士が7人もいないわ!!!”

エルザのところで2人、一夜が反応してこれで3人……


“まずい…もう…僕の魔力が…念話が……切れ…”

“あと4人だ!!誰か返事をしろー!!?”

立たなきゃ、はやく…起きなきゃ……





“グレイ…立ち上がれ……おまえは誇り高きウルの弟子だ。
こんな奴等に負けるんじゃない”


“私…ルーシィなんて大嫌い……ちょっとかわいいからって調子にのっちゃってさ
バカでドジで弱っちいくせに…いつも…いつも一生懸命になっちゃってさ……

死んだら嫌いになれませんわ。後味悪いから返事しなさいよ”



“ナツさん……”“オスネコ……”“ノエル…”

“ナツくん…僕たちの…声が…




「聞こえてる!!!!」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.92 )
日時: 2014/09/09 18:51
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
プロフ: https://www.youtube.com/watch?v=A0KuJILGFvo

参照1000突破、ありがとうございます。
もう嬉しすぎてめっちゃ跳ねます!
ついさっき嬉しすぎて叫びそうになりました←

それはそうと、もうリキとノエルのイメソンみたいなものを見つけてきました。
イメソン?キャラソン?まぁどちらも一緒ですかね…。
ついでに言うのであれば、第1難解あたりのノエルとリキの、ですね。

ボカロの曲ですので苦手な方は聞かない方がよろしいかと。
歌詞は載せておきますね!

[モノクロアクト]doriko

忘れてゆける どんな傷さえ
あきれるほど美しく

眠ったままの 心が痛む
疑問だけが目を覚ます

同じ顔した 愛はいらない
鏡の中の 恋は幻

鮮やかな過去 優しい言葉
そんな夢より 誰か今真実を 下さい

誰もいない こんな世界で
私はなぜ泣いているの?
見上げる空は 遥かな孤独
ただ行き場のない想いの姿

「胸が痛い」

同じ色の中を 泳ぎ続ける意識
意味の無い答えと 知りながら受け入れて
あなたは 幸せ?

過ぎ去りし日 置き去りの嘘
疑問だらけの 顔を見た
これが真実? これは幻?
差し出される手が 私を壊す

「胸が痛い」

愛されたい 愛してみたい
私はどちらを望んだ?
傷ついている 傷つけている
そのどちらも生きること

一人きりの 夜は明けない
けど確かなこと
私は今も 探している

「胸が痛い」



最初から最後までイメージ通りの曲、とはいいません、が。
なんとなくノエル達っぽいと思ったのでこちらの曲を選ばせてもらいました。
ここから↓は自分なりにノエル達に解釈したものを付け足した奴です。
何も書いていないところは「そのまま」もしくは、
書ける表現が見つからなかった所です。


忘れてゆける どんな傷さえ あきれるほど美しく

眠ったままの
>>ノエルが表に出ている時のリキ。
心が痛む
>>大切な人(白い人)が傷つけられ、酷く悲しい
疑問だけが目を覚ます
>>どうしてそうなってしまうのか分からない
同じ顔した 愛はいらない
>>ノエルとリキで同じ愛はいらない
鏡の中の 恋は幻
>>近づくと全て壊れてしまう

鮮やかな過去 優しい言葉
>>ノエルが過ごした大切な人との過去
そんな夢より 誰か今真実を 下さい
>>自分はここ(大切な人の隣)にいてもいいのか?

誰もいない こんな世界で 私はなぜ泣いているの?
>>もう一つの人格が表に出て黒い人(闇ギルド)を殺している間のノエル
見上げる空は 遥かな孤独
>>真っ赤な空、誰も近づいてくる人はいない
ただ行き場のない想いの姿
>>思い描いた幸せな未来

「胸が痛い」

同じ色の中を 泳ぎ続ける意識
>>繰り返される現実

意味の無い答えと 知りながら受け入れて
あなたは 幸せ?

過ぎ去りし日 置き去りの嘘
>>名前がない、という嘘。
疑問だらけの 顔を見た これが真実? これは幻?
>>何をしていいのかまるで分らない。
差し出される手が 私を壊す
>>優しくしてくれる手をすぐに疑ってしまう

「胸が痛い」

愛されたい 愛してみたい 私はどちらを望んだ?
>>ノエルは愛されたい、リキは愛してみたい。
傷ついている 傷つけている そのどちらも生きること
>>ノエルは傷つく、リキは傷つける。

一人きりの 夜は明けない けど確かなこと
私は今も 探している

「胸が痛い」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.93 )
日時: 2014/09/10 21:20
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

「聞こえてる」

手を地面に付き、体を支えなんとか立ち上がる。


「7コの魔水晶を……同時に…壊…す…」

「運がいいやつはついでにゼロも殴れる…でしょ?」

「あと18分、急がなきゃ…シャルルとウェンディのギルドを守るんだ」

「ノエルが許した人に…悲しい思いは、させない……」

みんなが息を切らしながらも話す。


“も…もうすぐ念話が…切れる…頭の中に僕が送った地図がある……
各…魔水晶に番号を…つけた……全員がバラけるように…決めて…”

ナツが最初に“1”と決める。
2がグレイ、3がルーシィ、4が私、5が一夜、6がエルザ。
7は…


“ではオレは……!?”

“おまえは7だ”

あの声…ジェラールの声。
グレイやナツが今の声は誰だと聞くがヒビキの念話は切れてしまう。
ヒビキも限界だったのだろう。

とにかく、魔水晶を壊せるのは丁度7人。
誰も加勢に行く事は出来ない。

ハッピーがそう仕切り、それぞれの持ち場へと移動する。
ゼロはきっとナツの所だ。あいつは鼻がいいし。
分かってて選んだのだろう。


「問題は私だよ…、」

ゆっくりと確実に足は進める。
でも残りの魔力で実体化できる奴がいなかった。

近くの枝を拾い剣へ変えるのもいい。
魔水晶を壊せるだけの力が私にあるのならば。


感じようと思えば感じられるノエルが“契約”…、
いや、“友達”になった悪霊たち。
それはノエルとの友達であって私のではない。

ノエルの“お気に入り”は今でも私を認めようとしない。

実体化出来るのはお前だけなんだけどな……シエル。



+++

時間をかけてやっとたどり着いた自分の持ち場。
目の前にあるのは大きな魔水晶。

残る時間ももう残り少ない。
私はずっと黙っているシエルに話かけた。


「シエル」

『…………』

「シエル…」

シエルは私を見ようとせずただ魔水晶を見つめる。

「もう壊せるのは手前テメェだけなの、知ってんだろ?」

『…知ってるよ、』

その言葉に私は続きを待った。
シエルが私のやり方を好んでいないのは知ってる。
でも傷つけることでしかノエルを守ることはできない。

ノエルの心から生まれた私はノエル以外、どうなったっていい。
ノエルが悲しむのは嫌だから。
それでも自身の体を傷つけていい理由にはならないけど。


『…リキ、お前はノエルのこと、どう思ってるんだよ、』




「一番の理解者は手前テメェだろ。私はただ守りたい」



たとえ嫌われようともノエルだけは守りたい。

そう言うとシエルは目を閉じて剣を魔水晶へと向ける。

『契約してやる。オレの名前を呼べよ』



フッと笑う




「対象物に憑依を “憑依パーシオン” シエル!!!」


丁度20分、シエルは実体化しすぐに魔水晶を破壊した。
これでこの戦いは終わる。



そっと私は目を閉じた———

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.94 )
日時: 2014/09/15 16:04
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)
プロフ: あ、ちょっと不正解フラグ

第30問「思念体って何?」

バラバラと瓦礫が降ってくる中、私は目が覚めた。

目を開けると瓦礫が落ちてきていたこの状況に頭がついていけず硬直する。


「! ノエルッ」

誰かに腕を引かれ走り出す。
何とか瓦礫につぶされずに済んだようで。
この残骸たちは…ニルヴァーナだよね。

あれ…駄目だ、何していたのか思い出せない。

「大丈夫か?」

「シエル…?なんで」

「説明すると長くなるからまた今度な」

そういって幽体へと戻っていくシエル。
私の魔力も限界が近づいてきていたようでシエルが戻ったと同時にその場に座り込んだ。

後からグレイさんや、ルーシィさん、ハッピーさん達も集まってくる。
だけどナツさんだけはまだ来ていない。
何をしているのかとみんなが心配すれば地面の中から六魔将軍の人と一緒に出てくる。

「六魔将軍が何で!!?」

「いろいろあってな…大丈夫……味方だ」


その六魔将軍はナツさんのほかにもう一人、抱えていた。
ナツさんが立ち上がるとウェンディさんはナツさんへ抱き着く。

「本当に約束守ってくれた…ありがとう!ギルドを助けてくれて」

(ウェンディさんのギルドが狙われていた?)

全然わからない。気がついたら全てが終わっていた。
残りの六魔将軍はいったいどうなったんだろう。


「みんなの力があったからだろ?ウェンディの力もな
今度は元気よくハイタッチだ」

「はい!!」

2人は笑ってハイタッチをする。私だけがただ不安でいた。
でもきっと記憶がないことを悟られちゃダメだ…。
また新しい問題を作るわけにはいかない。もうすべて終わったんだ。

それにこんなことは前にも何度かあったからきっと大丈夫。

みんなが大きな切り株に背中を預けているジェラールさんを見つけ、誰だと問う。
それにお姉ちゃんとウェンディさんは記憶を失っているジェラールだと言った。

お姉ちゃんはジェラールさんの所へ。
ウェンディさんはみんなに説明しているみたいで。
そういえば知り合いだったんだっけ…。


「メェーン」

ゴチィンという派手な音を鳴らし、何か見えないものにぶつかったらしい一夜さん。
地面には文字が書かれている。これは術式か…。

「手荒な事をするつもりはありません。
しばらくの間、そこを動かないでいただきたいのです」

多数の足音が聞こえ、私たちの前に立った人たち。


「私は新生評議員第四強行検束部隊隊長、ラハールと申します」

その評議員の人達はホッドアイを渡せ、と要求する。
反抗しようとしたジュラさんだが、ホッドアイは一からやり直したいという。
弟を変わりに探そうといって出てきた名前がウォーリー・ブキャナン。
お姉ちゃんはそれを聞いて今は大陸中を元気に旅していると伝える。
ホッドアイは涙して評議員の元へと行った。

次に評議員が要求したのはジェラールさんだった。

「ジェラール・フェルナンデス。連邦反逆罪で貴様を逮捕する」

抵抗する場合は抹殺の許可も得ている、と。
記憶を失っているんだ、と抗議するがそれは聞いてもらえず。
ジェラールは抵抗する気はないと静かにいう。


「エルザ、いろいろありがとう」




お姉ちゃんの拳が震える。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.95 )
日時: 2014/09/21 15:55
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

死刑か無期懲役はほぼ確定。
その時、動き出したのはお姉ちゃんではなくナツさんだった。

「行かせるかぁぁっ!!!」

そう叫び、たくさんいる評議員の中へ突っ込んでいく。
その道を作るためにグレイさん達も動いた。
魔力が尽きているルーシィさんも戦闘へと混ざる。


私は立ち上がる力はあっても暴れられる体力まで残ってなかったからその場で座ってその様子を見ていた。



「来い!!ジェラール!!! おまえはエルザから離れちゃいけねえっ!!」

あともう少しでナツさんがジェラールさんに近づく。
だけど評議員にそれは取り押さえられてしまう。
それでもナツさんは叫んだ

「ずっと側にいるんだ!エルザの為に!!
だから来いっオレ達がついてる!!仲間だろ!!!」



「全員捕えろォォォ!!
公務執行妨害及び逃亡幇助とうぼうほうじょだー!!!」

「ジェラーール!!!」











「もういい!!!そこまでだ!

騒がしてすまない。責任はすべて私がとる。




ジェラールを…つれて………いけ…」



「エルザ!!!」





「! そうだ…おまえの髪の色だった。


さよなら   エルザ」




「ああ」


去り際にジェラールさんはそういって連れて行かれた。
場は静まって評議員の人たちはいなくなっていく。

お姉ちゃんはそっとどこかへいってしまう。
誰もそれを追いかける人はいない。



+++

化猫の宿、ギルド前。
そこで治療や着替えをすましたみんなが集まっていた。

『こいつら……』

「シエル?」


『いや、なんでもない』

化猫の宿のマスター、バウルさんが礼を言う。
それに調子に乗った一夜さんだが、あいつ活躍したか、という声が上がる。


この流れは宴だろう、とナツさんが騒ぎ数名が踊りだす。
でも化猫の宿の人達はそれには乗ってこない。

「皆さん…ニルビット族の事を隠していて本当に申し訳ない」


バウルさんはそのまま話を続ける。

化猫の宿の人たちはニルビット族の末裔などではない。
ニルビット族そのもの。
400年前、ニルヴァーナをつくったのはバウルさんだ、と。


400年前、世界中に広がった戦争を止めようと善悪反転の魔法ニルヴァーナをつくった。
ニルヴァーナはバウルさん達の国になり、平和の象徴として一時代を築く。
しかし強大な力には必ず反する力が生まれる。
闇を光に変えた分だけ、ニルヴァーナはその“闇”をまとっていった。

バランスをとっていたらしい。
人間の人格を無制限に光に変えることはできない。
闇に対して光がうまれ、光に対して必ず闇が生まれる。

人々から失われた闇はニルビット族にまとわりついた。
それは地獄。ニルビット族はともに殺し合い、全滅。

生き残ったのはバウルさんだけ。


「いや…今となってはその表現も少し違うな。
我が肉体はとうの昔に滅び、今は思念体に近い存在。

ワシはその罪を償う為……
また…力なき亡霊ワシの代わりにニルヴァーナを破壊できるものが現れるまで
400年…見守ってきた。今…ようやく役目が終わった」

バウルさんは顔を俯かせ、ウェンディさんが体を震わせる。
その時、他の人達は次々と消えていく。

ギルドのメンバーたちは皆、バウルさんお作り出した幻。
人格を持つ幻なんて…

シエルはこのことを言っていたのか。

このギルドはウェンディの為に作られたギルド。

「ウェンディ、シャルル……もうおまえたちに偽りの仲間はいらない。




本当の仲間がいるではないか」

バウルさんは私達を指さし、笑顔をウェンディさんに向ける。
ウェンディさん体を震わし涙を流す。

「おまえたちの未来は始まったばかりだ。
みなさん、本当にありがとう。ウェンディとシャルルを頼みます」



「マスタァーーー!!!」


ウェンディさんの泣き叫ぶ声が響く。
そこにお姉ちゃんはトン、と肩を叩いた。


「愛する者との別れのつらさは………仲間が埋めてくれる。

来い。妖精の尻尾フェアリーテイルへ」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.96 )
日時: 2014/09/21 16:02
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

最新巻(45巻)でましたね。
それで原作のネタバレになってしまうんですが。



ミラの過去で「悪魔憑き」って言われてたじゃないですか。
もうそれでやばいな、
完全にミラの過去とノエルの過去リンクしちゃったなって思った瞬間ですよね。

まぁ似てるだけで違うからいいのかな…。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.97 )
日時: 2014/09/22 01:14
名前: レティナ (ID: x1YwoWnh)

似た者同士がいるみたいな感じでいいと思いますよ!

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.98 )
日時: 2014/09/22 21:38
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

レティナさん
おー!そうですかね?
似た者同士…。
そうゆう考え方もありますよね!

ありがとうございます!

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.99 )
日時: 2014/09/23 19:48
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

楽しみにしてた、エドラス編が、ついに…!書ける!!
前半は原作とあんま変わりないので文章多めになるかと。

第31問「エドラスってどこ?」


ウェンディが来てギルドでは歓迎会が開かれた。
その日よりはいつもより騒がしく、賑やかになった。

数日後。
特殊な鐘の鳴らし方に、古株の人たちが騒ぐ。
「ギルダーツが来た」と。
妖精の尻尾フェアリーテイル最強の魔導士。ミストガン。
ちょうどミストガンさんと入れ替わりで入ってきたから顔は見たことない。


街がギルダーツシフトへ切り替わり割れる。
どうやらギルダーツさんはぼーっとしてると民家まで突き破ってしまうらしいのだ。
どんだけバカなの…、とシャルルさんが言葉を漏らしていた。

この3年間、ギルダーツさんは、S級クエストの上の10年クエスト。
そのさらに上の100年クエストへと向かっていたらしい。

入ってきたギルダーツさんはここが妖精の尻尾だと気付かなかったらしい。
ミラさんに説明を受けて思い出したようで。
ナツさんは再開そうそうに勝負を仕掛けるがあっけなく敗北。

その後、マカロフさんが仕事の方はどうだと聞くと彼は笑って無理だと言った。

無理だという言葉にギルドのみんなが驚く。
そして、ナツさんにみやげ話がある、と言った後に壁を突き破りギルドから出て行ってしまった。



+++

「シャルルーやっと見つけたっ!!!」

「ウェンディ」

雨が降りそうな天気になってシャルルを探しに行ったけど見つけたのはもうすでに土砂降りで。
傘持ってくればよかったかな。

「あんた傘もささずにカゼひくわよ」

今更どうしようもないことを思いながらシャルルに近づく。

「シャルルもでしょ!」

そういってシャルルの前でしゃがみこんだ。


「シャルル…私たちギルドに入ったばかりなんだから
もっとみんなと仲良くしなきゃダメだと思うの」

「必要ないわよ。アンタがいれば私はいいの」

シャルルの変わらない態度に私は頬を膨らませる。

「もぉっ!またそーゆー事ばかりっ」

その時、こちらへ近づく顔を隠した男の人。
誰だろうとシャルルとそちらへ顔を向ける。

「ウェンディ」

その声には聞き覚えがあった。



「まさか君がこのギルドに来るとは…」

そういってかぶっていたものをはずず。
そこにいたのはジェラールの姿。

「私は妖精の尻尾のミストガン。
7年前はこの世界の事はよく知らず君にはジェラールと名乗ってしまった」

「(この世界!?)」


この世界とかよくわからないけど…
考えたことを口に出しながら涙を流す。

今、目の前にいる彼が7年前の…あの時のジェラール……。

「ずっと…ずっと会いたかったんだよ」

そう伝えるけどジェラールは今は再開を喜ぶ時ではない、今すぐこの街を離れろ、という。

その時、ジェラールの体はフラつき、その場へと倒れてしまった。


「私の任務は失敗した…
大きくなりすぎた“アニマ”はもはや私1人の力では抑えられない」

まもなくこのマグノリアは消滅する。
そうジェラールはいった。


私だけでも逃げろと彼は言うけどそんな事できるはずがなかった。

「私はもう 妖精の尻尾の一員なんだから!!!」



息を切らしながらも全速力でギルドまでの道を走る。
はやく、はやくみんなに伝えなくては…

「きゃっ」

足元が滑り、その場でこけてしまう。
もう目の前にギルドはあるのに…

「うう…」


そしてふと、水たまりに映る空が渦を巻いているのに気付く。
急いで立ち上がり空を見ると、もう吸い込もうとしているのか穴が開き始めた。

はやく伝えなきゃっ





「みんなー大変なの!!空が……」


Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.100 )
日時: 2014/09/25 19:30
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

+++

いつも通り、私はひとつの席に座り人間観察にいそしんでいた。

グレイは昨日と変わらず何十にも服を重ね着てみているこっちが暑苦しい。
何回か数枚脱げよ、と指示したことはあるが聞いちゃいない。
まぁいきなり「暑い」とかいって全裸になったりしない限りは大丈夫か。

そんなグレイの片思い中のジュビアはどうやら仕事へ行くらしい。
グレイはそれを聞いて一緒に行きたい、
と言い出すがもう少し薄着になってから来いと振られる。

当たり前だ。

誰だってあんな厚着のやつと一緒に歩きたくない。


ギルドの最強候補のジェットとドロイは相変わらずエルフマンを説得。
エルフマンはそのストレスでいきなり熱い奴になったりしないか心配だ。

ナブは「仕事仕事」と仕事していないと落ち着かないらしい。
仕事しない奴よりはいいんだろうが少し休憩しろ。

ワカバ達はカナを一緒に飲まないかと誘う。
が、彼女はやんわりとそれを断った。
あのカナが酒を飲んだことなんて一度もない。

いきなりタル一個、丸呑みしたらどうしようか。
あの優雅なカナがそうするとは思えないがそうしたらそれで面白そうだと思う。

アルザックとビスカは相変わらずのいちゃいちゃぶり。
よくもこんな人の多いところでそんないちゃぶりが発揮させられる。


「…?」

どいつも変わらない、と周りを見渡すと見ない顔を発見する。
それにはルーシィも気付いたようでそいつらへと近づいた。


「ここで隠れて何コソコソしてやがる」

「ルーシィ!!?」「———さん!!?」






「ナツ?」

ルーシィがそいつの顔を真近で見てそう呟いた。

「よく見たらナツじゃねーかおまえ!!」

いきなりナツに抱き付くルーシィ。
そういえば姿を見るのは久しぶりだな。
また遠くへ燃料でも探していたのだろうか。

ルーシィは処刑だ、と48番目の拷問技を繰り出す。
でも無事で何よりだ。
後ろのネコ2匹と女の子は誰だか知らないけど。
てかあの子少しウェンディに似てる気もする。

「ルーシィ!またナツをいじめて!ダメじゃない!
ジェットとドロイもエルフ兄ちゃんをいじめないの!」

リサーナが3人を注意する。
へいへい、とルーシィはナツから離れた。


「リサーナーー!!」

その時、ナツがいきなり飛び出しリサーナに抱き付こうとする。
それを私は足蹴りをして転ばせ止める。
リサーナは怖がる。

怖がって…確かにそうだけど何か隠していることがバレてしまうかのような怯えかただったな。

「ナツ、お前いつからそんな獣みたいになったんだよ」

「ノエル?…!」



「ノエルは3年前に殺されただろ!!!」

転んで倒れてるナツの胸倉をつかみ思い切り怒鳴った。
騒がしかったギルド内は一気に静まり返る。

怒りでナツを掴む拳が震えていた。

私を見て“ノエル”という言葉を、名前を言うのは嫌だ。
みんなに愛されるノエルが嫌いだった。でもそれ以上にノエルが好きでもあったんだ。


そのノエルが殺された今、ノエルと間違えられるのがもっと嫌になった。

「“リキ”」

ルーシィが私の名前を呼び掴んでいた手を離した。
ナツは茫然としているようだけど。

まさかナツだけどナツじゃないのか。

「…わりぃ」


ナツやルーシィから目を離し席にへと戻る。
ミラから飲み物を貰い落ち着くと分かってきた事実。

あいつは私達の知っているナツじゃない。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.101 )
日時: 2014/09/27 10:45
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

それを伝えようとしたが、慌ててはいってきた1人が「妖精狩り」だと叫ぶ。
ギルド内がざわめき外へ行こうとしたネコをルーシィが止める。
レビィは急ぎ、転送魔方陣を発動しようとしていた。

「来るぞ!!!」

レギオンを連れ、ギルドへ向かってくる影。


「王国が妖精の尻尾を狙ってる!?何の為に」

そんなの決まってるじゃない、とウェンディが説明していた。
王の命令で全ての魔導士ギルドは廃止。
残っているのは世界でただ一つ、ここだけ。
要するにここは闇ギルドなのだ。



「よし!転送魔方陣展開!!! 転送開始!!」

建物全体が揺れ、それはしばらくしておさまる。

「野郎ども!引っ越し完了だ!!」


みんな無事かどうか、とお互い確認する。
ナツはさっきのやつは何だったんだと口を漏らす。
それにミラは説明していた。

レギオンに乗っていたのは王都魔戦部隊、隊長の1人。

「エルザ・ナイトウェーカー。又の名を妖精狩りのエルザ」


「エルザが………敵!!?」


そのナツの言葉にみんなは驚き私はそこでようやく説明する。

「こいつは私達の知ってるナツじゃない別人だ」

「でもよ…こいつどうみたって……」

「でもリキが言うなら本当のことだと思うわ」

ミラは信じてくれたようで。
それをきっかけにみんなが信じてくれる。
ナツや他のウェンディ似の女の子、ネコ達はいろいろと説明してくれた。

今、目の前にいるナツたちはもうひとつの世界、“アースランド”という世界から
仲間を救うためにこの世界、“エドラス”に来た、と。
アースランドにも妖精の尻尾があってそっちではエルザは味方…。

…あの時、感情に任せて怒ったりなんかして悪かったな、



「つー訳で王都への行き方を教えてほしいんだ」

「私たちの仲間はこの世界の王に九州されちゃったんです。
早く助けに行かないとみんなが“魔力”に…形のないものになっちゃう」

「小っちゃい私には悪いけどさ、やめといた方が身の為よ。
エドラス王に刃向った者の命はないわ。それほど強大な王国なの」


この世界じゃ魔力は有限。
いずれ無くなるものなんだ。
それを危惧したエドラス王は“魔法”を独占しようとした。
結果、すべての魔導士ギルドに解散命令が出された。
初めのうちはみんな抵抗した。
けど王国軍魔戦部隊の前に次々と潰されていき残るギルドはここだけ。

もちろん私たちだって無傷なんかじゃない。
ノエルも含め仲間の半分を失った。マスターだって殺されてしまった。

だけどアースランドのナツは言った。



「頼む!道を教えてくれ。オレは仲間を助けるんだ!!絶対にな!」


その言葉に嘘はないように感じた。
表情も真剣そのもので私の何かを突き動かしたのかもしれない。
私はツナの前へと一歩出る。

「…ナツ、お前の性は?」

「? ドラグニルだ!」


「ややこしいからそっちで呼ぶ。ドラグニル、私が王都まで案内しよう」


その言葉にギルドの者が何かと言ったが私はそれをすべて無視して外へと出た。
案内するだけ、なんて言わない。
出来るものなら最後まで協力してやる。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.102 )
日時: 2014/09/27 21:28
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第32問「アースランドって何?」

ギルドを出てドラグニル達を案内するために戦闘を歩く。
ネコ2匹はシャルルとハッピー。あの子はウェンディ・マーベル。

どちらも本当によく顔が似ていてナツに限っては同じ服を着て黙ってれば分からない。

「どわーっ!!」「きゃあああっ!!」

後ろからそんな悲鳴が聞こえて振り向くと大きなカエルがそこに立っていた。
マーベルとドラグニルは慌ててその場から逃げる。
そうか、先に武器(まほう)を持たせるべきだった。

思いながら武器(まほう)を出し身構える。
しかしその前に後ろから影が見え、それが巨大カエルを見事に吹っ飛ばした。
そこに立つはルーシィの姿。


「まぁ…その…このあたりはリキがいるっつても危険だしな。なんつーかその…」

ドラグニルが笑う。


「し…心配してる訳じゃねーからなっ」

「なんだかんだ言ってもやっぱりルーシィだな、おまえ」

「どんなまとめ方だよ!!!」

どうやらそちらの世界のルーシィとこちらのルーシィは似てるらしい。


「まずはルーエンの街に行こう。武器(まほう)の調達に」

「…そうだな。ついてこい」

そういってルーシィは私の隣を歩く。
その間、ドラグニルたちに魔法の説明をしていた。

ちょっと前までは魔法は普通に売買されていた。
けど、王国のギルド狩りがあって今は魔法の売買が禁止。
それどころか所持しているだけでも罪になる。

ドラグニルやマーベルは元から使える人はどうするのか、と疑問のようで。

「どう……って魔法を手放せばいいだけだろ?」

「魔法を元から使えるってどうゆう意味だよ、それ」

ルーシィが言った後に私は続けた。
聞くところによるとアースランドとこちらはまったく違う環境みたいだからな。
こちらの常識もあちらには常識じゃないのかも知れない。

“パラレルワールド”…か。


「着いたよ」

そう言ったルーシィの目の前にあるのは地下へ続く道。
魔法の闇市がある場所だ。
ドラグニルやハッピーは順応が早い。
適当にさっと買って喫茶店でいろいろと話をしていた。

でもその時、王国軍が入ってくる。


「いたぞ!街の出入り口を封鎖しろ!」

ドラグニルが一番に乗り出し魔法を取り出す。
ルーシィはよせ、というが聞く耳もたず。
使い方も分からなかったようで出力を最大で出してしまいたった一回きりの攻撃になってしまった。

マーベルも適当に扱ったらしくその場で竜巻が出来上がりどこかへ吹っ飛ばされた。
でもおかげであいつらの目から離れる事が出来たのでよしとしよう。
このままでは街から出られないのは変わらないのだが…

「いたぞ!妖精の尻尾だ!!」

そんな声が聞こえて体をこわばせるが誰も来る気配はない。
そーっと外を覗くとそこにはルーシィとそっくりな人間の姿を見つける。
あれがアースランドの…。

ドラグニルが助けねーと、と走り出すがあのルーシィは鍵を取り出し、
人か何かを召喚した。

「これが…アースランドの……?」

“魔法”


その召喚したものは王国軍を倒していく。
しかしまた新たに出てくる敵の数々。
それらもあのルーシィのおかげで次々と倒されていった。

倒されている王国軍をよそに私たちは逃げる。

ルーシィもアースランドの魔法に驚いているようだった。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.103 )
日時: 2014/09/30 19:30
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

一時、森の中へと非難していた。
誰も追ってくる様子がないところをみるとあきらめたんだろう。

アースランドのルーシィ、ハートフィリアと言ったっけ。
そいつはエドラスに来た経緯を話していた。


「てめーら本気で王国とやり合うつもりなのか?リキも」

ドラグニルたちは「とうぜん」と当たり前のように答える。


「私も行くよ、ノエルの仇も取りたいし」

「そうか…」

1人ではダメだ。
ギルドのみんなも王国軍の奴らとはやりあえない、
と弱気だしこいつらとなら勝てるような自信もあった。

「リキ以外、魔法もまともに使えねーのに…王国と…」

「ちょっと!あたしは使えるっての!!
ここは妖精の尻尾、(現)最強魔導士のあたしに任せなさい!燃えてきたわよ!!」



頼りないが、と口にするドラグニル。
でもその自信は大したものだと思う。

それからはとにかく一晩どこかで休もう、とシッカの街へ。
宿をとり、休憩していた。
風呂から上がってきたルーシィはハートフィリアに頼み、髪を切ってもらう。

ややこしいのは解決、とルーシィはずいぶんとスッキリしたようだ。

「本当によかったの?」

「ん?アースランドじゃ髪の毛を大切にする習慣でもあるのか?」

「まぁ…女の子はみんなそうだと思うエビ」


女の子、ね。
こんな世界じゃ男とか女とか考えてるのもバカらしい。

「生きるのに必死だからな」

「でもこっちのギルドのみんなも楽しそうだったよ」

「そりゃそうさ。無理にでも笑ってねえと心なんて簡単に折れちまう」


こんな世界でも私たちを必要としてくれる人がいる。
だからたとえ闇に落ちようとギルドであり続けるんだ、とルーシィは言った。

「けど…それだけじゃダメなんだよな」

「え?」

「いや……何でもねーよ」



夜中。
ルーシィが一人、紙に何かを書いている姿を見つけた。

「ルーシィ?」

「! あ、あぁ…リキか」

後ろからのぞき込むとそこには、“王都へは東へ3日歩けばつくよ”という言葉。
どうやら最後まで一緒にはいかないらしい。


「あたしはさ、あいつらなら世界を変えてくれるかもなんて考えてた。
でもそれって甘えだよな。だからあたしは…ギルドのみんなを説得しようと思ってんだ」

その言葉は真っ直ぐと伝わってくる。

「本気でそう考えてるならみんな答えてくれるよ」

「……あぁ、そうだな!」


それじゃあおやすみ、と声をかけて眠りへと入った。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.104 )
日時: 2014/10/04 14:23
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第33問「巨大魔水晶って何?」


翌朝。
テーブルの上においてあった手紙を見たハートフィリアが叫んでいた。
同じあたしとして許せない、と。

出ていった理由はいろいろ知っているがあえて言わないにした。
ルーシィがそういった理由を紙に書かなかったんだからわざわざ私から言う必要もない。
それに説得に成功したら自然とわかるだろう。


「出ていっちまったもんは仕方ないだろ?ハートフィリア。出発するぞ」

武器がちゃんと手元にあるか確認して街へと歩き出す。



ハートフィリアは途中、興味ある本を見つけて機嫌を直したようだ。
その時、“ゴゴゴ”と音がして上空を見上げる。
そこには飛行船が飛んでいた。

飛行船は地へと降りると王国軍が飛行船へ乗り込もうと急いでいた。
私たちは影に隠れて様子をうかがう。

あの巨大水晶の魔力抽出が明後日だと騒いで。
ここからだと歩いて3日。
ドラグニルたちの目的はあの魔水晶だ。間に合うはずがない。
しかし、抽出が始まってしまったら形のないものになってしまう。

ナツがいれば…。


「あの船、奪うか」

ドラグニルは唐突にいう。
普通、潜入だろと言い直すがドラグニルは隠れるのが嫌らしい。
ハートフィリアはそれに賛成し、飛行船の前に立つ。


「開け!獅子宮の扉……ロキ!!」

「申し訳ございません、姫」

ハートフィリアの反応からするに出てきたのは本来と違う人物だったみたいだ。
それを見たドラグニルやマーベルが武器(まほう)を取り出す。
だけど扱いなれないのかすぐにやられてしまう。

ここで捕まられても困ると思い私も前に立つ。


私専用に改造した伸縮可能な金槌。
槌の部分を巨大化させ、王国軍に向かってく。

「王都につくまで戦闘は避けたかったんだがなッ!」

地面へと王国軍を叩き潰せばかなりの数が減る。
それでもまだ人数はいそうだ。

3人は使い物にならない。それはネコも同じこと。
ここは1人で何とかしなくちゃな…


そう思っていると遠くからエンジン音。

「この音…」

「な……なんだ!?」

向かってくるは魔道四輪。
妖精の尻尾の模様、間違いない。

彼は周りの王国軍を蹴散らし、私たちの前に止める。

「ルーシィから聞いてきた。乗りな」

ドラグニル達はおお、と声をあげすぐに乗り込んだ。


「リキ、お前はどうする?」

どう考えてもこの人数じゃ全員は乗り切れないだろう。
乗り切れてもきつすぎる。

「決まってる、王国軍も攻撃を仕掛けてくるかもしれねーし。車体の上に乗らせてもらう」

「分かった。後ろの王国軍は任せたぜ。落ちんなよ」


車体のつかまれるところをしっかりとつかむと魔道四輪は走り出す。
私は片手で掴み片手で武器を持ちながら後ろを向いた。

追いかけてくる気はないみたいだ。
同時に攻撃を仕掛けてくる様子もない。


「相変わらずはえーな、ナツ」

その言葉は勢いよくふく風に流れ消え去った。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.105 )
日時: 2014/10/05 14:25
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

ファイアボールの通り名を持つナツ。
すぐに王国軍の姿は見えなくなり、風の抵抗に逆らいながら武器をしまう。
かなりのスピードを出しているのだろうか。
風の勢いはすごかった。

正直、よく片手だけで掴んでいられたと思う。
それほど必至だったのかはよく分からない。
でも来てくれて助かった。
ルーシィは説得に成功したんだろうか…。



しばらくすると車はいきなり止まる。止まったのを見て私はすぐに上から降りた。
平衡感覚を失ってしまったのか少しフラつく。
長時間、勢いがある風の中にいるもんじゃないな…。

それにしてもかなりの時間が稼げた。
王都はすぐ目の前だ。

「うぉおおー!生き返ったー」

すぐにドラグニルが出てきて、ちゃんとに説明してないのか、
ハートフィリアとマーベルが追い出されるように出てきた。


「王国とやり合うのは勝手だけどよォ、オレたちを巻き込むんじゃねえよ」

今回はルーシィの頼みで手を貸してやった、と。
ナツはただ走り続けたいんといった。
ドラグニルはそんなナツに声をかけ、降りろと無理やりおろした。

そんな様子に私はくくっと笑う。

「何で乗り物に強え!?」


「ひ…ひ…ん、ご…ごめんなさい……ボクにもわかりません」

ナツは顔を隠し怯える。
相変わらずのヘタレっぷりにはいつも笑わせる。
このギャップがたまらない。

「お…おまえ本当にさっきの“オレ”?」

「は…はい……よく言われます。車に乗ると性格変わるって」

ハッピーがこっちが本当のエドナツだと騒ぐとナツは大きな声出さないで、と頭を抱え震える。
思わず声を出して笑ってしまった。
ドラグニルたちは相当驚いているようで。
とりあえず落ち着きを取り戻し、話を元に戻した。


「ごめんなさい、ごめんなさい!で…でもボクには無理です!
ルーシィさんの頼みだからここまで来ただけなんです」

ナツは改めてアースランドの人たちを認識する。
ハートフィリアに話しかけられた時はまた怯えだし岩陰に隠れた。
こちらのルーシィの影響もあるのだろう。


「こっちのルーシィさんは……みなさんをここまで運ぶだけでいいって…」

崖を見下ろすとそこに見えたのは王都。
ドラグニルは着いてるならはやく言えよと肩を組む。

崖を降りていくみんなについていくとナツは後ろから本当に戦うのか、と問うてくる。
ドラグニルはやるしかないだろ、と返した。

「お……王国軍になんて…勝てる訳ないよ」

ドラグニルはただ笑う。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.106 )
日時: 2014/10/06 07:45
名前: ドロップ ◆5/7K.VcEo2 (ID: cLFhTSrh)

車の上……(-_-;)

私も酔いやすいんで……ナツほどじゃないけど
絶対無理ですね……

リキちゃんカッコいいですね!
なんか……こう……ビシッと!←

エドナツのビビりっぷりはやっぱり面白いですw

更新楽しみにしてます!

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.107 )
日時: 2014/10/06 19:23
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

ドロップさん。

エドリキには少し無理をさせてみましたw
なんていうか程よい速度だったら私も車上に乗ってみたいです←

一応エドリキちゃん女の子なんですけどね!
さすがエドラス!←
まぁアースリキもあまり変わらないかもしれませんけどw


エドナツはおもしろいですよね!
実は私の中で一番好きなキャラだったりしますw


ありがとうございます!頑張りますね!!

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.108 )
日時: 2014/10/06 19:37
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

王都城下町。
ここでは様々な人で賑わっていた。
他の街とは違い、魔法にあふれている。

全ての街やギルドから魔力を奪い、ここに集中させているんだ。

魔法を持たない者たちにとってここは娯楽施設だろう。
私にはそう思えないけど。


ドラグニルたちが何かあちらの方が騒がしいなとそちらへ向かう。
そこには魔水晶があった。それを守るように立つ王国軍の奴等。
魔水晶には切り取られた部分がある。これで全部ではないのだろう。

その前にはこの国の王が立っていた。

「エドラスの子らよ。
我が神聖なるエドラス国はアニマにより10年分の“魔力”を生み出した」

10年分の魔力…。
それはあくまで目の前に立つドラグニルやマーベル、ハートフィリアたちの仲間だ。
いや、仲間であったものだ。
魔力は欲しい。でも仲間を犠牲にしてまで魔力は欲しくない。

実際、私は魔力なしでも生きられるんじゃないかと思ってるんだ。
この国が平和であれば。


「共い歌い共に笑い……この喜びを分かち合おう」

周りの連中は歓声をあげる。


「エドラスの民にはこの魔力を共有する権利があり、
また…エドラスの民のみが未来へと続く神聖なる民族!!

我が国からは誰も魔力を奪えない!!!
そして我はさらなる魔力を手に入れると約束しよう!



これしきの魔力がゴミに思えるほどのなァ!」


“バキィ”と音がして魔水晶が割れた。
人々は「エドラス」と声を上げる。

それは私達をイラつかせるのに十分だった。
あそこには奪ったドラグニル達の仲間がいる。
それを“ゴミ”といったのだ。

私とは直接の関わりはない。
だが、私だって仲間をゴミ呼ばわりされるのはいい気はしない。

王も王都にいる人間も王国軍もみんな大嫌いだ。
殺したいぐらいに。
むしろ今からでもこいつら全員殺していってもいいのに。


何かが私の意思を止めていた。





それから場所を移動し、部屋を一室借りる。
それぞれが険しい顔をしていた。
ドラグニルは我慢出来ないと立ち上がるがシャルルは作戦を立てると落ち着かせる。

水晶からどうやって元に戻すか。
それは王から聞くしかない。
ハートフィリアは考えることが分かる、というジェミニならいけるかも知れない、と。

問題はどうやって王に近づくか。

「王に近づく方法はあるわ」

シャルルは紙を突然に見せてきて言う。
それは地図のようだ。

元々は城から外への脱出用の通路。
町はずれの坑道から城の地下へと繋がっているはずだと言った。

エドラスに来てから地理の情報が追加されるようになってきたらしい。


「とにかくそこから城に潜入できれば何とかなるかも」

「おし!みんなを元に戻すぞ!!」

出発は夜。今は少しでも休むことに。


そして夜になるとシャルルの案内に沿って歩いていく。
ここから城の地下へと繋がっている…。

その時、急にハートフィリアの体が拘束される。
次にマーベル、ドラグニル、私とネコ以外の全員が捕まってしまった。
手が出せなければ攻撃もできない。
これはいったい…。


ザッザッと歩いてくる兵隊。
どうして見つかったんだ………。

「奴等とそっくりだな。
ナツ・ドラギオン、ルーシィ・アシュレイ……とは本当に別人なのか?」


エルザ…。

「つれていけ」


身動きが取れずにそのまま引きずられていく。
抵抗しようとしても無駄に終わる。。

ハッピーやシャルルは“エクシード”と呼ばれ、称えられていた。




+++



『お願い……ノエルさん…助けて…………』

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.109 )
日時: 2014/10/08 21:15
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

第34問「亡霊って何?」


ざわざわと声が聞こえてくる。
それは一層うるさくなって聞こえてきた。

そういえばさっき誰かに“助けて”と言われたような気がする。
一体誰だろうか…。


“パキンッ”

考え事をしているとそんな音が聞こえて目が覚めた。
見渡してみるとそこはまったく知らない土地。
ここは…どこだ。

だけど暴れまわるガジルさんの姿が見えた。
倒れている人たちも何人かいる。

「?」

「ノエルとグレイか?」

声がした方を振り向くとそこにいたのはお姉ちゃんの姿。
グレイさんもいるようだ。
それにしてもこれはいったいどうゆう状況なのだろうか……分かりかねる。


「へぇ、本当に滅竜魔法で元に戻るんだな」

ギヒという特徴的な笑い方をするガジルさん。
お姉ちゃんがこれはどうゆうことだ、と説明を求めるとガジルさんは説明してくれた。
どうやらここは私たちの知っている世界ではないらしい。

“エドラス”

それがこの世界の名称。
ガジルさんも詳しくは分からないみたいだ。
簡単な説明の後、ミストガンさんにこっちに飛ばされたと言っていたし。

「そういやぁ、ミストガンからこんなもの貰ったぞ。
“エクスボール”っつたか?これを飲まねーとこちらの世界で魔法を使えないみたいだ」

ガジルさんが手渡してきたのは瓶。
瓶の中には木の実のようなものが入っていた。
これがエクスボール…。

それはグレイさんが受け取り、私とお姉ちゃんに一粒ずつ渡す。
少し抵抗はあったが確かに魔法はこのままでは使えなそうなので飲み込んだ。

体に魔力が戻ってくるのがわかる。




マグノリアのみんなが“アニマ”というものに吸い込まれ魔力、水晶にされた。
そこをガジルさんは助けてくれたらしい。
私たちはその水晶の一部。
他に魔水晶ラクリマにされたみんなは何処にいるのだろうか。


「ここは分かれて探した方が早いだろう」

お姉ちゃんがいった。

「そうだな」

グレイさんもそれに賛成し二手に分かれる。
ギルドのみんなを助けないと…。


「それにしたってこんなただっぴろいところを探せってもなぁ…」

「あ、お城がありますよ。あそこに行ってみては?」

目の前に見えるのは大きなお城。
ずいぶんと複雑な構造になっているみたいだけど。
何かしらの手がかりは得られると思う。


「そうだな。そこへ向かってみよう」

城へ行く事を決定し私達は走り出した。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.110 )
日時: 2014/10/09 20:58
名前: 紫苑有栖 (ID: NFbvEd0b)

城内。
複雑だし何より広すぎた。だけど何か様子がおかしい。
城の人間があわただしく動いている。
それを私たちは影から見ていた。

何か緊急事態でも起きたのだろうか。


『……!…?………ノエル』

シエルが一点を見つめて私を呼んだ。

「?」

『お前を呼んでるみたいだ』


シエルが見つめる方向を向くとそこには確かにこちらを見る誰かの姿が見えた。
遠くて顔まで見えないけど女の人だ。誰だろうか。

城の人間がひととおりいなくなり、グレイやお姉ちゃんが動き出そうとする。


「すみません、気になる事が出来たので先に行っててください」

「どうしたんだ?」

「対したことじゃないと思います…」

「……分かった。行こう、グレイ」

2人は私が行こうとしている方向とは逆方向へと向かう。
私はシエルと頷き合い、彼女がいる方へと向かった。

彼女は私を案内しているように見えた。
城の人に見つからないように追いかけてるからたまに見失う。
でもその時は戻ってきてまた歩き出す。


「どこに連れて行こうとしてるんだろう」

『さぁな…』


しばらく着いて行くと彼女はひとつの部屋へ入っていく。
人の気配がしないのを確認し、私もその部屋へと入る。
そこには様々な武器が置いてあった。

「武器庫…?」

周りを見渡し彼女の姿を見つける。
その姿に私は目を見開いた。


「誰…?」

『……初めまして。アースランドのノエルさん』

「(…?)」


“アースランド”のノエルとこの人はいった。
と、いうのは、つまりそうゆうことなんだろう。
目の前にいる私にそっくりなその彼女はこのエドラスにいる私自身だ。
相手も“ノエル”として活動しているかは分からないけど。

いや、でもその表現も少し違うのかな。
彼女はもう既に死んでいるみたいだから。

雰囲気的に彼女は悪霊の類ではなくどちらかというと“亡霊”
未練を残し、現世にとどまっているのかな。



『“リキ”を助けて欲しいんです』

「リキ…?」

それは私の2人目。
でもこの人は確かに存在しているように言う。

エドラスとアースランドではきっと私も違うのだろう。
もしかすると1人目も3人目も存在するかも知れないのかな。


『ここにリキの武器まほうがある』

そのリキって子がどんな子かは知らないけどここまで来たのだから最後まで付き合おう。
武器の特徴を聞いてそれを探し出す。

やっとそれらしい武器を見つけると彼女はまた部屋を移動する。
あまりまともな説明ももらえないまま、再び彼女についていくとどこかの地下牢へ。
どうやら人がいるらしい。話し声が聞こえる。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.111 )
日時: 2014/10/22 16:13
名前: 紫苑有栖 (ID: 4lMk69pY)

「リキ・アルバンスだな?妖精の尻尾の情報を教えてくれれば
こんな事にならなくていいんだぞ?お前だけ逃がしてやってもいいといっているんだ」

「………っは、誰が…教えるか……盗人野郎ぬすっとやろう


「っち…」

「ぐはっぁ…っ……はっ」

多分この先にそのリキさんがいる。
バリッという音と同時に聞こえてくるのはリキさんの苦しむ声。
何が起きているのか、大体予想は出来た。

はやく、助けなきゃ…。


声の聞こえる方へ走り出し、シエルを実体化させる。
そしてシエルに檻を切ってもらうとこちらに気付いた軍人2人。

檻の中には拘束され、傷だらけの姿になってしまっているリキさんの姿。

「その人を離して下さい」

「んなっ!こいつ…」


拘束具を外す気配のないその軍人2人にシエルは思い切り攻撃を繰り出す。
その間にリキさんの元へ。

近くの岩を手に取り、それを剣へ変えて拘束具だけ切った。


「おまえ……ノエル…?」

リキさんはこちらを見て目を見開く。
その目には僅かながら涙が浮かんでいた。

「いや、すまん。ノエルがここにいるはずないよな、ごめん」


だけどすぐにこの状況を理解したのか、顔を俯かせた。
この人にも霊の類は見ることはできるのだろうか。
武器庫でとってきた彼女の武器を返すとそれを受け取ってくれる。

「なんで、ここが分かったんだ?」

「えっと…彼女が……」

周りを見渡すが彼女の姿は見えない。
どこにいってしまったんだろう。


「……いえ、エドラスの“ノエル”に案内してもらいました」

「! ノエルに…!?どこに、いるんだよ……、」

私は顔を横に振る。
案内してもらったのは実体のある彼女じゃない。
幽体となった彼女だ。
そう、伝えるとリキさんはそうか、と頷いた。

「おい、ノエル。ひとまずここを出よう。グレイ達と合流が先だ」

「うん。そうだねシエル。とりあえず行きましょ、リキさん。安全なところへ」


「私も行く」

「でもその怪我で…」

「いい、大丈夫だ。気にするな」

そうゆう訳にもいかないだろう。
私は一度、シエルを戻してからラーウェルさんに出てもらう。
そして彼女を癒してもらってから牢屋を出た。






+++

ちょっとここいらで亡霊(幽霊?)と悪霊の違いを…。
多分、分かってるとは思うけど。

*亡霊
死んだ人の霊、亡魂。

*悪霊
人にたたりをする死人の魂。

用は人間に影響を及ぼせるか及ぼせないかの違いですよね。
ノエルが扱うのはもちろんのごとく悪霊の方です。
亡霊は見えるだけで実体化等はできません。 

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.112 )
日時: 2014/10/25 08:32
名前: 紫苑有栖 (ID: 4lMk69pY)

お知らせしたいことがあります。
こちら、「悪霊憑き」の方ですが。

更新速度を落とし、もう一つの小説、
「毒花の住処」の方の更新速度をあげたいと思います。


理由としては、
「毒花の住処」の方でプロットがあまりにも
溜まってしまいファントム編が終わる頃まで、
実はもう出来てたりします。

なので、しばらくは「毒花の住処」を最優先にし、
「悪霊憑き」は更新遅め、と。

「毒花の住処」がある程度、進みましたらこちらも
また元通りに進めさせて貰います。


すみませんでした!

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.113 )
日時: 2014/12/11 17:20
名前: 紫苑有栖 (ID: 0Q45BTb3)

第35問「竜騎士って何?」

グレイさん達は何処にいるだろう。
魔水晶にされた皆を探しているはずだけど。
城の中だから偉そうな人の所かな、つまりは王様のいるところ…。

「…王様のトコに行くならこっちだ」

リキさんは言う。

「前に少しだけ潜入したことがある。城の構造が変わってなければこっちに」

前を歩くリキさんの後をついていく。
そこには巨大なタコ。

「なんだよ、コレ………」

「少し邪魔だね」

明らかに道をふさいでしまっている。
この巨大タコをなんとかしないとこの先には進めないだろう。

「もう少しよー…」

ルーシィさんの声が聞こえてきた。
その声を辿りタコの回りを歩いてみるとそこには小さな女の子とルーシィさんの姿。
どうやらタコと地面にはさまったルーシィさんを助け出そうとしているらしい。

「ルーシィ…さん?」

「あ!ノエルちゃんっ…とこっちのノエルちゃん……?」


説明は後かな。
とりあえずルーシィさんを引っ張りだぞう、とその女の子と協力してなんとか助け出す。
助け出した後にいろいろと説明を聞くと女の子の名前はココ。
みんなの魔水晶を壊す鍵を持っていたココだったが取られてしまったらしい。

「魔水晶がぶつかるのを防げれば…」


「だったら私のレギオンを使いましょう!」

レギオン…って何だろう。

「レギオンか…あれで止められるとは思わないけど…」


この世界に住んでるからかリキは知っているらしい。

「でもやってみないと分からないです」

「よくわからないけどそれで行こう」


それからしばらく待つとそのレギオンと呼ばれたドラゴンのようなものに乗ってきたココさん。
なんだか騒がしい、とそちらへ向かうとそこにはグレイさん達の姿。
ナツさんもいるみたいだ。

グレイさん達もレギオンに乗せて魔水晶のある場所へ。
みんなで押し返そうとするがビクともせず。
更には、エクシードと呼ばれていた翼を持つネコ達も手伝ってくれるが、
魔水晶と島は近づいていく。

その時だった。
魔水晶が光に包まれた後、そこから魔水晶が消える。
現れたのは妖精の尻尾フェアリーテイルの…ミストガンさんだ。

「全てを元に戻すだけの巨大なアニマの残痕を探し遅くなったことを詫びよう。
そしてみんなの力がなければ間に合わなかった。感謝する」

ミストガンさんは続けた。
魔水晶は一度、アニマを通りアースランドで元の姿に戻る。
全て終わったのだと。

聞いていた誰もが喜んだ。
ミストガンさんがマスクを外すとココさんやイカついネコが“王子”と呼んだ。
だけどそのネコを撃ちぬいた魔力の弾。


「まだ終わらんぞーっ!!!」

アースランドのエルザさんが向かって来ていた。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.114 )
日時: 2014/12/12 19:50
名前: 紫苑有栖 (ID: 0Q45BTb3)

王子と呼ばれているミストガンさんが前に立つものの、
何処からか聞こえて来た声がミストガンさんを王子だという事を否定する。
出て来たのは竜の形をした機械のようなもの。


「フハハハッ王の力に不可能は無い!!!王の力は絶対なのだ!」

ネコたちは「ドロマ・アニム」と口にする。
エドラスの言葉で「竜騎士」…、ドラゴンの強化装甲だとミストガンさんは言った。
それに続けてココさんが説明する。

対魔専用魔水晶ウィザードキャンセラーが外部からの魔法を全部無効かさせちゃう搭乗型の甲冑。
王様があの中でドロマ・アニムを操作しているんだと。


その中に乗っている王様がエクシード達を捕えろ、と命令すると兵たちは次々とネコたちを狙っていく。

「おいおい、どうすんだよ…」

心配そうにリキさんは呟いた。
王国軍からエクシードを守るんだというが、竜騎士はこちらを狙い攻撃してくる。
一発目はミストガンさんが反射してくれたものの効かず。
更に二発目に来た攻撃でミストガンさんが地へと降ちてしまった。


『ノエル』

「!」

そうだ、こっちには竜殺しを得意とした魔導士がいる。
私は彼と顔を向き合い頷いた。

「リキさんはみんなとネコたちを守ってて下さい」

「お前はどうすんだよっ!」


「私は大丈夫」

ただそれだけ言ってココさんのレギオンから飛び降りた。

憑依させられるものが近くにない。
でも実体化させるほど魔力に余裕があるわけでもないから…。


「よし。憑依対象物を自分へ、同一化(ユニフィケ-ション) “ムーン”」

『待ってたぜ、この時を』

「その力、使わせて頂きます!」

彼が私に憑依してくるのと同時にいつもとは違う力が体の中を巡る。
これが闇竜の力…。


視界に入ってきたのはナツさんの姿だ。
彼は真っ直ぐに竜騎士へ向かい首元を狙った。
次にガジルさんが腹あたりを攻撃。


「「天竜の…/闇竜の…」」

誰かと声が被る。


「「咆哮!!!」」

そしてほぼ同時に竜騎士へと攻撃を与えた。
ウェンディさんだ。そのまま地面へと着地する。



「お前…滅竜魔法使えたのか……雰囲気も少し変わったか?」

ガジルさんが言う。

「いえ、これも“憑依”の魔法です。力には限りがある」

憑依された影響なのか、髪の色や瞳の色が黒く変わっているらしい。
もしかすると、と思い頬を手でなぞると三本の傷が浮かびあがっていることが分かった。


「よく分からねぇけどやるじゃねーか。ウェンディ、ノエル」

「いいえ…3人の攻撃の方がダメージとしては有効です」

ナツさんは、ルーシィさん達に「行け、ネコたちを守るんだ」と言う。








「そっちは4人で大丈夫なの!?」

そのルーシィさんの問いにグレイさんが答える。

「問題ねぇさ。相手はドラゴン。倒せるのはあいつらだけだ。
ノエルもナリが変わってるみてぇだし。


ドラゴン狩りの魔導士……滅竜魔導士!!!」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.115 )
日時: 2014/12/13 19:23
名前: 紫苑有栖 (ID: 0Q45BTb3)


ウェンディさんが援護系の魔法を私達にかける。
動きがいつもより早くなり、3人で竜騎士を攻撃する。
だけど硬すぎる。微弱にしかダメージを受けていない。

次に、攻撃力強化の魔法をかけられ、攻撃するとさっきより威力が増しになる。
これならいけると思ったが彼はウェンディさんを狙った。
何発ものミサイルがウェンディさんへ襲い掛かる。
後ろへと避けようとした彼女だが、それは追尾型らしく避けきれず。


すぐに走り出し、ミサイルを全機撃ち落す。

「ノエルさん!!」

「大丈夫ですか、ウェンディさん」


まだまだ、と再びミサイルを撃ちだそうとするが、ガジルさんがそれを止める。
だが、2発残っていたらしくそれはこちらに向かって来ていた。
同じように撃ち落そうとも思ったが、さっきのと違う弾らしく爆発。

しかしナツさんはその爆炎を食い、ガジルさんが竜騎士の尻尾を食べる。
ナツさんが燃えて来た、と笑みを浮かばせた。


その時、いきなり竜騎士の色が黒く変わる。

「まずは貴様等全員の戦意を亡くしてやろう!ドロマ・アニム黒天の力をもってなァ!!!」

ビリビリと体が目の前の敵の恐ろしさを知る。


何度か攻撃を繰り替えずが、すべて跳ね返され押される一方。
さっきの竜騎士とはまったくの桁違いだ。

「フハハハ!ドロマ・アニム黒天は魔法の出力を数倍にも引き上げる特殊装甲、
貴様らに勝ち目はないぞォ!!!」

地面からいくつもの攻撃が私達を狙う。
何処から出てくるのかも分からず、避けられるようなものではない。

王様は言う。
ドロマ・アニムは常に世界中の魔力を吸収し続ける究極の魔導兵器。
ゆえに禁式。起動させたからには勝つ義務がある。
世界の為に、と。

それに対してナツさんは言った。
この世界で生きる者の為におまえを倒すのだと。

しかし究極の魔導兵器というからに一筋縄ではいかないみたいだ。
近づく事も出来ず、地へ倒れる。
それでも立ち上がるとガジルさんは4人同時でのブレス攻撃だという。

何が起きるか分からなかったから控えておきたかったがやるしかない、と。

その作戦にのり、4人で同時に竜騎士へと方向を撃つ。
だが竜騎士は空高く飛んで回避された。
もう一度やろうとするがそんな暇すら与えられずに攻撃を受けてしまう。

再び地面に這いつくばってしまったが私はフラつきながらも竜騎士を見据え立ち上がる。
魔力ももうほとんど残っていない。
どうすればいいんだろう……どうすれば…



「あきらめんな。
まだ終わってねぇ、かかってこいやコノヤロウ…オレはここに立っているぞ!!!」

ナツさんが立ち上がると竜騎士は彼を踏みつぶそうとする。
だがナツさんはそれを持ち上げ、明日の分の魔力を捻り出す、と再び燃え上がる。


「滅竜魔導士なめんじゃねーぞ!!!アァ!?」


“ノエル、「闇」を食え”

「!」

ムーンの声が頭の中に直接響いてくる…。
そうか、憑依されてるから。


—…でも私は本当の意味での滅竜魔導士じゃない。闇を食べられてもそれを自分の力には変えられない。

そもそも闇なんてどう食えばいい、というのだ。

“ドロマ・アニムの魔法は言い換えれば闇そのもの。食えれば力に出来なくても奴の力は半減出来る”


それってつまり…ウェンディさんと同じ実体のないもの…。
考えることもなかった。
要するにあの竜騎士を包む魔法を食えばいい。

先に動いたのはガジルさんだ。
腕を鉄へと変形させ、竜騎士の足を地面へ貫通させる。

「足を…」

「ロックした!これで空中には逃げられねぇ!!」

“行け、ノエル”

竜騎士がガジルさんに気を取られている間に私はすぐに近づき、その魔力を食いあげる。


「!! 何だ、ドロマ・アニムの魔力がなくなって…」

「「行けェ火竜サラマンダー!/今です!行って下さい、ナツさん!」


ナツさんが気付き、ウェンディさんに自分に向かって咆哮だと指示をする。
ウェンディさんは立ち上がり彼へ咆哮を放つ。

彼女の咆哮の特性、“回転”を利用しナツさんは竜騎士へと思いきり攻撃を仕掛けた。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.116 )
日時: 2014/12/20 20:40
名前: ドロップ ◆5/7K.VcEo2 (ID: HOE8nich)

自分に憑依……!!
ノエルちゃん、カッコいー!
ノエルちゃんもついに滅竜魔導士デビューかぁ((ちげーだろ

はい、ふざけました

文才がほしいです……
4分の1でいいんでください((殴

……ごめんなさい
では、これからも楽しみにしてます(^^♪

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.117 )
日時: 2014/12/21 21:29
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)

ひぃ、更新がまだ停滞気味に…:(´◦ω◦`):



ドロップさん

そうですね!ついに滅竜魔道士デビューで(←
いつかムーンさんに憑依されたノエルを描いてみたい…

いえいえ…
そんな、私なんかの文才をあげてしまったら、
逆にドロップさんの文才が悪くなってしまいますよぅ!


楽しみにして頂き嬉しいです!
更新頑張ります。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.118 )
日時: 2014/12/30 13:34
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)

第36問「幽体離脱って何?」



「かーはっはっはっ!王様やっつけたぞー!」

竜騎士から王様を取り出し、地面へ横たわらせる。
完全に意識を失っていた。


—ありがとう、ムーン

憑依も解除しこれでひとまずは安心かな、と思っていたところ地面が震える。

地震や増援か、とも思われたがどちらも違くて原因は浮いている島が落ちてきているからだった。


何もできずにしばらくそれを見ているとこちらへやってきた1人のネコ。


ずっと腕を振り続けている彼はナディと名乗った。

エドラスの浮遊島はこの世界の魔力で浮いている。
それが落下を始めるという事はつまり…この世界から魔力がなくなろうとしているということ…。

彼はどう説明した後に、こうも続ける。

「この世界から魔力が消えようとしている。
つまり体内に魔力があるぼきゅ達もこの世界から追放されようとしているんだ」

それに乗じて私達に頼みたいことがあるみたいだ。
“悪役と英雄”について。


全ての話を聞き終わったナツさん達が頷きさっそく行動に取り掛かる。
私はみんなに今、聞いたことを知らせるためにみんなを探しに走る。
多分、エドラスのみんなは混乱しているはずだ。
こっちのフェアリーテイルのみんなも。



だけどみんなのところに行く頃には既に体は光始めていて…。

「! ノエルッ」

私を呼ぶ声がして振り返るとそこにはリキの姿。


「無事でよかった。お前もあっちに戻るんだな」

「そうみたいですね」


リキさんは一度俯いてから笑って私を顔を合わせる。

「少ししかいなかったけど…やっぱりお前は“ノエル”だよ、
あいつと一緒にいた時間のこと何度も思い出してお前と重ねてた。ありがとうノエル。じゃあな」


その時、リキさんの後ろに見えたこっちのノエルさんの姿。
リキさんは気付いていないみたいだけど…。
ノエルさんも笑ってこちらを見ていた。口元を見ると彼女も「ありがとう」と言っているみたいで。

「リキさん“達”も元気でやってください」

「?」

手を振って彼女達に笑いかけた。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.119 )
日時: 2014/12/25 18:24
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)

みんなでアースランドへと帰ってくるとそこにはネコたちもこちらへ来ていた。
最初はシャルルさんが認めない、と言い張っていたがいろいろと説明を受け認めてくれた。

ガジルさんがオレの相棒にする、と言ったリリーさんは妖精の尻尾にいたというリサーナさんを連れていて。
本当は死んでいたのではなくてアニマに吸い込まれてエドラスにいたことを知らされた。
死んでいたと思っていた人が本当は死んでいなかったことに驚いたがすぐに喜びの声をあげる。


ギルドへと戻るとまたそこでもリサーナさんが生きていたことにみんなが騒いだ。

「リサーナさん。ずっとエドラスの妖精の尻尾にいたんですよね?」

「まぁ詳しくは2年前…だけど」



「……“ノエル”さん、リキさんの他にあちらの世界で顔の似た顔の人は存在していたんですか?」

「ううん、ノエルちゃんとリキちゃんは双子だって聞いてるよ。どうして?」

「いえ…」


少し気になることがある。
あくまでこれは自分で考えていた事で推測でしかないのだけど。
エドラスはいわゆるこっちの世界…アースランドのパラレル世界だ。
私の2つ目の名、「リキ・アルムニスト」があちらの世界で“1人の存在”として生きていた。

更には最近よく、“黒い人”が関わる仕事で記憶が飛ぶ事がある。
もしかすると私にはもう一つの“人格”があるのかも知れないんじゃないか、と。


+++

『ノエル』

「! どうしたの、シエル」

『オレ、お前にすべて話そうと思う』


「…?」

真剣な顔をする彼に私は黙る。
もうお姉ちゃんは寝ているであろう時間で私の部屋でシエルは静かに話し出した。


私にはもう1人の人格が存在するのだ、と。
なんとなく気付いていた。だからそう驚きはしなかった。

『お前が話てみたいと思うなら話すことも出来ると思う』

「本当に?」

『あぁ。明日からそうゆう魔法を教えてやる。お前のもう1人も喜ぶんじゃねぇの…』

シエルはそのもう1人の私があまり好きではないみたいだ。
だけど彼は話してくれた。とても大切なこと。


それから数日間、シエルから“私”と話す…“私”を実体化させる魔法の習得に励んだ。
なんだかお姉ちゃんは忙しいみたいで相談することも、何もできなかったけど。

そういえばもうそろそろS級試験が近づいてきているんだっけ。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.120 )
日時: 2014/12/30 13:33
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)

それから数日のこと。
私はお昼だというにも関わらず自室のベットで目を閉じて横になっていた。
お姉ちゃんはきっとギルドにいるのだろう。

『そのまま足先から力を抜いていけ。足先から髪の毛の先まで』

言う通りになるべく何も考えず無心に力を抜いていく。

『そうしたらこの部屋で宙に浮く想像をするんだ』


自室にどこに何があったのか思い出して行き自分がその中心に目を閉じて浮く想像をする。

「…目、開けてみろよ」

シエルの言葉が実体化してないのにも関わらず新鮮に聞こえて目を開けると目の前には“私”が寝ている姿。

「?」

「まぁ幽体離脱って奴だな。まだ動き慣れないだろうがそのうち慣れる。
動きたければ自分が動きたいように頭の中で想像してみろ」


そう言われていつものように動かそうと思って動こうとしてみるが確かにどこも動かない。
しかし、頭の中で私が歩いたり飛んだりする動作を想像すると体が動くのだ。
何かおかしな感覚で慣れるにはこれは時間がかかる。

「…やっとお目覚めかい?“リキ”」

『少し混乱しているがな』

“私”の声が聞こえてベットの方に振り返るとそこにはベットから起き上がる“私”の姿。
私はここにいる。
きっと彼女がシエルの言うもう一人の私、なんだろう。

自分が動いているのを見ているとは何か変な感じ。


『…あぁ、こうして会うのは初めまして。ノエル…。お前を“感じる”のはあの姉ちゃんと会った時以来だな…』

彼女が“殺害の悪魔”と呼ばれているリキ・アルムニスト…。

「??」

『私の説明をしようか。シエルは何も話してないみたいだからね』


そう言って彼女は私の声で語り始める。

リキが生まれたのは2人目のおじさんが亡くなってしまった時。
幼少期の頃のストレス、育ててくれた人が死んでしまった時の悲しさで彼女は私の体質もあって“悪霊”としてうまれた。
その時はまだ“人格”ではなかったらしい。

が、彼女には自身に強大な魔力を悪霊にして持っていた。
彼女は私の闇の部分だ。夜にその魔力にて姿を現し、黒い人達を潰して行っていた。
「リキ・アルムニスト」と名乗り、“殺害の悪魔”と知らぬうちに呼び名がついていたのはそのせいだ。

そして“人格”へと変わったのは3人目が殺されてしまった時。
私はまったく記憶にないのだけど。

“「見てないで、殺してよ。あいつらを、殺してよ。」”
その私の問いかけにリキは答え、私に憑依した。
しかしそれは中途半端な憑依。まだ私の意思はあったらしい。
手足はリキが動かし、思考回路は私。
その中途半端な憑依が“人格”へと変わってしまった理由。
殺しが終わり出ようとしたリキだが何か鎖のようなものに繋がれ外に出られず。
ずっと私の体の中に潜んでいたらしい。


『私が外に出れない考えられる理由は1つ。私は元々“私”だからだ』

リキはそう言った。









2人の再開(?)リキがうまれた理由。
元は悪霊だった彼女です。
何か分からなければ質問、受け付けますん。
矛盾が発生してそうで怖い。

それと、第36問の題名を変えさせていただきました。
リキの説明が予想以上に長くなってしまった…。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.121 )
日時: 2014/12/31 20:36
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)

第37問「S級試験って何?」


翌日。
あの後、自分の体に戻った時にずっしりと体が重くなった。
それも一晩寝たら治ったのだけど。
シエルが言うには初めて体から魂だけ出て来たために疲れていたのだろう、と。

そして現在。
お姉ちゃんから今日はギルドにいろ、と言われていたので一層賑やかなギルドの中で待っていた。
今日はマカロフさんからの重大発表があるらしい。
ステージの幕が上がり、マカロフさんとミラさん、ギルダーツさんとお姉ちゃんの姿があがる。

マカロフさんはコホンとひとつ咳払いをした。

「妖精の尻尾フェアリーテイル古くからのしきたりによりこれより…S級魔導士昇格試験出場者を発表する」

“オオオオ”とギルド中に歓声が上がった。
そうか、今日だったんだ。S級試験の出場者発表。
お姉ちゃんから聞いてはいたけど実際、目にするのは初めてだ。


「今年の試験会場は天狼島。我がギルドの聖地じゃ。各々の力、心…魂……
ワシはこの1年見極めてきた。参加者は9名」


一体、誰が入るのだろう。

「ナツ・ドラグニル、グレイ・フルバスター、ジュビア・ロクサー、エルフマン、
カナ・アルベローナ、フリード・ジャスティーン、レビィ・マクガーデン、メスト・グライダー」

ジュビアさんも入ってるんだね。
それにしてメストさん…って人、ギルドにいたんだ…。


「そして…ノエル・スカーレット」


「!」

『よかったじゃねーか、ノエル』

どうして…。
ふとお姉ちゃんの方を向くと目があう。
なるほど。選んでくれたのなら全力を尽くそう。

「今回はこの中から合格者を1名だけとする。試験は1週間後、各自体調を整えておけい」


S級試験、ルールは…
選ばれた9人は準備期間の1週間以内にパートナーを1人決めておく。
パートナー選択のルールは2つ。
妖精の尻尾のメンバーであること、S級魔導士はパートナーに出来ないこと。
試験内容の詳細は天狼島についてから発表するが、今回はミラさんが私達の邪魔をするらしい。


選出された9人とそのパートナーは1週間後にハルジオン港に集合。
以上、と説明が終わった。


パートナーか、どうしようかな。
そう思いながら浮かべるのはたった1人の姿。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.122 )
日時: 2014/12/31 20:41
名前: 紫苑有栖 (ID: 0y/6MWPS)

今年が終わる前に、と少し短くなってしまいました。
えっと今年ももう残り約3時間30分くらいで終わってしまいますね。

参照1600突破、ありがとうございます!
今年の更新はこれで最後です。
また来年、「毒花の住処」の方もこちらともどもよろしくお願い致します。


それでは皆様、よいお年を。
かなり早いですがあけましておめでとうございます!
とだけ残しておきますね。

ついでに「悪霊憑き」の方は天狼島編を最後に完結する予定です(`・ω・´)

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.123 )
日時: 2015/02/02 18:02
名前: 紫苑有栖 (ID: kaY8Y1HD)


それぞれの想いを胸にとうとう当日。
私のパートナーはシエルだ。
魔力は昨日のうちに補給してあり、私の分を使う事はない。

マカロフさんからも許可を貰っていた。

「アツい!」


その試験会場、天狼島に行くまでの船の道なりがすごく熱かった。
ほとんどの女性が水着姿でいる。


そんな中、見えてきた天狼島。

「あの島にはかつて妖精がいたと言われていた。
そして妖精の尻尾、初代マスター。メイビス・ヴァーミリオンの眠る地」

まずは一次試験の内容だ。
島の岸には煙が立っている。
そこに行くと8つの通路があり、1つの通路には1組しか入る事は出来ない。

「そして通路の先はこうなっておる」

情報ボードに移し出されたのは8つの道。
そして「闘」の文字が3つ、「静」の文字が1つ、「激闘」の文字が2つだ。

「ここを突破出来たチームのみが一次試験合格者じゃ」



「闘」のルートはこの8組のうち、2組がぶつかり勝った1組が通れる。
「激闘」は現役S級魔導士を倒さねば進めぬ最難関ルート。
「静」は誰とも戦う事なくこの一次試験を突破できるルート。

つまり、一次試験の目的は「武力」そして「運」。
最大で6組が合格出来る。最悪の場合、4組…。

「さあ、始めい!試験開始じゃ!!!」

しかしここは海の上…。
そうか、ここからがもう勝負。
気付いた時には既に遅く。
フリードさんに術式を書かれ、先を越されてしまった。

後にレビィさんチーム、エバーグリーンさんのチームが行ってしまう。
それから5分後、術式は解けてそれぞれが天狼島へ向けて船から降りる。

私はルカさんを実体化し、海の動物を想像させそれに乗り島へ。
Dルート、入るとそこにいたのはジュビアさんペア。


「なるほど、オレ達が入ったのは“闘”のルート」

「そうみたいだね、シエル」


「子供だからって手加減しないわよ!あっちでリキちゃんは強かったからね」

「私も…全力で行きます!!」

最初に行動に出たのはあっちだ。
どうやらジュビアさんが攻撃し、その隙をリサーナさんが狙う…なるほど。

「よく出来た作戦です。でも隙なんて作らない」

シエルがリサーナさんへと向かう。
ジュビアさんはこちらへと向かって来ていた。


実体サブスタン

だけどジュビアさんのすぐ後ろ、すぐに方向転換出来ない位置にアクトさんを実体化。

「鎖魔法(チェ-ンマジック)…拘束アレスト!!」

「私に物理攻撃は…!?」

「知ってますよ。だけどそれは魔法で水の体になっているんですよね?」

魔法を封じ込めばこちらのもの。
それに特化したアクトさんは、今この場で一番最適な人だ。


「ジュビア!」

リサーナさんが彼女の名前を呼び、助けに行こうとする。
だけどすぐ目の前に迫るのはシエルの姿。

「行かせない。この勝負、貰い!」

体に似合わない大きな大斧を振りかぶり、斧の反対側でシエルはリサーナさんを攻撃。
後に気絶させた。
ジュビアさんは拘束済。動く事は出来ない。


「この勝負、私たちの勝ちですね」

私は奥の扉が開いたのを見てシエルとハイタッチして笑った。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.124 )
日時: 2015/02/06 13:05
名前: 紫苑有栖 (ID: 8y9cmuB3)

第38問「お墓ってどこ?」

通路から出た先、そこに試験を突破した人たちが集まっていた。
残っているペアは…。
カナさん、ルーシィさんペア。レビィ、ガジルさんペア。
ナツさん、ハッピーさんペア。グレイさん、レオさんペア。
そして、エルフマンさん、エバーグリーンさんペアだ。

結構残ったなぁ。


「グレイ!カナ!レビィ!エルフマン!ノエル!」

ナツさんがいきなりS級試験者の名前を呼ぶ。

「誰がS級魔導士になるか勝負だ!!」

その挑戦状に誰もが譲れない、と言い張った。

+++


S級試験、第2次試験。
内容は、初代ギルドマスター。メイビスさんのお墓を探すこと。
制限時間は6時間。

誰もが簡単だと侮っていた。
だけど………


「多い!多いよ!この生き物はいったい何!?」

「天狼島の気候も特別だからな……見たことない奴がいても不思議じゃない…」

後ろからなんとも形容しがたい怪物に襲われそうになっていた。
更に、倒したら倒したでまた違う怪物がやってくる。
キリがない。どうすればいいんだ。

そうだ。
まだやったことないけどやってみる価値はあるかな。

「呪い(カーズ)」

立ち止まり、怪物の方へ向き直り死霊をその怪物へ取りつかせる。
動きは……止まった。

「! 行こう、シエル。今のうちに」

「おぅ」

何が起きる分からないからさっさとこの場から退散。
次こそ、怪物に見つからないように探さなくては……。


「でもどうしていきなり墓を探せ、なんだろうね」

「さぁな…。俺も初めてだし何ともいえねーよ」

この試験…試されてるのはきっと知力だ。
何もヒントがないとは思えない。
天狼島に来たのが初めての人は多いはずだ。
その中で地図も渡されていないし明らかに不利すぎる。

カナさんは何回か試験をやっているみたいだけど…。

「! ………」

「シエル?どうしたの?」

いきなり立ち止まったシエルに疑問を持つ。
何か思い当たることでもあったのだろうか。

「この感じ…黒魔導士ゼレフがこの島に…いる…!?」

「え…」

ゼレフは今でも生きている。
それは確信があった。

ゼレフの“悪霊”を感じたこともないし仲間から聞いたこともなかったから。


「どうしてこの島に?」

「それは分からないけど……気を付けた方がいい、」

「……うん。そうだね」

もしゼレフと遭遇してしまったら。
考えるのはやめにしよう。

その時、ガササと茂みが動く。
何が来るか、と警戒していると出て来たのはレビィさんだ。
パートナーのガジルさんはいったいどうしたのだろう。


「ノエルちゃん?」

「ガジルさんはどうしたんですか?」

まぁある意味、この試験の場では出会わない方がよかったのかも知れないけど。

「えっとガジルは…」

「! レビィさん危ないッ」

気配がしてすぐにレビィさんへ体当たりする。
すぐに後ろで剣同士がぶつかる金属音が聞こえ、前から鳥みたいな奴も現れた。


「憑依!」

すぐにレイさんを憑依させて相手へ攻撃する。
しかし敵はすぐにバックして避けてしまった。

「レビィ!」

「ガジル!?」


どうやらガジルさんも来たようで。
私とレビィさんはすぐに起き上がる。

「何だコイツらは…」

「悪魔の心臓グリモアハート。闇ギルド最強のギルドがなんでこの島に…」


シエルも一度、相手から離れ間合いを取る。
ゼレフと何か関係があるのだろうか。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.125 )
日時: 2015/02/13 00:03
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)



悪魔の心臓グリモアハート…闇ギルド……。
駄目だ、今は…今はガジルさん達の足手まといにならないようにしなくちゃいけない。

「あんたたち目的は何なの!?」

「ここにいる妖精を狩る事なり!!!」

ごう

相手の持つ剣から書かれた文字から魔法が放たれる。
それは私達の聴覚を失わせた。


剣士がシエルとレイさんを襲おうと飛び掛ろうとする。

「シエル!!レイさん!」

だけど2人とも、私の声は届かず敵の接近にも気付いていない。
駄目だ、このままでは…。


「実体化、憑依…全解除ッ!」

剣士の剣が2人に届くより先に彼らは幽体へと戻る。
剣は空を斬る。
2人は傷付いていない。

『『ごめん、ノエル!/ありがとう、ノエルちゃん!』』

でも騒音を消さなければ状況は変わらない。

個体文字ソリッドスクリプト静寂サイレント!!!」

瞬間、聞こえていた騒音は消え周りは静まり返る。


「拙者の文字と打ち消しあったのか」

聞こえた、とガジルさんが剣士へと向かう。
鶏がレビィさんの方を攻撃したみたいだが、彼女は防いだみたいだ。
しかし戦況は押されていた。

傷付く仲間と倒れるガジルさんの姿。

「この程度の奴らばかりなら“本隊”が上陸する前に全て片づきそうだ」

「ほ…本隊…だと?」

「我がギルド、悪魔の心臓全部隊なり」


「まだ…まだいるんだ……」

黒い人達が。
仲間を…友達を……大切な人を傷付ける人達が。

「何だ、魔力が…上がって……」







「望むのは、君達の全滅。…“呪怨ランキュヌ”」

私は笑う。
この世で1番醜いのは仲間の裏切りだと思う。
片方に悪霊を取り憑かせ、命令する。
目の前の鶏を殺せと。
どうせ黒い連中は人の死に対して何も感情はないだろう。

ガジルはレビィに逃げろと叫ぶ。
この様子に少し戸惑いながらも彼女は走り逃げていった。

剣士は鶏を無我夢中で襲う。

「ペペ、こんな時にこんな事してる場合じゃないペロ」

「無駄だよ。その剣士はもう私の命令しか聞かない」

明らかに鶏の方が弱いのは分かっていた。

「どう…なってんだ?」

重症を負い、それでも立ち上がろうとするガジル。
見ていれば分かるだろうと私は何も説明しない。

決着はあっという間に着いた。
剣士は鶏を斬り倒す。


「呪怨、解除」

そのタイミングを見て私は悪霊と剣士の体を離した。
剣士の体は、爆発しその場で倒れ伏す。



呪怨ランキュヌrancune
呪いが更に強くなった魔法。
取り憑かれた者は体の自由を奪われ術者の命令しか聞けなくなる。
又、憑依が外れるとその身は自身の魔力の高さに比例して攻撃を受ける。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.126 )
日時: 2015/02/16 10:22
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)

第39問「悪魔の心臓って何?」


「これは…」

爆発音を聞いてやってきたのか。
レビィが連れてきたのか。あるいは両方だろう。
エルザとジュビアが今、起きているこの様子に驚いていた。


「もう終わり…だ。直に本隊が上陸する。
拙者が足元にも及ばぬ魔導士たちがやって来るぞ……“煉獄の七眷属”」

「うるせーよ」

未だに喋り続ける剣士に蹴りを入れて黙らせる。
煉獄の七眷属…ね。
エルザが迎撃体勢だと、赤い信号弾を出す。
S級試験は中止。

そうせざる負えないだろう。


「エルザさん。これからどうします?」

「とりあえずメストとウェンディを探そう。キャンプの場所がわからず迷ってる可能性もある」

レビィは、傷付いたガジルに肩を貸してキャンプへ連れて行くと歩き出した。


「さて…悪魔の心臓グリモアハートの目的は……」

「恐らく、黒魔導士ゼレフだ」

「! (今はリキ、なのか…)ゼレフだと?」

「この島に上陸しているらしい。そうなんだろ?シエル」

シエルを実体化させ、彼女たちにも声が聞こえるようにする。
彼は頷いた。

「バカな!ゼレフは何百年も昔の人間だ!生きているハズがない!!」

「いや…ゼレフは生きている。間違いない」

シエルはそのまま話を続けた。


魔力の反応は薄い。
かつてのゼレフとは程遠い力。
しかし、もしそれが復活したのだとしたらこの世界は完全なる闇へと染まる。

「奴らはそれを狙っているんだろう」

「妖精の加護に包まれた島で狼藉を働くつもりなのか」

「…あいつらより先にゼレフを見つけ出さなきゃな」


エルザは少し考えた後、指示を出す。
ジュビア達でゼレフを探し。私はウェンディ探しだ。

「リキさん、1人で大丈夫なんですか…?」

「私はノエルとは違う。大丈夫だ。ゼレフを見つけるならこいつも連れてけ。
ノエルがシエルに渡した魔力がまだ残ってるだろ?」


「オレもお前とは一緒について行きたくないね。まだこの状態は維持出来る魔力は残ってる」

それを聞いて私はすぐにウェンディ達を探しに走り出した。

…闇に染まった世界、か。実際どんな世界なんだろうな。
自分の欲求を優先した思いやりのない世界。
いや、それとも毎日自分の優劣を競う為に戦争ばかりの世界、か。
何故かどちらも違う気がする。

難しいんだな。


「うぉりゃっ!!」

「?」

声がしてすぐに避けるとそこには敵の姿。
どこから現れたかと思うとどうやら空から降って来てるらしい。
1人だけじゃない。それはもう何十人と数がいる。

「クレア」

クレアを憑依のち、実体化させて防御を固める。
このままクレアで攻撃させてもいいがそうなると魔力の消費が激しくなる。
もう1人…いや、2人でもいいが誰か欲しいな。


「なぁ、お前に友達はいないの」

「随分と無茶なこといいますわね。この姿になってからは誰とも…
あら、あそこにいる悪霊はどうですの?(何処かで見た事があるような…)」

彼女が指をさしたところ。
そこにはショートカットの綺麗な銀髪、キリッとした青い瞳でボーイッシュな女性。

「よし、ナイスだ。おい、そこのお前」

目の前にいる人間が反応する。
が、違う。お前じゃない。

「私と出会った時もこんな感じでしたわね…」

しかし相手の霊は気付いていない。
むしろどんどん離れていくばかりだ。

「全然気付きやがんねぇ…」

シエルもいねぇし呼びに行く事も出来ない。
他の契約者はハッキリ言って私には使いづらい。


「あぁ、思い出しましたわ。ヒュウさん。ヒュウ・エリスさん!」

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.127 )
日時: 2015/02/18 11:27
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)


クレアがそう叫ぶとそこにいた彼女がこちらに振り返る。
どうやら名前をヒュウ・エリスと言うらしい。

『クレアじゃんか!おまえ、生き返る事が出来たのか?』

「いいえ。リキさんの魔法で一時的に実体化出来てるだけですわ」


知り合いなのか。
でもまぁいい。こちらに気付いてくれたのは立派な収穫だ。

『リキ…?』

「ハジメマシテ。リキ・アルムニストだ。
こいつの言った通り、私についてくれば一時的に現世に戻れる。さぁどうする?」

『へぇ、それは面白そうだね。乗った。私はヒュウ。ヒュウ・エリスだ』


契約成立だ。

「俺たちを無視して何をごちゃごちゃ話してんだよ!」

1人、防御壁に突っ込んで来た奴の剣が折れる。
バカな奴。
クレアの防御がそう簡単に壊れるはずがないだろう。
本人も割と自信満々だし。

スキを見てヒュウを実体化させ戦闘に参加させる。
どうやら彼女は影を操る魔法を使うらしい。
敵の影を動かし敵を攻撃させる。
一見、私の“呪い”や“呪怨”と似ているが明らかに違うのは…

相手の魔法もそのまま使える事だ。

魔力の消費はそれなりに大きいが使えない訳じゃない。


「転換」

近くの枝を拾い、それを銃へと変える。
魔法弾は使えないがスキが出来た相手に狙うだけなら充分だろう。

そうしている内に、空から降って来ていた敵はいなくなり周りにいる奴らは全滅。
はやくウェンディを探そう。


2人を幽体に戻し走り出した。

途中、ものすごい魔力が天郎島を震わせたのは気になるが無事にウェンディと合流。
どうやら悪魔の心臓と戦ったらしい。既に傷だらけだ。

更に、ナツ達もいたらしく空から降ってきた敵はナツが倒していっている。
その中で現れたのは炎の魔導士…。
ナツと似ているようで違う滅神魔導士のご登場。

彼の炎は黒かった。


ナツがその炎を食べる事は適わず、押されていく一方だ。
最後には見事に吹っ飛ばされてしまった。

「ナツさんを追いかけないと…!」

「大丈夫か、ウェンディ」

「はい!私は大丈夫です!!」

なら、追いかけようと次はナツが吹っ飛ばされた先へ走り出す。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.128 )
日時: 2015/03/06 23:14
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)
プロフ: ネタ尽きた…orz

第40問「ゼレフの影響って何?」

追い付いた頃にはナツは完全に倒されていて。
だが、近くにあの滅神魔導士も倒れていた。
それとマカロフも。

ウェンディは一番重症なマカロフを先に、一通り治癒してからナツを治癒しようとする。
しかし両者とも、天空魔法が効いていないようだった。

「…マカロフは恐らく傷が深いんだろう。ナツはマフラーに染み付いた邪気が治癒を邪魔してる」

「マフラーの?」

「元に戻せれば治癒出来るハズだ」

「やってみます!!」


そう言ってウェンディはマフラーを元に戻せるように努力する。

「!」

幽体に戻ったシエルが私の前に現れる。
一体どうしたんだ。ゼレフは見つけたのか…

『七眷属の1人と戦闘があった』

なるほど、それで魔力切れで戻って来たわけだ。
それじゃあゼレフは、まだ見つかっていないのか…。
こんなんで大丈夫かね。

その時、再び茂みが動く。
滅神魔導士は倒された。また新たな敵でも来るのか。


『見つけた。私達の自由を縛る女』

そう言いながら現れたのは、悪霊の女性。
彼女の魔力は死してなお大きくウェンディにも目視出来るようになっている。
そいつは私へと一直線に向かって来て攻撃を仕掛けてくる。

私はすぐに後ろへ避け、近くの枝を拾い剣へと変える。
他にもぞろぞろと悪霊が湧き出て来ていた。

ゼレフが近くにいるからか心の弱い奴が凶暴化しているのか。
それにしたって量が多過ぎる。
偉大だな、ゼレフっていうのは。


「ウェンディ、シエル。ナツとマカロフを連れてなるべくここから離れろ」

庇いながらじゃ戦いにくいのもあるが何より…。
大暴れ出来ない。
シエルを実体化させ、2人を運ばせる。


再びヒュウを実体化させた。
だが何せ悪霊に影は存在しない。
やりずらいのなんの。

『私がこの戦い、手伝おう』

後ろから声をかけられ振り返るとそこには腰まである黒髪に赤い目をしている女性。
持っている武器は体とほぼ同じ長さの洋刀。
シエルと同じ魔法を使わないタイプなのだろうか。


「ありがとう、その力使わせて貰う」

彼女に魔力を渡し実体化させる。黒い洋刀に水を纏わせ戦う彼女。
その剣技は相当なものだ。
エルザと同等かまたはその上か。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.129 )
日時: 2015/03/06 23:20
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: 8y9cmuB3)

ネタが尽きたとか言っている内に何だかんだで参照2100突破!
おめでたい!ありがとうございます!!

1000突破の時はイメソンを用意していたのにも関わらず。
2000は未だ用意しきれていませんでした…oh(´・ω・`)...
忙しいのもありますが。
何よりリアルの方で色々と精神がズタボロになっていたっていうのもあるのかな。


暇な時に用意しておきますね!
今のところはノエルorリキ単体でのイメソンを予定中。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.130 )
日時: 2015/04/03 21:17
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)
プロフ: 最後、ネタがないので一気に進めます。

それからしばらくは戦闘が続いた。
何故だか、魔力が切れるような事は一切なく、凶暴化した悪霊達はすべて倒し終わる。


だが…いきなり巨大樹が倒れ体の力が奪われて行く。
マスターメイビスの眠る島…。その巨大樹。
何か関係はありそうだが今この状況で敵とぶつかるのはまずい。
出していた悪霊も元の霊体へともどってしまった。
そう思って茂みへと隠れ息を潜める。

今、ここでノエルに変わるのはまずい。
何が起きるか分からないし何より…守れない。
じっと待っていると力が奪われゆくのが収まり戻って来た。
だいぶ時間がかかってしまったかも知れない。


だが、ハデスを倒せばもうこの戦いは終わる。
そう思って海の方へと歩き出す。



途中、ナツ達とも合流して悪魔の心臓グリモアハートの戦艦へ。
それぞれがハデスへと向かうがやつは強かった。

ラクサスも来てじいさんの敵…マカロフを傷つけたことに怒りナツに魔力を受け渡し勝負を託す。
炎と雷が混ざったナツは、雷炎竜…と最後の魔力を振り絞ってハデスを戦闘不能へと持ち込んだ。




+++

「今回のS級魔導士試験は中止とする」

マカロフが言い放った言葉。
妥当な意見だと思う。
悪魔の心臓からの襲撃。
ゴールであるメイビスの墓にはマカロフは待っていなかったようだしな。
反対する奴もいたがマカロフに勝てたら…との条件にみんな丸く収まった。

それから負傷者の手当てや遊んだりだとかしてそれぞれが
思い思いに過ごしている内に聞こえてきたのは何かの鳴き声。


上空に見えたのは黒いドラゴン。

「目次録にある黒き竜……“アクノロギア”」

そいつは真っ先にこちらへと降りてくる。
襲いかかってくるそいつから逃げようと誰もが走り出した。
マカロフが竜の前に立ち、逃げろと叫ぶ。
ラクサスもエルザも涙を流し、マカロフに背を向けて走り出す。


でもやはり放っては置けないのだ。
ナツを筆頭にみんなが来た道を戻りアクノロギアへと立ち向かう。
アクノロギアは上空へ飛び出し息を吸い込んだ。

咆哮ブレスの前触れ。
防御魔法を使える者は全力展開。
フリードへ、魔力を集めろと皆が輪になり手を繋いだ。











———X784年。12月16日天郎島。
   アクノロギアにより消滅。

   アクノロギアは再び姿を消した。
   その後、半年にわたり近海の調査を行ったが生存者は1名しか発見されず。


   そして7年の月日が流れた————

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.131 )
日時: 2015/04/03 22:10
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)

第41問「成長って何…?」


「お姉ちゃん!」

「! こんにちは」


「あら…ノエル、いらっしゃい」

肘まである栗色の髪。瞳は明るい緑色で肌は白。
顔立ちは目がパッチリとした二重で、おっとりとした美女性。
ドロテア・アッシェファルケさん。

二男一女の子供を持っているがその若さはまだ健全だ。

「リヒャルトさんは今いますか?」


天郎島がアクノロギアによって消滅。
お姉ちゃんや他のギルドの皆は、消えてしまったのに私だけ消滅から逃れていた。
何故かは良く分からないけどシエルは私は特別何だとしか言ってくれない。

「今呼んでくるわ。ちょっと待っていて」

『自分の子孫…か。何度見ても不思議なものだな』

私に懐くドロテアさんの子供を見てセオドア・アッシェファルケさんは言う。
腰まで伸びた一切の色素が無い白髪、鮮やかなルビーのような赤眼。
そして、異様に白い肌…アルビノの症状を持つ男性だ。

最近、契約した人の1人。


またドロテアさんに呼んで貰っているもう1人の男性。

リヒャルト・ヴァン・アッシェファルケさん。
彼もまたアルビノの症状を持つ。
ただ、髪はそこまで症状はひどくないのかライトブラウンという色をしている。


「待たせてすまないな」

「いえ…頼んでいるのはこちらですから……。今日はファーディナンドさんも一緒なんですね」


ファーディナンド・ブルーティガーさん。
ブルネットの天然パーマをオールバックにし、瞳はアンバーで肌が白い男性。
彼はリヒャルトさんの弟子らしい。

「あぁ、お前か」

「今回はファーディナンドにも手伝って貰っていたんだ。
…天郎島の件、確かに“完全に消滅はしていない”」


やっぱりそうだった。
天郎島付近で感じた空気は確かに仲間の魔力。
それと別に違う者の魔力も感じたけれど。
でもハッキリしているのは…お姉ちゃん達はまだ消えていない。


「ありがとうございます、リヒャルトさん。助かりました」

「構うな」

私はもう一度お礼をして彼らの家を出る。
後は青い天馬ブルーペガサスの所へ。
7年前に買ってもらった蝶のヘアピンを握り締めまた新しい発見がありますようにと足を前へと進めた。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.132 )
日時: 2015/04/06 23:20
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)

+++


妖精の尻尾ギルド。
随分とショボくれてしまったそのギルドに人は少なかった。
依頼掲示板に貼り付けられている仕事もそれほどない。

そんな時に突然の来訪者。


マグノリアを代表とする黄昏のトワイライトオウガだ。
主要メンバーがいなくなってしまった今、妖精の尻尾は弱小ギルドと言われるまで落ちてしまった。

「何しに来たんだ」

「今月分の金だよ」

借金の返済が遅れているからはやく払えと。
その請求に来たらしい。


「来月まで待ってくれや。ちゃんと払うからよォ」

現、マスターであるマカオがそう言うとリーダー各のティーボがマカオを蹴っ飛ばす。
黄昏の鬼は笑っていた。



「やめて下さいよ、ただいきがっているだけのギルドさん。」

出入り口から入って来たのは大きく成長し、緋色の髪を腰まで長く伸ばしたノエルの姿。
前髪には蝶のヘアピンが付けられていた。
手に持つのは大きなカバン。



+++

「何だとォ!?」

ティーボと呼ばれたその人は私の方へ向き直り私を蹴りあげようとする。
しかし咄嗟に彼の足を持ち上げ防いだのは霊体になったリキの姿。


『野蛮な奴だな』

魔力も上がり、私とリキの分離が成功したのだ。
リキ自身は魔力も高く、私が実体化させなくても現世のものに触れるようになっている。
皆にはリキの姿は見えていないけど。

「何だ、足が……いで!いでででで、や、やめろ!!」

リキが掴む力を強くする。

「…目的は“借金の返済”でしたね」

持って来た鞄を彼以外の人に投げ渡して中身を確認させる。
用意したのは今月分の借金量だ。
寮の家賃もあり一気に全額は払えそうにない。



「それでいいでしょう?それ以上望むものはないはずです。
仲間の暴行、ギルドの破壊を望むというならば私1人で全力で相手をしてあげますよ」

殺気を含め彼を睨みつけると怯えた顔をする。

「こいつ、“殺害の妖精”っスよ!」


「…っち、今日はこれくらいにしてやる。帰るぞ」

リキがその言葉を聞いてバッと掴んでいた手を離す。
黄昏の鬼は次々とギルドから出て行った。


「いつもすまねぇ…ノエル」

「気にしないで下さい、マカオさん。それよりも今日はとてもいい情報が手に入ったんですよ!」

私は笑う。彼を安心させるために。
そしてこれから伝える情報がいいものだと分からせるために。




「ヒビキさんやリヒャルトさんの力を借りてやっと判明出来たんです。
天郎島はまだ残っている」







「殺害の悪魔」から「殺害の妖精」に変わったのは仕樣。

Re: FAIARYTAIL「悪霊憑き」 ( No.133 )
日時: 2015/04/07 22:07
名前: 有栖 ◆n4kxWl0qaU (ID: oUY4LzoD)

最終問題「私って何?」


船を借りて天郎島があるであろう場所へと向かう。
すると前方に見えてきたのは人の影。
その影は何処かで見たことがある…。
彼女は海の上に立ち、手を上げていく。

“ゴゴゴ”と音がして現れたのは天郎島だ。

「シエル、あの人……」

『生身の人間…ではないな』

彼女は天郎島の奥へ、奥へと進んでゆく。
ついていくとそこには7年前と変わらないナツさんやルーシィさん達の姿。

「私の名はメイビス」



初代マスター…。
アクノロギアが咆哮を放つ時、メイビスさんは絆と信じ合う心の全てを魔力へと変換させた。
皆の想いが妖精三大魔法の1つ、妖精のフェアリースフィアを発動させたのだと彼女は言う。
この魔法はあらゆる悪からギルドを守る、絶対防御魔法…。

「ノエルさん。貴方にはとても寂しい想いをさせてしまった」

解除するのに7年もかかってしまった。
その中でも私は最初に妖精の球から吐き出されたようだ。
“悪霊憑き”の魔法を持つ私は悪霊ではない者の魔法を受け付けなかったのだろう。



「揺るぎない信念と強い絆は奇跡さえも味方につける。
よいギルドになりましたね。3代目」

メイビスさんは笑う。


それから皆で小さなギルドへと帰り飲んだり踊ったりと全員が騒いでいた。





「お姉ちゃん……ううん、もうエルザさん、かな?」

「! お前…ノエルか?」


喜びの涙を堪えて笑って頷いた。
7年前とまったく変わらない。


「大きく、なったな」

彼女も笑う。





「うん…おかえり!」







—最初こそ、安定しなかった私の心も今はもう安定している。
今はね、“私自身”のやりたい事とか全てハッキリしているんだ。
契約を解除し、成仏していった“友達”もいるけれど。

その寂しさを埋めてくれる“仲間”が今、私にはいます—