二次創作小説(紙ほか)

Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.199 )
日時: 2014/04/13 21:48
名前: 瑠璃& ◆eLkrjSIK9U (ID: V5dR7mxV)

第七話 >> 05

〜ケイside〜

「ケイ、だいじょうぶ〜?」

アスカに手を引かれ、山道を登る。
時折、人が訪れるのか獣道以外の道があった。
それに傾斜はさほど無い。
アスカなんか、息もまったく乱れてないし、飄々としてる。
でも僕は、息が乱れてる。

「えと……ちょっと、やすむ?」
「だ、い……ハァ、じょうぶ」
「いや、ぜんぜんだいじょうぶじゃないよ〜。ここ、すわろ」

アスカが見つけた少し開けた場所の石に腰掛ける。

「ごめんごめん、ちょっとはやあしだった? おとうさんのペースでなれてるから」

……そうだとしても情けない。
パソコンとか変な変装とかばっかりやってないで、体力も付けた方が良いな。

「これ、のむ? わたしがのんだやつだけど」

差し出された水筒は水玉の可愛らしいデザインで、女の子だなと思った。
アスカの分が減るし、悪いとは思ったけど、蓋を開けて口に流し込む。
スポーツ飲料の仄かな甘みが、口に広がる。
喉に流し込んで初めて、喉が乾いていた事に気づいた。
驚く程冷たい液体が喉を滑り落ちる。
一口、二口と飲んでアスカに返す。

「……ありがとう」
「たおれたら、こまるもん。さっ、いこっか?」

アスカが立って僕も立ち上がる。

「こっちのほうが、はやいとおもうよ」

少し茂みになってて、足元が見えにくい所をアスカは、棒で探りながら歩く。

「ヘビはいないみたいだよ〜」

……分かるけど、言わないで欲しい。
通った所をなるべく通りながら、歩く。
近くまで行き、手を伸ばされる。
手を取ろうとした、その瞬間ー
ぐらっと足を踏み外した。
踏みとどまろうとしたが、そんな力はなくー
よろけた先に地面は無かった。

「ケイ!?」

アスカが手を伸ばして来る。
僕らは2人揃ってー落ちた。