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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.259 )
- 日時: 2014/05/25 08:36
- 名前: 瑠璃& ◆eLkrjSIK9U (ID: a6RsoL4B)
第九話 >> 02
それは、少しだけお母さんが家に居ない事に泣き喚かなくなったけど、
以前として悲しさは残っていたし、
心の整理もまだ、きちんと出来てはいなかった時の事だった。
お父さんが久しぶりに、おじさんとケイに会うと言われた。
少し出掛けて、昼ご飯を一緒に食べる、と。
正直言って少し不安だった。
お葬式の時のあの、ケイの怒ったような目がまだ目に焼き付いていたし、
どんな反応をされるのか……
そんな事を考えて移動していると、電車の中で居眠りをしてしまった。
「おい、アスカ、アスカ」
「ふぁ? な〜に、おとうさん」
「何って……ほら、着いたぞ」
いつの間にか、目的地に着いたようだった。
私は眠い目をこすって、お父さんを追いかけた。
駅のホームを出ると、
「兄さん」
と、声がかかった。
おじさんだった。
前に見た時と変わってないように思えるけど、心無しかやつれている。
「おお! 遅くなって、悪かったな」
「いや、こっちが早く来ただけだから」
2人が話していると、ふとおじさんの後ろにいたケイに目が止まった。
こちらを見てくる目は、いつもと何も違わないように思えて、
ケイ! と、言っていつも通り駆け寄ろうとした次の瞬間ー
寝ぼけて忘れかけていた、一ヶ月前のケイの目を思い出した。
何も考えずに、駆け寄れば良い。
それで、久しぶり! とか、元気だった? とか。
いつもみたいに、話せば良いのだ。
でもー
2年間で私とケイの仲は、急速に成長していた。
会う機会は多かったとは言えない。
それでも、親達が驚く程に私達の仲は深まった。
あの時まではー
ケイがいつまでたっても、何も言わない私に疑問を覚えたようだった。
呼ぼうとしたのか、口が開く。
でも、私は……
すっと、視線を逸らしてしまったのだ。
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