二次創作小説(紙ほか)
- Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.296 )
- 日時: 2014/07/01 21:14
- 名前: 瑠璃& ◆nM8P74KkG2 (ID: a6RsoL4B)
第一話 >> 04
「ふわぁ……」
眠い〜。
宿題意味分かんないし〜。
大体、なにこれ!?
xの変域を求めよ? 何故に数学にアルハァベット?
分からん!
ぽいっとシャーペンを放り出し、机に突っ伏す。
おやすみなさ〜い……zzz
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ふと気がつくと、私はどこか広い所に居た。
どこかふわふわとしていて、変な感じ。
あれ? 私勉強してて……で、寝ちゃったんだっけ?
じゃあ、これって……夢?
「アスカ!」
その時、後ろから声をかけられる。
私はなんのためらいも無く、振り向く。
「ケイ!」
その時、気づいた。
ケイが今よりずっと、幼い事に。
それは、私も同じで、幼い姿になっていた。
多分、5.6歳かそんなくらいの。
とても懐かしい姿だったの。
私達がなんの疑いも無く、笑い合っていた頃の事。
「アスカ?」
そのまま動かない私に訝しむように、ケイが見てくる。
「……なんでもない!」
ごめんね、と駆け寄る。
すっと小さな手が伸ばされ、懐かしさが溢れる。
忘れてた。私達はこんな風に、いつだって手を繋いでた。
なのに、伸ばした手はすっと空を切った。
「……ケイ?」
気がつくと、今度はいつも通りのケイだった。
そして、ケイは何も言わずに向きを変えて歩き出した。
「ケ、ケイ!?」
どこいくの!?
夢という事も忘れ、私は追いかけようとした。
なのに、足は全く動かなくて、
ケイ! ケイ! ケイ!
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「ケイ!」
叫ぶように言うと、夢が覚めた様だった。
そして、何故かいつの間にか、ケイの顔が目の前にあった。
「アスカ?」
そう呼ぶ声は、いつもよりも優しく温かい気がした。