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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.324 )
- 日時: 2014/08/27 19:36
- 名前: 瑠璃& ◆nM8P74KkG2 (ID: a6RsoL4B)
第四話 >> 03
〜ケイside〜
久しぶりのおじさん達との食事会だった。
別に興味なんて無に等しかったし、楽しみとかはなかった。
父さんは喜んでるみたいだったけど。
いつもの事だ。
論文の仕上げは後回しだな、
と考えながら、父さんと2人でレストランへ向かった。
父さんはいつも通り、なんだかんだと話しかけてくるけど、
興味の欠片も無かった僕は、特に返事もせずにいた。
でも、
「アスカちゃんは元気かな」
父さんの独り言のような一言に、僕は不思議と少しだけ反応した。
意図してじゃない。
ただ、
「アスカ、か」
父さんには聞こえない程度の声で呟いた。
ここ数年間、人の名前を呼ぶどころか、父さんを呼びかける事もなかったのに、
自然に口をついた。
アスカは僕の事なんて、気にしてもいない。
もう思い出さないとー
存在自体気にしないとー
決めたはずだったのに。
意図も簡単に心を動かされた。
……これから会ったって、
言葉を交わすことなんて無く、
目を合わせることも無く、
僕から声を掛ける勇気も無い。
なのに、
もしかしたら、
なんて、
考える自分が馬鹿馬鹿しい。
肩を竦めながら、
そんな考えを中断する。
思考に没頭し、
外界からの反応をシャットダウンした……
はずだった。
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