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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.342 )
- 日時: 2014/12/03 15:32
- 名前: 瑠璃& ◆nM8P74KkG2 (ID: IjQjsni6)
第五話 >> 02
〜ケイside〜
「ケイ」
ふと、名前を呼ばれる。
「……何?」
聞き返してみたけど、
「……なんでもない」
ちょっとだけ笑ったようにアスカは言った。
……懐かしい。
昔もよく、こんな事をしていた。
何度も何度も僕の名を呼んでは、
『なんでもない』と笑うのだ。
それは、僕がそこに居るのを確認するようで、
アスカが会うたびにする、儀式の様なものだった。
たまに意地悪して、応えてあげなくて。
あんまり焦らすと、泣き出してしまうから、注意して。
応えてあげると、花の様に笑うアスカがどうにも愛おしくて。
あの頃が懐かしい、なんて。
柄にも無く、考えてしまう。
だからだろうか?
「アスカ」
不意に呼んでしまう。
僕から、アスカの名を呼ぶなんて、何年振りだろうか。
アスカも少し驚いた様だったけど、
「何?」
と、昔と変わらぬ、笑顔だった。
何か考えて呼んだわけじゃなかったから、少しだけ戸惑って。
「……髪」
そう一言だけ言った。
「へ?」
髪が気になってたのは、本当の事で。
今日会った時から、ふと目に付いた。
前髪が編み込んであるみたいで、小さな花のピンで留めてあった。
いつもはそんな事してなかった。
はずだ。さっき頭で今までの事を思い返したから。
……ただ、最近会ってなかったから、本当はこうなのかも知れないけど。
そうだったら……少し嫌、だな。
何故かと訊かれたら、困るけど。
こうやって学校行って、他の人とかに見せてるっていうのが、
なんとなく……嫌だ。
自分でも、変な事言ってるのは、分かるんだけど。
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