二次創作小説(紙ほか)

Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.360 )
日時: 2015/02/25 22:19
名前: 瑠璃 (ID: m9NLROFC)

第六話 >> 01

一通り思い出して、ふぅっと息を吐く。
お互いが口を開こうとしなかった。
でも、嫌な感じじゃなくて、
もっと、こう……安心する様な。
そんな、心地よい沈黙。

私はどっちかって言うと、黙ってるのは、苦手。
実咲達といる時だって、滅多な事でもない限りは、話してると思う。
でも、こういうのでも、安心できるって事はー

「……家族」
「え?」

ふと、口にしていたみたい。

「家族に、なれてるのかなーって」
「?」
「私と、ケイが。四月の頃より」
「……まあ」
「いきなりだったもんねー」

それまで2人で暮らしてたのに、ポーンと倍になっちゃったんだもんね。
最初の頃は、同じ部屋なのも文句言ってたっけ。

「家族、ね」
「? 家族でしょ? 私もケイも。お父さんもおじさんも」
「……そうかもね」

そうなんだって。

「私さ……あの時ね、」

急に言ったにも関わらず、ケイはこくんと頷いてくれた。

「次にケイに会えるの……楽しみだったよ」
「……」
「ケイは、どう思ってたか分かんないけど。話せて嬉しかったよ。勝手だけど」

まあ、こんな風に話せるようになるとは、思ってなかったけど。

「……ケイは?」
「……四月に、」

ケイが言いかけて、口を閉じる。

「……やっぱり、良い」
「えー? 気になるって」
「……今度ね」

もう! 秘密主義なんだから!
でも……そっぽ向いたケイの顔が、ちょっとだけ、赤い気がするから、
今は聞かないで、あげよっかなって思う。
今度がまた、楽しみになるから。