二次創作小説(紙ほか)
- Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.379 )
- 日時: 2015/04/21 21:59
- 名前: 瑠璃& ◆eLkrjSIK9U (ID: IjQjsni6)
第三章 〜幼き頃とこれから〜
第一話 >> 01
ジュージューとキッチンから聞こえてくる。
香ばしい匂いも一緒に。お父さんが作ってる朝ごはん。
んーと、今日はなんだろ? スクランブルエッグ?
「出来たぞー」
お父さんが持ってきてくれたのは、私の想像通りのスクランブルエッグ!
んー、今日も美味しそう!
「いっただきま〜す!」
早速私は箸で食べ始める。
「アスカ。ケイくんは?」
「……え、知らなーい。昨日も遅かったみたいだし。いつもの事でしょー」
まだ起きてこないケイの事をお父さんが言う。
私はちょっとだけ動揺したのを誤魔化すように、スープに口をつける。
ケイとあんな風に話してから、もう1週間になる。
いや、別に何かあったって訳じゃないし……
あの後、おじさん帰って来ちゃったから、ケイとその事で話したりもしてない。
いつも通り……に、出来てると思うんだけど。
私が変に意識しちゃってるだけで、ケイはいつも通り……なはずだし。
「良いのか? ケイくん、まだ捻挫治ってないんだろ?」
「え? あ、うん。だいぶ良くなったみたいだし。家では肩貸さなくても大丈夫じゃない?」
学校でもほとんど1人だし。
登下校にちょっと貸してるくらいかな。
「まあ、良くなってるならいいんだが……にしてもなぁ」
「? なに?」
「ケイくんが少しとは言え、レッドの格好するとわな。圭一郎も驚いてたぞ」
もしかして、ダメだったりした?
お父さん達の時、2人でした事はないとか?
「いや、2人のレッドだからな。ダメってことはない。だけどな……」
「なに?」
はっきりしてってば。
私は止まっていた箸を動かしてスクランブルエッグを口に入れる。
「ケイくんはアスカと2人で何かをってあんまりしたくないのかと思ってたんだよ。俺達はな」
「どういう意味?」
レッドは二人でやってるじゃん。
まあ、担当が違うし、厳密には違うかもだけど。
「……アスカには敵わないって言ったんだよ。ケイくんが」
「へ?」
ケイが? 私に? 敵わない?
「ケイくんは負けず嫌いだったからなぁ。俺達は、同じ事をしたくないってことかと思ったけど……」
違ったのかもなぁ、なんて。
お父さんが苦笑いしながら言う。
「ねえ、それってなんで? 私の何に対して?」
「ん? あぁ……それは、」
お父さんが口を開いた時、
「おじさん」
背後からケイの声がした。