二次創作小説(紙ほか)

Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.415 )
日時: 2015/08/19 11:05
名前: 瑠璃& ◆nM8P74KkG2 (ID: a0p/ia.h)

第二話 >> 02

「うわぁ、全然止んでない」

放課後。
雨が止んでる事を、ほんのちょっと期待して玄関まで下りたとこ。
まあ、期待はあっさり打ち破られたんだけど……

「えーと、ケイ1人で傘持つって訳にはいかないよね……」

「……別に。支えてもらわなくても平気だから」

アスカも1人で傘使いなよ。
って言われて、ちょっとむっとする。
いや、絶対無理でしょ。
コケて悪化したりしたら、どーする訳?

「別々の傘だったら、ぱっと手出せないじゃん。私の傘小さくないし、入りなよ」

傘をパッと広げてから、くいくいとケイの制服を引っ張る。
一瞬嫌そうな顔をしてたけど、反論しても無駄って分かったのか、何にも言わなかった。
そうそう。どうせ嫌って言っても聞かないし。

いつも通り、肩を貸して同じ傘に入ったんだけど……
そこで気付いた。

これって、結構近くない?
いや、何がって距離が……

「……何?」

一向に進まない私を訝しんで、ケイに言われる。
ごめん、と謝って歩く。

いや、別に気にするほどじゃないじゃん。
確かにちょっといつもよりは近いかなーって感じはするけど、これは仕方ない事って言うか……

ん?ちょっと待てよ?
一つの傘に二人……
なんか何処かでよく見るシチュエーションじゃない?
……確か、えっと、少女漫画、とか?

「……って、別にそんなんしゃないし!」
「……? 何が?」

いきなり声を出した私にうろんげな眼を向けられる。
うう、ごめんって。

ただ、ちょっと近いなあって思っただけだし。
いや、別に嫌って訳でなくてね。
意識しちゃうと、ケイに掴まれてる肩とか、そういうのがなんか、恥ずかしいっていうか、なんというか。

「……何? 傘持とうか?」
「……ケイが外側で持ったら、私びしょ濡れになっちゃうんですけど〜」

ちょっと調子を取り戻して、いつも通り返せた。
その時、ざぁっと雨がちょっとだけ激しさを増した。

「うわー、全然止みそうにないし」
「夜中まで降るらしいからね」

止むはずないよ、と言われてしまう。
わかってるって。

「雷はも夜……だよね?」

思わず確認してしまう。

「……やっぱり、大丈夫じゃないんじゃない?」
「っ!……それ、さっきも言ってたけど意味わかんないし!」
「……逆になんでそこまで隠すのかがわかんない」

しれりと決定事項のように言われる。
だーかーら、違うんだって!

「……別に僕に隠したって意味ないと思うんだけど」

呟くように、でも近いから私にはもちろん聞こえて、
思わずちょっと頬が熱くなる。
本当、ケイって意味わかんない。
……一番わかんないのは、今の私だけど!