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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 怪盗レッド〜幼き頃の私達〜 ( No.63 )
- 日時: 2014/01/17 22:52
- 名前: 瑠璃 (ID: V5dR7mxV)
第二話 >> 06
〜ケイside〜
「じゃあ、終わったら呼んで」
なんとも思ってないように言い、僕は部屋を出る。
「……はあ」
思わずため息をつき、トンと壁にもたれる。
……何してるんだ、僕は。
アスカの髪なんか、ほどいて……
「っ!」
カァァッと顔が熱くなるのを感じる。
アスカの慌てた顔と、少しだけ触れた柔らかな髪をー
思い出したから。
……本当、何やってるんだろ。
アスカを困らせるだけなのに……
あんな事、もう絶対しないようにしないと……
「でも……」
さっきのは、衝動だったんだよな。
変な事言ったし……
「アスカはアスカだろ」とか。
……昔言ったから、出て来たのか?
ともかく、アスカを困らせる事はもうしない。
もうとっくに決めてあったはずなのに……
ぎゅっと、唇を噛みしめる。
その時、ギィッと音をたてて、ドアが開く。
「……終わったけど。ケイも着替えるよね?」
頷き、部屋に入ろうとしてアスカに呼び止められる。
「ねえ……何か、さっきから変だけど……」
……気づかれたか?
「熱でもあるの?」
覗き込むように言われる。
「ないよ。……違う意味では、あるかもだけど」
心底キョトンとしたような顔をアスカがする。
思わずくすりと笑う。
顔には出さないけど。
部屋に入ろうとして、もう一度アスカを見る。
いつもはくくっている髪が、僕がほどいた時と同じように、肩にかかっている。
それが珍しくてー
もう少し見ていたいという想いを消して、部屋に入り、後ろ手でパタンとドアを閉めた。
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