二次創作小説(紙ほか)
- 第三十四話:能力 ( No.102 )
- 日時: 2014/01/10 01:45
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
「ハッピーエンド・チルドレンが、本部に到着した。」
男は、一度咳払いをする。オペラが言った。
「ハッピーエンド・チルドレン。超能力を持った子供だけで編成された4人の部隊で、我々よりも地位は高い・・・・・・でしたね。」
「そう。」
クロームが頷いた。オペラは続ける。
「特別な能力を持った、4人の子供。人はそれをキセキの世代と呼んだ-----------------。」
「いや、呼んでないし。」
クロームが間髪居れずに突っ込む。
「そして、奇妙なうわさがあった。試合のデータにも記録されていない、幻の5人目(ファイブマン)が------------------。」
「いない。」
明らかなパクリに、クロームはハリセンでオペラの後頭部を殴った。
「おい、まさか--------------」と青筋立てたバーミリオンが切り出す。いや、本当に斬りかからんとの勢いだが。「まさか、そんなことを報告するためだけに呼び出したのか!」語気がどんどん強くなる。チャキッと金属音がしたと思うと、既に刀は抜かれていた。スッと軍服の男の前に、刀を突き立てた。周りがどよめく。唯一、オペラだけが動じていなかった。(鼻血は出ていたが。)
「貴様は私を舐めて居るのか!!好い加減にしろ、幾ら貴様といえども、限度がある!!そんなことは連絡機器で連絡すればよかろうが!!」
バーミリオンにとって、一番気に食わなかったのが嫌な女と毎度毎度こんな報告のために会わなければならないということだが。
「それだけか?」
男は言い放つ。刀に対し、全く物怖じしていないことが分かる。刀を軍手を嵌めた手で握った。手の平から、血が流れるも、全く彼は動じない。
「言いたいことは、それだけかと言っているのだッ!!」
直後、刀が砕けた。あろうことか、金属製の刀を手で握り砕いてしまったのである。流石のバーミリオンも怯んだ。
「それが序列一位であるこの我輩に対する態度か、今一度改めて来い。」
ものすごい気迫だった。バーミリオンも、その場に膝拙く。
「・・・・・・首領(うえ)からの命令だ。それに、七炎魔同士の親睦会もかねてな。」
「よく言いますね。」ノートパソコンを小脇に抱えた先ほどの少年が、呆れたように口を開く。
「僕達の中が悪いのは、貴方が一番知っていることでしょう?それに、上にも口出しが出来る数少ない人物なんですし。」
「果たしてどうでしょう?」
オペラはすぐさま、彼の意見を否定して見せた。
「『炎魔導士(アストー・ウィザード)』くん、君は少し勘違いをしている。確かに君の言うとおり、作戦において七炎魔将各々の相性は重要。むしろ、全員が仲良しの方がベストというわけです。」
「が-----------、」オペラの言葉はいつも何かを含んでいるように聞こえた。
「実際はそうは行きません。人間、相性というものがあります故。たとえば、サ○デー派とジャ○プ派のようにね。」
「おいアンタ好い加減にしろ。ていうかアンタ、どっち派なんですか。」
「故に人間、合う合わないがあるわけですよ。コミックの派閥でも色々あるようにね。」
「それさっき言いましたよね?」
「流石、『炎魔導士(アストー・ウィザード)』くん。的確な突込みだ。それで、もう少し女の子らしくすれば良いのに・・・・・・。故に今度、”美少女戦士プリティー・マスク”の衣装を着せてあげましょうか?」
「ゴスロリなんか、死んでもお断りですよ!」
「そうですか、残念。私的には、僕っ娘・ですます口調は大好物なんですがね。まぁいいでしょう。それに、現実的な意見から言えば同時に複数の場所へ部隊を派遣したい際、七炎魔将(アタマ)も何人かのグループに分けて現地に派遣せねばなりません。それに備え、こういう場で各人の合う・合わないを把握しておくというのが、最大の目的なんですよ。」
オペラは淡々と続けた。『炎魔導士(アストー・ウィザード)』を名乗る少年------------否、少女の「その変体質さえ無ければ説得力あるんですがね。」という毒舌を無視して続けた。
「例えば、『炎魔王邪(タルウィ)』様。今から挙げる例で言うと・・・・・・。」
オペラは軍服の男に向き直った。
「私と『炎魔虚偽(ドゥルジ・ナス)』や、『炎魔恐慌(アンラ・マンユ)』と『炎魔導士(アストー・ウィザード)』のようにね。」
「そのとおりだ。相変わらず、飲み込みが早いな。さて、本題に戻ろう。ハッピーエンド・チルドレン4人のうち、2人が他地方での任務を終えて帰ってきたとのことだった。さて、もう1つは、貴様らを呼び寄せた最大の理由。そもそも、今回の集いは君が仕組んだものだろう?『炎魔龍王(アジ・ダハーカ)』。」
「はい。仰せのとおり。」と、オペラが進み出た。女2名の殺気を無視し、プロジェクタをパソコンにつなぐ。白い壁一面に画像が映し出された。遺跡の壁画のようだった。
「これを見て下さい。ある遺跡で発見されたものですが、ポケモンの姿が描かれてますね?鹿のようなポケモンと鳥のようなポケモンの。この地方には”ある伝説”が伝わっているのはご存知ですね。その伝説に登場する2つのチカラ。」
「命と破壊・・・・・・。」
「流石、バーミリオンさん。さて、続けましょう。その2つのチカラを持ったポケモンがそれぞれ居ました。そして。どうせ知っていると思いますし、経緯は長いので割愛しますが、眠りに着いたわけです。その際、未来に自分のことを伝えるため、自分の力を遺すため、2人の人間に自身の力を託しました。それが------------------」
オペラは一呼吸置いた。
「------------------能力、”命と破壊の遺産”です。」
後書き:今回、フレア団回でした。ストーリー自体は全く進んでいないという、安定のぐだぐだ。まぁ、それは置いておいて、命と破壊の遺産、タイトルにも出ているとおり、重要な”能力”なんですね。さて次回、ようやく主人公サイド再開です。そろそろショウヨウシティに行きたいところですね。それでは、また。