二次創作小説(紙ほか)

第三話:レッツ・バトル! ( No.11 )
日時: 2013/11/09 18:37
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: wJNgr93.)

「っじゃあ、いっくよー!ゴー、フォッコ!」

 サナはモンスターボールを投げた。ボールが開き、光と共に、狐のようなポケモンが現れる。さっき、カルムが選ばなかったポケモンのうちの1体だ。

「なんだコイツ・・・・・・?そうだ、ポケモン図鑑を使えば良いのか。」

 素早く、カルムは図鑑を起動した。目の前のフォッコに反応し、ガイダンスが現れる。それを目で読み上げると、カルムは呟いた。

「きつねポケモン、フォッコか・・・・・・!そして、炎タイプということは、水タイプのこいつには、有利!」
「どうかな?相性だけがバトルじゃないから!」

 自信満々の表情。一方のカルムも、自身では負けてはいられなかった。

「ケロマツ!僕達の初陣、ばっちり白星で決めてやろうぜ!」

 足下のケロマツに呼びかける。忠義は厚いのか、ケロマツはうなずくとすぐに戦闘態勢に入った。

「じゃあ、こっちから行くよ。えーっと、ケロマツが使えるのは・・・・・・よし、ケロマツ!先手必勝のはたく!」

 急接近し、ケロマツはフォッコの横面をはたいた。もう一撃を繰り出そうとする。しかし、

「避けて、火の粉!」

 フォッコは素早く避け、二発目を無効化し、さらにケロマツへダメージを与える。しかし、あまり効いていないらしい。

「あ、あれれ!?や、やっぱり効果は薄いよね・・・・・・。」

 タイプ相性。ポケモン同士のバトルに於いて、重要となる要素。たとえば、炎タイプは草タイプに相性が良い物の、水タイプに不利。一方の水タイプは、草タイプには弱気になってしまう。実際には、他のタイプやタイプ複合などによって、ジャンケンよりも、さらに複雑な相性となっているのだ。

「ケロマツ、泡攻撃だ!」
「フォッコ、よけて!」
 
 続けて繰り出される技を、ひょいひょいと軽々避けるフォッコ。身のこなしには、光るものがある。

「くそっ、当たらなければどうということはない・・・・・・か。」
「そろそろ決めるよ!ひっかく!」

 フォッコの爪がケロマツをひっかいた。悲鳴を上げて、顔を押さえるケロマツ。しかし、ここで終わるほど、ヤワではない。そこで、カルムは閃いた。ケロマツの動きを最大限に生かして戦法を。

「ケロマツ、できる限り泡を全方位にはき出せ!!」

 一気に力をため、自分の周りに泡をはき出すケロマツ。これでゃ、ケロマツの姿は分からない。しかし、単に姿が見えないだけで、どこにいるかは一目瞭然だ。しかし、泡が邪魔で、フォッコは近づくことができない。

「これじゃあ、近接攻撃も通用しない・・・・・・考えましたね!」

 観戦していたトロバは、思わず唸る。

「うぅ・・・・・・フォッコ!イチかバチかで、突っ込んで!!」

 ならば、突っ込んで突破するまで。泡の固まりへ、突入した。しかし、直後。フォッコは泡の固まりを突き抜ける。つまり--------------ケロマツが中にいないことになる。

「掛かったな!ケロマツ!上空からのとどめの泡攻撃!」

 上空!?とっさに上を見上げる。そこには、ケロマツの姿。

「泡で守っていると見せかけて、おとりだったの!?」
「今頃気づいても、もう遅いよ!」

 上空からの集中砲火。もとから、耐久の高くないフォッコは、連続でこれを喰らい--------------その場に崩れ落ちた。

「勝負あったね。」

 カルムはふぅ、とため息を漏らす。相性こそ良かったが、なかなかの強敵だった。





「いやぁ、なかなか良いバトルだったよ。」

 ティエルノはにこにこと笑いながら言う。トロバも続けた。

「2人とも、素質はあると思いますよ。もっとも、僕はバトル専門じゃないので、よく分かりませんけど。」
「そうだ!カルム、博士から手紙を預かってるんだ。」

 カルムは、ティエルノから一枚の手紙を渡された。ピンク色のレターだ。

「じゃあ、お母さんによろしくねぇ!行くよ、トロバっち!」
「ああ!待ってください!」

 ティエルノとトロバは、町の向こうへ、去っていく。

「それじゃあ、あたしも行くね!お先に!」

 サナも、追うように駆けていった。

「それじゃあ、私も。そうそう、これも貰って良いのかしら?」

 セレナは、最後のモンスターボールを手に取った。中には、いがぐりポケモンのハリマロンが入っている。

「それじゃあ、またね!”お隣さん”!」
「おい、ちょっと待て!」

 カルムが言い終わらないうちに、セレナもみんなの後を追っていった。そして、ショックだったのは

「何で、名前で呼ばないんだ・・・・・・。」

 あだ名以前に、付いたのが”お隣さん”である。

「僕、何かしたかな・・・・・・。」




「ただいま。」
「あら、お帰り。遅かったわね。お隣さんと、何かしてたの?」
「別に変なことはしてないから。」

 意味深に聞く母親。すると、カルムの手に握られているモンスターボールを見つける。

「あら、モンスターボール!ポケモンを貰ったの?」
「ん?ああ、そうだけど。それと、これ。母さんに手紙だってさ。」

 カルムは、手紙を母親に手渡す。

「何々?差出人はプラターヌ?ラブレターかしら。」
「怖い冗談ヤメテ!」

 カルムの声を聞かず、母親は読み上げる。

「あら、美しい字・・・・・・ん、何々・・・・・・お願い?なるほどねー!」

 手紙をたたむと、母は言った。

「カルム!引っ越して早々、色々あるわね!とりあえず、ケロマツ、ニャスパー、そして貴方の旅の準備をしないと!」
「は?旅!?」



 バッグに荷物を詰めながら、母は言った。

「ほら、カルム!着替えも用意したわ!それにしても、激しい展開ね!サイホーンレースでいうなら」
「ストップ。サイホーンレースで例えるの止めてよ。」
「お友達ができた!新しいポケモンはゲットした!そして、カロス一週だもんね!」

 今、カロス一週とか、訳の分からない言葉が飛び出たような気がするが、流した。

「プラターヌ博士は、貴方に依頼してきたのよ!ここ、カロスを一週してポケモン図鑑を完成させてくれって!」
「はい?」

 カルムは、頭の中で何を言われたのか繰り返した。そして、2秒後。

「ええええええええええええええ!?」

 本日5度目の絶叫を上げたのであった。


後書き:これって、結局何を書けば良いんですかね。後書き。とりあえず、今回は初バトルでした。次回から、ハクダンの森に入っていきます。お楽しみに。にしても、久しくポケモンの小説を書いていなかったから、書きにくい・・・・・・。