二次創作小説(紙ほか)

第十二話:レッツマルチバトル ( No.50 )
日時: 2013/11/24 17:09
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「ひゅー、何とか片付いたな。」

 テイルは、額の汗を拭った。「さてと、」とテイルは切り出した。

「お前にとりあえず、渡しておきたいモンがあってな。曲がりなりにも、協力してくれたお礼だ。」

 そう言って、何かをほうった。それは、琥珀だった。中には、小さな虫のようなものが入っている。

「秘密の琥珀。復元すれば・・・・・・まぁ、お楽しみだ。」

 へっ?と、何のことか分からないという様子のカルムだった。そして、小さな石も同時に渡される。

「あと、これも。研究中の石でな。まぁ、使ってくれや。」
「使い道、分かんないんすけど・・・・・・。」
「いずれわかる!」

 テイルの言葉が理解できないまま、カルムは受け取った。一体、なんの石なのか。何かの紋様が入っている。

「んじゃ、折角だし。ミアレシティのプラターヌ研究所まで、案内するぜ。」
「えっ!?良いんですか!?」
「みあれは、大きい街だから、多分迷うとおもうよ?」

 ここは、お言葉に甘えるしかないだろう。

「じゃあ、お願いします。」

 と、こうなった。




 しかし、大きい街だ。すぐに、迷いそうになってしまう。大都市、ミアレシティ。大きなビルが立ち並び、街の中心にはプリズムタワーと呼ばれる塔が建っている。
 テイルとマロンに連れてこられ、やってきたのは大きな豪邸のような建物。中は、外見とは裏腹に、結構現代的で綺麗な建物だった。

「ここが、プラターヌポケモン研究所だ。3階建てで、結構でかいぜ。」
「わ、わかりますよこんなに大きかったら・・・・・・。」
「はかせは、3階でお待ちかねだよ!早く行こーよ!」

 マロンに引っ張られながら、エレベーターで3階へ向かう。




「博士。連れてきたっすよ。」

 3階にある、奥の部屋。そこには、無精ひげを生やした、若い男が白衣を着て椅子で居眠りしていた。彼が、テイルの言う、プラターヌ博士だ。博士は、飛び起きると、カルムの前に立った。

「アサメタウンから、遠路ご苦労だったね!」

 彼はそう言うと、続けた。

「改めて、自己紹介しよう。僕がプラターヌ。ここ、カロス地方でポケモンの進化について、研究しているんだ。さて、カルム君だったね。」
「は、はい!」

 名前を呼ばれ、体を固くするカルム。博士は微笑み、

「まあ、リラックスして。さて、君からはとにかく、キラメキを感じる。とにかく、いい感じだ。」

 「さて。」と、博士は切り出した。

「なぜ、僕が君に図鑑を託したか、それを説明しなければならないね。」
「はぁ。」
「僕は、適合者を1つの街から1人づつ探していった。そして!アサメタウンからは、ベテラントレーナーの1人娘、セレナ君。有名なサイホーンレーサーの1人息子である君を選んだ。君はこの地方に来たばかりで、この地方のことを知らない。だからこそ、君を選んだんだ。」

 成る程、とカルムはなぜ自分が選ばれたのかはわかった。しかし、彼にはもう1つ疑問があった。

「最近、この地方で異常なポケモンの大量発生が起こっている、と聞きました。現に、さっきも。レディバの群れが大量発生し、4番道路の花畑は壊滅的な被害を被りました。」

 プラターヌは、「よくぞ聞いてくれた!」と返した。

「こればかりは、あまり良い話ではないんだけど、この大地は2つの力が調和し合って構成されている。螺旋状に、バランスよくね。その力は、命と破壊。この両方が合わさって、初めて大地を形成する”秩序”が生まれる。」

 「しかし---------------」と彼は続けた。

「命の力、破壊の力。両方が暴れ始めている。不規則なリズムで、常にどちらかが偏っている状態だ。最近では、ポケモンの大量発生だけではなく、異常気象に海抜上昇も起こっている。」

 つまり、この世のバランスが乱れ始めている。と、博士は言った。

「アンバランスなパワーは、大地に負担を与え続け、いずれ----------------------------大地は崩壊する。」
「なっ・・・・・・!」

「わかったか、カルム。この地方は、現在。異常事態なんだ。」

 テイルは重く告げた。

「だから、僕は君に託した。ポケモン図鑑を。僕も、できる限り協力したい。この地方を知ることで、解決方法は見えてくるんじゃないかな?」

 自分に出来るだろうか。そんなことが。しかし、この言葉を言わなければ始まらない気がした。

「僕、やってみます!」

 心の中で、何かが吹っ切れた。

「よし。よく言ったね!んじゃあ、君にはポケモンバトルをしてもらう。僕の読みでは----------------------------」

「すいみませーん!遅れました!」

 声が聞こえた。それは、セレナだった。後から、サナも続く。

「ふぇえ〜!はかせぇー!連れてきました!」

 マロンもやってきた。そして、段差につまずいてこけた。しかし、すぐに起き上がる。

「んじゃあ、4人でバトルしてもらおう!」

 いきなり、脈絡もなしに言う博士。つまり、2対2のマルチバトルをしろとのことだろう。

「は、博士・・・・・・いきなりすぎませんか?それに、4人ってここにはトレーナーは、僕とセレナ、そしてサナしかいませんよ?」
「マロン君がいるじゃないか。」
「ふぇ!?私も頭数に入ってるんですか〜!?」

 戸惑う者約2名。

「私は、いつでも構いませんけど?」
「さんせーい!」

 乗り気な者約2名。

「というわけで、外に行こうか。僕は、君たちの実力が見たいんだ。」



 4人は、大きな庭園に案内された。広大なバトルフィールドとなる。

「組み合わせは、私とサナ。そして、お隣さんとマロンさん。」
「へっ、組み合わせは良い。だけど、このバトルで僕のタッグが勝ったら、僕のことをお隣さんって呼ぶの、止めてくんない?」

 苛立ちながら返すカルム。とにかく、余所余所しさが拭えなかった。自分は、彼女とは仲良くなりたい。なのに、彼女は距離を置こうとする。そう思えてしまう。

 突如始まった、マルチバトル。これが、後に思わぬ方向に進むなど、誰も予測していなかったのだった。



後書き:はい、ミアレシティに到着しました。今回、カルムが秘密の琥珀を手に入れたり、突如2対2のバトルになったり・・・・・・。要するに、博士とのバトルの代わりなんですね。これは、ゲームで博士の手持ちが3体だからというのがあります。本当なら、3匹揃ってから戦わせたかったんですが、ストーリーの都合上、止むを得ずにカットしました。それでは、次回はマルチバトルです。お楽しみに。

・・・・・・今更、マロンの名前が例のイガグリとかぶっていることに気づいた作者である。