二次創作小説(紙ほか)

第十三話:VSセレナ&サナ ( No.51 )
日時: 2013/11/30 15:24
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「行け、ケロマツ!」
「行くです、オオタチ!」

 カルムと、マロンは、ポケモンを繰り出した。オオタチは、胴長ポケモン。細長い体を持つ、イタチのようなポケモンで、ノーマルタイプだ。

「頼んだわ、ハリボーグ!」
「ゴー、エネコ!」

 一方のセレナはハリボーグ。ハリマロンが進化した姿だ。巨大な体格の持ち主。そして、サナは子猫ポケモンのエネコを繰り出す。

「おいおい・・・・・・!もう進化させたのか!?」
「進化したポケモンと、していないポケモンじゃ、差は一目瞭然。まして、相性も完璧にコッチが有利なんだから、お隣さんのケロマツは、まず勝てないわね。」

 得意げに言うセレナ。確かに、彼女の言うとおりだ。しかし、ここで引き下がるカルムではない。

「僕達が勝つ!ケロマツ、水の波動!」

 ケロマツは、飛び上がって水流を手に引き寄せてハリボーグへ投げつけた。しかし、

「ハリボーグ、草の誓い!」

 次の瞬間、草木が地面から飛び出して、ケロマツへ絡みついた。

「なっ・・・・・・!」
「オオタチ、ケロマツを援護するです!ハリボーグへ、噛みつく!」

 カルムが驚いている間に、マロンは的確な指示でオオタチをハリボーグへ攻撃させた。いきなり死角から噛みつかれたハリボーグは、ふらつく。しかし、こちらが2体ということは、必然的に相手も2体。つまり-------------------相手も自分の味方をサポートしてもおかしくないのである。

「エネコ、猫の手!」

 エネコは、鳴きながら前足を突き出した。次の瞬間、オオタチの体の周りには、炎がまとわりつく。

「ほっ、炎の渦・・・・・・!?」

 思わず、カルムは声を上げた。猫の手は、味方の技をランダムで繰り出す技だ。しかし、カルムもただ怯んでいるわけではなかった。ケロマツが解放されたのを見計らい、

「ケロマツ、エネコへ電光石火!」

 指示を出す。ケロマツは、目に見えないほどのスピードで、エネコに突進した。エネコは、そのまま吹っ飛ばされる。

「やばっ・・・・・・!」

(あの、誓いの技・・・・・・!ハリボーグにできたんだ、ケロマツにできないはずはない!)

 イチかバチか、賭けることにした。

「ケロマツ、ハリボーグのマネをしろ!水の誓い!」

 今度は、ケロマツが地面へ前足を付いた。次の瞬間、間欠泉が勢いよく吹き出して、エネコへ襲いかかる。見よう見まねではあったが、見事に成功したのだ。

「う、うっそ!!エネコ、お返しよ!体当たり!」

 エネコは、吹き上げられるも、上空からケロマツへ飛びかかる。しかし、それを素早く見切ったケロマツは、攻撃の構えを取る。

「電光石火!!」

 そして、一気に突っ込んだ。エネコは、その場に崩れ落ちた。




 一方、マロンのオオタチは、ハリボーグと激戦を交えていた。

「はわわ・・・・・・!オオタチ、穴を掘ってください!」
「ハリボーグ、転がる!」

 ハリボーグは、ボーリングの球の如く転がっていき、オオタチへ突っ込んだ。しかし、直前で地面の下へ逃げられてしまう。

「なら・・・・・・草の誓い!!」

 直後、地面が盛り上がってオオタチと共に、草木が伸びた。突き上げられたオオタチは、身動きがとれなくなる。

「そのまま、ニードルアーム!!」
「と、とんぼ返りですぅ〜!!」

 ハリボーグが今にもとどめの一撃を決めんとの勢いで、殴りかかるもオオタチは超スピードでハリボーグに突進し、そのままボールの中へ帰ってしまった。

「な、何が起こったの!?」
「とんぼ返りは、攻撃した後に交代できる技です〜!行くです、バオッキー!!」

 現れたのは、猿の容姿をした火の粉ポケモン、バオッキーだ。

「セレナ〜!サナのエネコ、やられちゃったよ〜!」

 確かに、セレナにとっては嬉しくない展開だ。こちらは1体やられている。が、相手はまだ計4体。しかも、とんぼ返りによって出てきたのは、相性の悪いバオッキーだった。 

「じゃあ、サナ。あの技を試すわよ。」
「も、もしかして!?わ、分かったよ・・・・・・ゴー、フォッコ!」

 サナは2番手にフォッコを繰り出した。

「へっ、ケロマツとは相性悪いだろ!こっちには、さっきハリボーグの技を参考にして覚えた、水の誓いがあるんだ!僕達のコンビネーションで、とっとと勝つぞ!」
「甘いわね、お隣さん。お汁粉にミツハニーの蜜ぶっかけたくらい、甘いわ。ハリボーグ、草の誓い!」

 さっきと全く同じ----------------------ではなかった。ハリボーグは何かを待つかのように、その場でじっとしたままだ。

「何だ・・・・・・?」


 流石のカルムも疑問を覚える。次の瞬間だった。


「フォッコ、炎の誓い!」

 
 次の瞬間、2体が同時に技を発動した。刹那、地面が焼け野原と化した。一気にダメージを受けるバオッキーとケロマツ。直後、2体ともその場に崩れ落ちる。

「そ、そんなっ・・・・・・!出したばかりのバオッキーが、一撃で!」
「な、何が・・・・・・戻れ、ケロマツ!」 

 誓いの技は全部で3種類在る。それらの最大の特徴は、同時に2種類の技を発動させることで、超パワーアップすると言うことだ。そして今。炎と草が組み合わさったとき、何が起こったのか。その効果は、”周辺が焦土と化す”だ。さらに、同時に数分の間、技の追加効果が出やすくなるのである。

「行け!ニャスパー!」
「行くです、オオタチ!」

 2人はそれぞれ、後続のポケモンを繰り出す。しかし、

「ハリボーグ、草の誓い!」
「フォッコ、炎の誓い!」

 再び発動した合体技。一瞬で業火がニャスパーとオオタチを包み込んだ。そして-------------------2体はその場に崩れ落ちた。プラターヌ博士は、呟く。

「勝負あり、だね。」




「くっそぉ、負けた・・・・・・。」
「というわけで、これからもよろしくね、お隣サーン!」
「言い方さっきより腹立つんだけど。何でだろ。」

 青筋が立ちまくっているカルムを横目に、セレナはふと門の方に目をやる。2人組の少年、トロバとティエルノだった。

「えっ!?皆さん、そちらにいらしたのですか?」

 トロバの方は、なにやらタマゴのようなモノ・・・・・・というかタマゴを抱えていた。

「あら、ポケモンのタマゴじゃない。誰から貰ったの?」
「ここに来る道中で、親切な方に貰ったんですよ。何か、黒いスーツを着た人ですね。何か、切羽詰まった様子でしたけど。」

 トロバはにこやかに返す。すると、カルムはトロバの方へすぐに駆け寄った。

「なあなあ、トロバ君。君のタマゴを、このウルトラスーパーなコハク&ウルトラスーパーな石と交換してくれよ。」
「悪徳業者みたいね・・・・・・。」

 しめた、とカルムは思った。ダメ元ではあるが、もしもこのコハクが運良く値打ちモノならばタマゴと交換して貰えるかもしれない、と。

「ちょっと待ってくださいよ!?」

 トロバは目を丸くする。ああ、やっぱりダメだったか。と、思った次の瞬間だった。

「それって、秘密のコハクじゃないですか!!確か、復元したらプテラになるんだとか!!」
「へ?そうなの?」
「そしてこれは、メガストーンじゃないですか!このタマゴと引き替えになら、喜んで渡しますよ!!あ、ついでにこれも!」

 へ?プテラ?何て?と頭が白くなっている間に、タマゴと化石はすり替えられ、さらに持っていたメガストーンとか言う石も、似たような石と交換されてしまった。そして、トロバは、「コウジンタウンに行かなくちゃ!!」と叫んで一目散に駆けていってしまった。テイルが白い目をして近づく。

「バカルム。もったいねえことしたな。あのコハクを復元したら、かつて空の王者といわれたポケモン、プテラが復活するんだぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)」
「それをメガストーンごと、持ってかれるなんてな。後に残ったのは、ポケモンのタマゴと、別のメガストーン。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(焦)」
「タマゴからは何が生まれるか、分かったこっちゃねえ。だから、お前が今持ってるメガストーンも、場合によっちゃ使いものになんないぞ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(泣)」
「あーあ、わざわざプテラナイトと一緒に秘密のコハクくれてやったのになー。」
「・・・・・・テイルさん。」
「んあ?何で先に言わなかったんだとかは、ナシだぞ。」
「いや、そうじゃなくて・・・・・・。」

 カルムは、次の瞬間、息を吸い込んだ。

「メガストーンって何だぁー!!」

 次の瞬間、恐らく読者含む全員がずっこけただろう。



後書き:はい、久しぶりの更新です。今回カルムがコハク&石(メガストーン)とトロバと交換したのは、タマゴとまたまた同じような石でした。これも、メガストーンなんですね。このタマゴの正体も、追々明かしていくつもりなので、要チェックです。本当なら、カルムにプテラを使わせたかったのですが、ゲームでトロバが使うのを思い出し、急遽変更しました。ただ、このタマゴをトロバに渡した人物も気になりますよね?というわけで、そういうことは次回のお楽しみに。