二次創作小説(紙ほか)

第十五話:多勢に無勢 ( No.53 )
日時: 2013/12/01 02:23
名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)

「ケロマツ、水の誓い!!」

 地面から吹き出した間欠泉で、1匹を撃破するケロマツ。また、1匹が突っ込んでくるのを華麗にかわして襟元のケロムースで目潰しし、頭へ強烈なキックをお見舞いした。しかし、後続の1匹が嘴で突いてくる。

「ケロマツ、水の波動!」

 そこを超至近距離で飛び道具を放ち、何とか危機を脱出した。ドードーは倒れる。が、同時にケロマツもその場に崩れる。

「く、くそっ・・・・・・!」

 しかし、疲労していたケロマツは倒れた。残り1体。その時だった。ドードーが鳴き声をあげる。直後、遠くにいた仲間が駆け寄ってくるではないか!しかもその数、4匹。カルムは、ため息をつき、ティエルノに言った。

「ティエルノ、先に行ってろ。トロバ背負えるなら、背負っていけ!お前らだけ、逃げろ!」
「嫌だよ!僕も一緒に」
「ダメだ!!今のうちに-------------------連中が来る前に、助けを呼びにいけ!!」

 カルムの真剣な眼差しを見たティエルノは頷き、

「オーライ!幸運を祈るよ!」
「カルム君、無茶しないでくださいね!!」

 2人がいなくなるのを確認したカルムは呟いた。

「バーロォ、無茶ならとっくにしてるっての。いけ、ニャスパー!!」

 今度はニャスパーを繰り出すカルム。こちらの全快のポケモンは、もういない。ニャスパーだけが頼りである。

「サイコショック!!」

 ニャスパーは念じ玉を次々に放ち、ドードー1匹へぶつけた。思ったよりも、効いてドードーは倒れる。しかし、ドードー4匹が素早いスピードで突っ込んできた。電光石火だ。

「くそっ!ニャスパー、まだいけるか!?」

 ニャスパーは力なく鳴いた。まずい、そろそろ無理か。

(やっべーな、いい加減逃げることを考えなきゃいけない。どうする?どうすればいい!?)

 次の瞬間だった。ドードーのうち、1匹が電撃を浴びて倒れた。そこには、さっきのプラスルの姿。

「プラスル、お前・・・・・・!」

 プラスルは、こくりと頷く。どうやら、助っ人に入りたいらしい。

「何が何だがよく分からんけど、助っ人なら大歓迎だ!」

 すると、ドードー達がプラスルへ向かって突進してきた。

「えーっと、確かあいつは電気タイプだから・・・・・・プラスル、電気ショックだ!!」

 カルムの指示した通りに、プラスルは電撃を放った。同時に、3匹のドードーが電気を浴びて倒れた。効果は抜群だ。しかし、唯一倒れていないドードーがいる。恐らく、群れのリーダー格か。

「どうする?奴の動きを止めたい・・・・・・!」

 カルムはそう呟いて、図鑑を開いてプラスルのデータを確認した。

「覚えている技は、電気ショックに、電光石火、仲良くするにほっぺすりすり・・・・・・!?よし、これだ!」

 カルムは、自信満々の笑みを浮かべて叫ぶ。

「プラスル!ほっぺすりすりだ!!」

 次の瞬間、プラスルは自分の頬を擦り出す。電気が生まれ、勢いよくそれをドードーへ擦りつけた。直後、ドードーの体に電流が流れ出し、それを食らったドードーは体が痙攣し出す。
 ほっぺすりすりは、ダメージと同時に麻痺の追加効果を必ず与える技だ。

「麻痺状態になったのか!よし、チャンスだ!プラスル、仲良くする!」

 プラスルは、ドードーに近づいて可愛らしい笑みを浮かべる。---------------が、ドードーはプラスルに電光石火を食らわせた。しかし、プラスルはあまりダメージを受けていない。
 仲良くする、は相手の戦意を削って、攻撃力を下げる技だ。ある意味、黒い技である。

「ってわけで--------------------とどめの電気ショック!!」

 プラスルは、ドードーへ向かって電撃を放った。ドードーはその場に崩れ落ちて、倒れた。




「さーて、ドードーも目覚めた奴から逃げていったし、結果オーライだな。」

 しかし、分からないのが1つある。プラスルは、あのあと自分の頭の上に乗っかったままである。

「なんで、僕は帽子取られたんだ?よくわかんないな。」

 すると、人影がいくつか見えた。セレナとサナ、ティエルノとトロバだ。

「無事でしたか、カルム君!」
「へっ、ちょろいもんだぜ!」

 カルムは得意げに言った。すると、セレナがプラスルを指差した。

「あら?その子は?」
「このプラスルか?僕の帽子を取って、勝手について来るんだけど?」

 それを聞いたセレナは、はぁーとため息をついた。そして、サナと顔を見合わせて、クスクス笑う。カルムは何が何だか分からない、といった顔だ。

「ちょっ!なんだよ!何がおかしいんだよ!」
「ほーんと、お隣さんって乙女心が分かってないわ。」
「は?オトメゴコロ?」
「よーするに、気に入られたんだよカルタロ!ゲットしてあげたら?」

 まあ、どうなのか分からないが、カルムはボールを取り出した。そして、自分の頭に乗っかったプラスルに、こつんとボールを当てる。すぐに、カチッと音がした。

「・・・・・・セレナ、さっきのは、どういう意味だよ!?」
「だーかーら、要するに好きな子の気を引きたくて、意地悪しちゃったのよ!貴方、ポケモンによく好かれるわね!」
「はぁ!?」

 全く、この手のことに疎いカルムには、理解ができなかった。

(悪戯したのに?え?えぇー?)

 と、若干混乱しかけていたのであった。




 ------------------プラターヌポケモン研究所。ようやく揃った、5人の図鑑所有者を前にして、博士は目を細めた。そして、カルムの頭に未だに乗っかっているプラスルを見ると、すぐに褒めた。

「おや、まさか今の間に新しいポケモンを捕まえてきたのかい?」
「え、ええ。そうですね。」
「流石、僕が認めただけはある!」

 そして、博士は続けた。

「じゃあ、本題に入ろう。まず、メガシンカについてだ。例えば、これ。ドラゴンタイプでも、無類の強さを誇る、マッハポケモンのガブリアス。」

 博士が投げたボールから、現れたのは、サメのようなヒレがついたポケモン、ガブリアスだった。

「確か、フカマルの最終進化系のポケモンで、これ以上は進化しませんよね。」

 カルムは言った。しかし、博士の反応は意外なものだった。

「ああ-------------------------だけど、君はガブリアスがもう一段階進化するって聞いたら、信じるかい?」


後書き:今回、少し短いです。まあ、自分はだいたい、2500文字から3300文字くらいを目安に書いています。という訳で、カルムに新しい手持ち、プラスルが加わりました。折角、xyで夢特性が追加されたので、プッシュしておこうと思いましてね。ちなみに、マイナンと同じく、自分が好きなポケモンでもあります。自分はだいたい、ポケモンでも電気ネズミを好む傾向にありますね。はい。あとは、フライゴンやルカリオは、好きな部類に・・・・・・おっと、長くなりそうなので、今回はここまでで。次回は、メガシンカの秘密に迫っていきます。それでは、また。