二次創作小説(紙ほか)
- 第二十一話:リビエールラインを塞ぐもの ( No.69 )
- 日時: 2013/12/09 07:20
- 名前: タク ◆K8cyYJxmSM (ID: 0.DI8Vns)
突如現れた男に連れられて、7番道路・リビエールラインに歩を進める一行。すると、そこには橋が架かっていた。いや、それだけならば何ら問題無き平常な光景なのだが、それに黒い「何か」が寝転がっていた。
「ほら、見てよ!!山みたいだよ!!通行止めだよ!ほら旦那、アレがあっただろ!?ポケモンの笛!!・・・・・・って、あれはもうないのか。」
「えーっと、これって?」
カルムは恐る恐る聞いた。男は答えた。頭を抱えている。
「大食いポケモン、カビゴンッ!!こいつは、時々やってきて数日感の間寝ちまうんだよ!!」
「す、数日ゥ--------------------!?」
「いや、酷い時は1,2ヶ月行くな・・・・・・。」
「い、1,2ヶ月ゥ---------------------!?」
思わず叫んでしまった。ダメだ、こんなの退くのを待っている暇はない。
「ケロマツッ!ニャスパー!プラスルッ!奴に、今できる最大の攻撃をしろ!!」
3匹で巨大なカビゴン(休眠)に挑むカルム。ケロマツは電光石火、ニャスパーはサイコショック、プラスルは電気ショックを放った。が--------------------どれも全く効いていないように見える。
「・・・・・・。」
「ほら見たことかッ!!寝ているカビゴンに、攻撃は無力に等しいんだよ!!・・・・・・”ポケモンの笛”なら唯一カビゴンを起こせる救いだけどな・・・・・。」
「んじゃ、それを使えば!」
「あげちゃったのよ。」
城主は言った。
「パルファム宮殿の主にね・・・・・・。」
「借金を返すためにな。まさか、ここで必要になるなんて!!」
まさか、無いとなると、このままではずっと待つことにもなりかねない。
「・・・・・・パルファム宮殿か。」
「すんませーん、ここって入れるんですかねぇー?」
カルムは正しく今、そのパルファム宮殿の前に立っていた。そして、今にも入らんとの雰囲気だった。
「ええ、入場料は1000円でございます・・・・・・。」
門番はそう言った。入場料を取られることを知っていたカルムは、あっさり渡した。
「あ、そうなんすか?分かりましたぁー。」
道中で戦って倒したトレーナーから貰った賞金で、1000円など直ぐに溜まってしまった。今、所持金は3万はある。そして、今にも門を開けて宮殿に入ろうとした瞬間-----------------------
「ぐえっ!!」
襟首を引っ張られた。後ろを振り向いたら、サナの姿。
「ちょっと!!どうして来たのよ!!」
「いや、だからさぁー。見学したくなっちゃって・・・・・・。」
「嘘つき!どうにかして笛を買おうとしたんでしょ!」
とにかく、金で買い戻せないかと、カルムはこのような結論に至った、そのため、宮殿のことを色々と聞いていたのだ。
「笛がねえと、あそこは通れないんだ。だから、どうにかしてでも笛は手に入れなきゃいけねえ。」
「笛?ポケモンの笛ならば、先日ご主人様-------------コバルト伯爵がこのようなことを申しておられましたが?」
門番が言った。
「確か、『今度また、バトル大会を開こうと思うんだ。出場料もたんまりとってね。優勝賞品は・・・・・・ポケモンの笛がいいかなぁー?あれ要らないし。ただ、もう少し待とう。カビゴンがやってきたら、これを必要としてあちこちから皆やってくると思うぞ?そしたら、また大儲けだぜ・・・・・・!』って言ってましたが。」
「「・・・・・・。」」
「バトル大会ですって!?」
帰ってきたカルムとサナの話を聞いて、城主は驚いたように目を丸くした。いや、事実驚いていた。
「そう言えば、宮殿の主は気まぐれでバトル大会を開いていたな。優勝賞品は、他の奴から借金替わりに取り立てた品々ばかりだ。」
運が良かった。このバトル大会で優勝すれば、笛を手に入れることはできるはずだ。だが、気になることが1つあった。宮殿の主、コバルト伯爵は、なぜそこまでして金が欲しいのか。彼ほどの財力の持ち主ならば、もう金を稼ぐ必要さえも無しに感じる。確かに、生活費として金は必要だが、それにももう困っていないようだった。それを裏付けるのは、宮殿にあった石像の数々。そして派手に飾り付けがされた屋敷の中。そんな余裕があるくらいなら、やはり金を稼ぐ必要はなしに感じられて仕方が無かった。だが、今考えるべきことは1つ。
----------------バトル大会で勝つこと。
だった。
「カルタロ!絶対にバトル大会、お互いに頑張ろうね!あ、勝つのはサナだよ?」
「あ、ああ!」
我に返るカルム。そして、聞いた話によると、城主が今日は城の個室で別々に泊めてくれるとの事だった。
個室にて。
「・・・・・・あいつらのブラッシングもしてやらなきゃな。」
カルムはそう呟きつつ、ポケモンを出して、サナから借りたブラシで丁寧にポケモンをブラッシングし始めた。最初こそ、ぎこちなかったが、終わる頃には慣れてきていた。そして、機嫌が良くなったのか、ニャスパーとプラスルは彼に飛びついてくる程になった。
「わっ、くすぐったいって・・・・・・。」
そう言いつつも、サナに言われたとおり、今日はこいつらのワガママに付き合ってやるか、と思ったのだった。
「金はいくらあっても、困らないからな・・・・・・。」
パルファム宮殿の主、コバルトはこの手のタイプによくある、小太りな体型ではなかった。むしろ、スマートでやせ型な体型をしており、整った顔立ちの若い青年男性だった。彼は、安楽椅子に持たれながら、トリミアンを撫でる。そして、手元にある小さなカードに目をやった。そのカードには-----------------------フレア団の紋様が施されていたのだった。
---------------大会当日。
『レディース・エーン・ジェントルメーン!私、この宮殿の主を努めます、コバルトと申します!!今回の大会のバッジ制限は3個!初心者〜初級者までの、同レベル同士での面白い対決が見れそうです!!』
コバルトという男は、司会業も得意らしい。そして、観客席には多くの人が座っていた。宮殿の奥にあった大きな闘技場。それが、今回のバトルフィールドだった。
--------------勝つ、この大会に優勝して笛を手に入れるんだ!!
後書き:取り敢えず、更新完了です。パルファム宮殿あたりのストーリーは、完全にオリジナルですね。そして、コバルトという人物にも、後々スポットを当てていきたいと思います。次回からは、大会がスタートです。投稿していただいたオリキャラも登場するかもしれませんよ?誰が出るかは、お楽しみに。