二次創作小説(紙ほか)
- 28話 ジムバトル3・vsネロ ( No.122 )
- 日時: 2013/12/15 09:54
- 名前: 白黒 ◆QpSaO9ekaY (ID: SMalQrAD)
「まずはお前からだ。行って来い、ヒポポタス!」
ネロの一番手は、砂色の体のカバのようなポケモン。
カバポケモン、ヒポポタス。
ヒポポタスがボールから出ると、突如ヒポポタスを中心とした砂嵐が巻き起こった。
「っ、何だ……?」
ネロは何も言うつもりがないようなので、砂嵐に目を細めながら、レストは図鑑でさらにヒポポタスを調べる。
「ヒポポタスの特性、砂起こし……場に出ると、天候を砂嵐状態にするのか」
砂嵐状態だと、地面、岩、鋼タイプ以外のポケモンは少しずつダメージを受けてしまう。レストの手持ちにはそれらのタイプを持つポケモンはいないので、このダメージを回避することはできない。
「シナモンさんも霰を中心にした戦法だったが、この人も天候を利用するのか。気を付けないとな……」
ともかく、レストもボールを握り、ポケモンを繰り出す。
「とりあえずこいつだ。出て来い、ウデッポウ!」
レストの初手は、右の鋏の方が大きい水色のロブスターのようなポケモン。
水鉄砲ポケモン、ウデッポウ。
ウデッポウは地面タイプ対策の一体。レストが捕まえた数少ない水タイプのポケモンで、覚えている技がなかなか強力なので連れてきたのだ。
「行くぞ。ウデッポウ、水の——」
ウデッポウが鋏を構え、その中で水を圧縮する。
それと同時に、
「ヒポポタス、吠える!」
ヒポポタスは耳をつんざくようなけたたましい雄叫びを上げる。
するとウデッポウはその雄叫びに吹っ飛ばされ——レストの腰のボールへと戻ってしまった。
「!?」
さらに別のボールが勝手に開き、今度はそこからテールナーが飛び出る。
「テールナー……? 何だ、何が起こってんだ……!?」
「んだよ、てめぇ吠えるも知らねぇのか」
困惑するレストを蔑むように睨むネロ。それ以上は何も言わないので、自分で調べろというのだろう。
「吠える……相手のポケモン、強制的に後退させる技……?」
図鑑に表示されたその一文を見て、冷や汗が流れる。レストは六体のポケモンを連れてきているが、それらは相手——ネロが繰り出すポケモンに合わせて最も有利に戦えるポケモンを選ぶつもりだった。
しかし吠えるで強制的にポケモンを入れ替えさせられては、そうもいかない。強制的に交代させられたとはいえ、もう既にレストは二体ポケモンを繰り出していることになる。つまり、繰り出せるポケモンはあと一体だけなのだ。
(しかもよりによって出て来るのは炎タイプのテールナー……どうする? 他の有利な奴と交代して、早めに三体目の枠を埋めておくべきか……?)
などとレストが迷っている間も、ネロは待ってはくれない。レストなどお構いなしで動く。
「もう一発、吠える!」
「っ!」
再び雄叫びを上げるヒポポタス。それにより出てきたばかりのテールナーは吹き飛ばされ、レストのボールへと戻り——次に出てきたのはラクライだった。
「なっ、ラクライ……!?」
よりによって、最も地面タイプと相性の悪いラクライが出てしまった。これでレストの、このジム戦における出場ポケモンは固定されてしまう。
そもそも、ネロが地面タイプ使いだと分かっていながらラクライを連れてくることが間違っていたのだが、最初に吠えるを受けた時、レストはすぐにテールナーを別のポケモンと交代させるべきだったのだ。そうすれば相性最悪のラクライを出さずに、他のタイプ上有利なポケモンを繰り出せた。
「ちっ、地面タイプ使いの俺に対して電気をタイプなんか連れて来んなよ。お前のツラ見る限り、何か対策してるわけでもねぇみてぇだしよ」
レストの誤った選抜に、苛立ったような声を上げるネロ。
そして、攻めに出る。
「ヒポポタス、岩石封じ!」
ヒポポタスは地面を隆起させ、ラクライの動きを封じるように岩石を繰り出す。
「っ……! ラクライ、電光石火!」
一方、かなり焦っているレストは、少しばかり反応に遅れる。迫る岩石を掠めてしまうも、ラクライはそれらを掻い潜り、超高速でヒポポタスへと突っ込むが、
「突進だ!」
ヒポポタスも同時に体を突き出し、ラクライとぶつかりあう。だが体重差は歴然としており、攻撃力もヒポポタスの方が高い。ラクライは簡単に吹っ飛ばされてしまった。
「くっ、まだだ! ラクライ、噛みつく!」
なんとか着地したラクライは、そのまま砂地を駆けてヒポポタスに牙を剥くが、
「穴を掘る!」
その牙を突き立てようとする寸前に、ヒポポタスは穴を掘って地中へと姿を消してしまい、ラクライの攻撃は空振りに終わる。
さらにその直後、ラクライの足元の地面が揺れ動いた。
「ラクライ! 大丈夫か!?」
地面からヒポポタスが飛び出し、ラクライは簡単に吹っ飛ばされてしまった。効果抜群なので、相当なダメージだろう。
「くっ、このままじゃまずい……ラクライ、電光石火だ!」
とりあえずラクライは地面を駆け、超高速でヒポポタスへと突っ込む。
「突き飛ばしてやれ、突進!」
ヒポポタスもそれに合わせ、勢いよく正面へと突撃するが、
「同じ手は食いませんよ! ラクライ、右に回れ!」
ラクライは寸でのところでターンし、右側からヒポポタスに突っ込む。突進を躱しつつ、やっと一撃入れることができた。
だが、それだけだ。
「効かねぇなぁ! ヒポポタス、岩石封じ!」
直後、ラクライの足元の地面が隆起し、ラクライは岩石に拘束されてしまう。
「なっ、しまった……!」
こうなってしまえば、ラクライの素早さも意味をなさなくなる。そして、ヒポポタスにとっては絶好の的だ。
「突進だ!」
ヒポポタスは岩に動きを封じられたラクライに突撃。岩を粉砕し、同時にラクライも吹っ飛ばす。
「ラクライ!」
数秒後、地面に落下したラクライは、完全に目を回していた。戦闘不能だ。
「流石に相性が悪すぎたか……戻れ、ラクライ」
結局、ヒポポタスに大したダメージを与えられず、レストの手持ちは残り二体。かなり苦しい展開だ。
「次は……こいつだ。出て来い、ウデッポウ!」
レストの次のポケモンは、最初に繰り出したウデッポウ。テールナーでは相性が悪いと踏んでのチョイスだ。
(とはいえ、テールナーもどこかでは出さざるを得ないだろうな)
だからこそ、ウデッポウで出来る限りネロのポケモンを倒すか、体力を削っていくしかない。
「行くぞ! ウデッポウ、水の波動!」
ウデッポウは右手の鋏をヒポポタスに向け、そこから水を凝縮した波動を撃ち出す。
「ふん、んな攻撃当たるかよ。ヒポポタス、穴を掘る!」
しかしヒポポタスがすぐに地中へと身をひそめてしまったため、水の波動は透かされてしまう。
そしてすぐさま、地中から這い出て来たヒポポタスの攻撃が、ウデッポウを吹っ飛ばす。
「まだだ! ウデッポウ、アクアジェット!」
「穴を掘る!」
ウデッポウは空中でなんとか体勢を立て直し、水流を纏ってヒポポタスへと突っ込むが、また地中に逃げられてしまう。
「ぐぅ、やっぱ穴を掘るが厄介だ。こっちの攻撃が全部躱される……!」
ウデッポウが地面に着地した瞬間、地中からヒポポタスが飛び出し、ウデッポウを攻撃。回避能力が着目される穴を掘るだが、威力もそれなりに高い。バトル経験がほぼ皆無なウデッポウは、もうほとんど体力が残っていないように見える。
「このままじゃ砂嵐のダメージでやられそうだな。なら、その前に……ウデッポウ、クラブハンマー!」
「止めろヒポポタス! 岩石封じ!」
右手の鋏を振りかざすウデッポウに対し、ヒポポタスは地中から岩石を隆起させてウデッポウの動きを牽制。しかしウデッポウは、それらの岩石を砕きながら、ヒポポタスへと接近していく。
「意外と根性あるな、そのウデッポウ。だがここまでだ。ヒポポタス、突進!」
ヒポポタスは迫り来るウデッポウに向かって、勢いよく突撃する。岩石封じでウデッポウを止めることはできなかったが、クラブハンマーの勢いは確実に削がれている。そのため、真正面からぶつかればヒポポタスの負けはないのだ。
だが、レストにも考えがあった。
「今だウデッポウ! じたばた!」
ヒポポタスが突っ込んで来る瞬間、ウデッポウは残る力を振り絞ってじたばたと暴れ始める。
「したばたか……」
したばたは、自分の体力が残り少ないほど威力の上がる技。ヒポポタスの攻撃と、砂嵐のダメージで満身創痍のウデッポウなら、最高威力に限りなく近いパワーが発揮されるはずだ。
しかし、
ウデッポウはヒポポタスの突進で撥ね飛ばされた。
「何……っ!? ウデッポウ!」
宙を舞うウデッポウは、しばらくして落下する。そしてウデッポウは、戦闘不能となっていた。
はい、バタイジム戦その一ですね。ネロの初手は砂嵐起動要員のヒポポタス。吠えるでレストを翻弄し、追い詰めます。今回でラクライとウデッポウの二体がやられてて、残るはテールナー一体。対するネロの手持ちはま三体フル、一応ヒポポタスは手負いですが、テールナー一体ではきついですね。では次回、バタイジム戦、終結です。え? 早いって? そうですね。このジム戦がどのように決着するのか、それは次回をお楽しみに。
