二次創作小説(紙ほか)
- Re: フェアリーテイル ー砂時計ー ( No.13 )
- 日時: 2013/12/19 20:25
- 名前: 秋刀魚 ◆j5KZfkTVqc (ID: qToThS8B)
小さな疑問>>13
エルザside
「アイス・メイク・ランス!!」
無数のランスをリアに当てようとするが、軽やかに舞うように除けるリア。まるでダンスを踊るかの様に
ゆっくりと、滑らかに。が、限界は有るようで数本のランスがリアの体をかする。
「…………っ!」
リアが頬にかすったランスによる傷の痛みに気を逸らす。
其れをグレイが見逃す訳がなく、追撃に出る。
「アイス・メイク・ハンm「馬鹿者共!」…っ!?」
溜めていた魔力が周囲に、フワッと
冷たい風となり散る。
「エルザ!!」
と言いながらも此方を向くが、勘の良いグレイは私の顔を見た途端に、顔が青ざめ口は引きつる。
「どうやら言いたいことは伝わった様だな、何をしているんだ?」
「あ、えーと。その…「ハッキリせんかっ!」ハイッ!喧嘩してましたぁああっ!!」
「ふむ、宜しい。で、悪いのは何方だ?」
重たい雰囲気が辺りを漂う。
それを撃ち破ったのはリアの方だった
「………自分、です。」
すっかり萎縮し弱々しい声で…だがハッキリと述べた。
「…幻滅したぞリア。私はお前を高く評価し過ぎていた様だな。守護者としても、ギルドの一員としても。人としても」
「エルザ、それは言い過ぎじゃ…」
「っ!」
肩が大きく震える。
それは私に叱られたからでは無い。
ルーシィが自分を庇ったからだ。
「いえ、自分の過ちの重さをエルザ様は教えて下さってるのです。
姫様、お気遣い有難う御座います。
皆さんも、すみませんでした。」
リアが素直に謝ると、ギルドもフッと空気が柔らかくなる。
「そうか?結構見てて面白かったけど」
「気にすんなって」
「グレイ、腕が上がったな!」
「おいおいグレイ、やり過ぎだぜ。
いくらナツよりも下に見られたからってさぁ」
「リアって綺麗によけるんだな」
思い思いの事を言いつつ、また酒を飲み始めるギルドメンバー達。
「それよりも、怪我平気?」
ルーシィがリアに駆けつける。
リアは少し苦笑いして「平気です」と傷を手当てをして貰う所か見せもしない。
(そんなにルーシィは尊い存在なのか…)
下階級の血は汚れ、上階級の者にとっては毒だと、昔の仕事先での言い伝えを思い出す。
もしルーシィの父親が その言い伝えを知っていたのなら召使のリアは、
血を見せてはいけない。と叩き込まれただろう。
「やりきれんな…」
ふぅと息を吐く。
そして忘れ掛けていた要件を思い出す。
「グレイ正直に言え。何故喧嘩したのだ?」
それが何故か突っかかる。
グレイは顔を横に背け「言う程の理由じゃねぇよ」と呟く。
「…私は喧嘩した理由を聞きたいだけだ。下らないとかは聞いてから決める。」
グレイが此方を向く。
(!、なんだ…その表情は!)
まるで"お化け"に怖がる子供の様に助けを求める様な顔付き。
いつもの少々プライド高めの表情なんて欠片も無い。
「話をするなら場所を変えても良いか?」
呆然とする私は頷き、外に歩き出したグレイの後を追った。