二次創作小説(紙ほか)
- Re: フェアリーテイル ー砂時計ー ( No.5 )
- 日時: 2013/12/01 21:08
- 名前: 秋刀魚 ◆j5KZfkTVqc (ID: qToThS8B)
「誰に用か?」>>6
ーーーフェアリーテイル女子寮前ー
ここは街人が待ち合わせする様な場所ではない。…少なくとも私は見た事は無い。
やや金髪混じりの茶髪に青の目をした私よりも、やや高めの背の青年は少し困った顔をする。
「フェアリーテイルの魔道士さんですか?自分リア・サクリファイス・ドールと申します。ルーシィ・ハートフィリアさんを御存知ですか?」
ハートフィリアと聞き、思わず身構えてしまう。
「ルーシィに何の用だ?あの子に手を出したら唯じゃ「御存知なんですねっ!?」
人の話を聞かずに、わーっと騒ぐリア。どれだけルーシィを探していたのだろうと疑問に思う。
(話してるとリズムが狂うな…
まぁ、いい)
「ルーシィとお前は友達か何かか?」
リアは首を横に振る。
「あの方は自分の主です」
「ではリアは星霊なのか?」
「それとは違いますね、自分は人間ですよ。例えるなら狛犬?」
「こまっ!?」
(他の例え方は無いのかっ!!?)
心の中で全力でツッコミを入れる。
リアには若干引きつった顔を見せている筈なのだが平然と返事しただけだった。
「昔、主であるルーシィ姫と契約したのですが今迄、当時の御命令の為 お側に居られませんでしたっ…」
顔を見ずとも雰囲気だけで痛々しい
此方も顔を歪めてしまう。
「そうか…でもルーシィは女子寮で生活しておらんぞ」
その途端、噛み付くかの様に肩を掴まれる。
「場所は何処です!?御存知なら包み隠さずっ!」
敬語は崩して居ないが、なんというか印象が変わる。
(余裕が有る奴だと思えば…やれやれ)
「私は仲間を売る気など無いんでな
例えお前の話が本当でも教える気は無い…っ!」
(何かが来るっ!)
考えると同時に斜め後ろに大きく飛ぶ。
「お前っ!」
ガガガガッと今迄居た所に無数のナイフが重々しい音付きで刺さっていた。
リアは俯いていて、表情が読み取れない。しかし明らかに狙ってきてるし、それにーーー
(殺気が凄い飛んでるな…)
近くの木の太めの枝に飛び移り、林檎が詰まっている袋を置くと、フワリ飛び降りながら換装する。
ガチャと軽やかな金属音を立て着地
リアをもう一度見る。
見れば見る度に先程の好青年の印象が薄れ、危険人物と感じてしまう。
そして両者何も話さず動かない。
それを破ったのは相手だった。
呻き声を上げ、頭に手を当てている分からして頭が痛いのは分かるが…
どう見ても何処か不自然だ
「お、おいお前…」
余りもの苦しみ様に耐え兼ねて声を掛ける。
しかし返って来たのは驚き。
「…………逃げ、て……はや…く」
涙で顔と地面を濡らしているリアには先程まで周囲に充満していた殺気などなく、その目には"逃げろ"と急かす色ばかり。
「っ」
切に訴えるその目に押され、ろくに状況が分からないまま換装を解き、来た道を戻る。
ルーシィの元に。