二次創作小説(紙ほか)

Re: フェアリーテイル ー砂時計ー ( No.6 )
日時: 2013/12/05 17:59
名前: 秋刀魚 (ID: qToThS8B)


急展開>>7

グレイside

金髪の少女…ルーシィをおんぶしてギルドから少し歩くと、彼女の家が見えてきた。

「おい、もうそろそろ家だぞ?」

軽く揺さぶっても起きる気配は無く
唯「んぅ〜」と赤ん坊の様な返事が返ってくるだけ。

おまけに隣を歩くジュビアはジュビアで「グレイ様、帰りはジュビアをせ、せせ、背負って…キャァア!」

何やらボヤ付きながら顔を赤くしている始末。
全く女って訳が分かんねぇ………

キィンと音を立て、毎度お馴染みの家の鍵を作ると、カチャッと呆気なく扉が開く。

ジュビアには玄関で待ってもらい
本当に警備は大丈夫なのか?と心配になりつつも、ルーシィをベットに下ろし、布団を掛ける。

掛けた時、呻き声と共に何かを言っていたが、聞かなかった事にし、
最後に髪を撫で「おやすみ」と呟くと部屋を後にした。

(ん?)

玄関にはジュビアの姿は無かった。
先に下に降りたと思い、また鍵を作り扉を閉め、用心の為、氷鍵を折る

そして、階段を降りると出店でジュビアが何かを買っているのが見えた

「ジュビア〜?」

ジュビアは直ぐに両手に小袋を持って戻ってくると、「どうぞ」と片方の小袋をくれた。

小袋から温かい…つーか熱い温度が感じられる。

「!、肉まんか!」

カサカサと袋を開くと御名答。
ふわぁ…と白い湯気が立ち、とても美味しそうだった。

ジュビアは自慢気に「あそこのお店美味しいので是非グレイ様にも」と
微笑んでいた。

「サンキューな
じゃ、俺も今度何か奢るぜ」

そういい笑い返すとジュビアは顔を赤くし目を見開いた。同時に折角買った肉まんも地面に落ちてしまった

しかし本人のジュビアは気づきもしない。
頬に手を当て、今にも踊り出しそうな程幸せそうだ。

(俺、そんな良い事言ったか…?)

思い当たる節は無い。
取り敢えず肉まんの事を指摘すると
「あ、本当ですね」と浅い返事のみ

「グレイ様、食べないと冷えますよ」

指摘をさせ気づくと自分も まだ1口も食べていない事を思い出す。
しかし落としたのが買った本人だとしても、俺1人だけで食べるのは少々気が引けるという物で…

「ほらっ」

肉まんを半分に分け、片方を渡す。

「そ、それはグレイ様の物ですっ!
ジュビアは平気ですので…」

「いいから、1人で食うよりも2人で食った方が美味いだろ?」

そう言うとジュビアは「そう、ですよねっ!」とゆっくりと肉まんに手を伸ばしーーー「おい貴様ら!ルーシィは何処だっ!??」
「エルザっ!?」

緋色の髪を棚引かせ俺の前にきた鎧の知り合いーエルザは、今にも鬼神仮しそうな顔付きで睨む。

(こ、こえぇえええぇえ!!!)

俺何かしたっけ!?と今までにない程に脳をフル活用する。

「恋敵なら もう送りましたよ」
若干不貞腐れた様にジュビアが勇敢に答えると「すまなかったな、後グレイ服を着ろ」と残し、走り去っていった。

ポカンとしていると直ぐ後ろで、本日何度目かの悲鳴を聞く。

「グレイ様がぁああっ!!」

(はぁ?)となりつつも下を見ると、
先程まで手元にあった肉まんが無様な姿で下に落ちていた。

どうやら先程のエルザ登場で驚いて落としてしまったらしい。
それにしても その嘆き様…街の人が誤解すんだろ!?

「おい、俺は肉まんじゃねーぞ?」

そう言っても聞いてないのか、何の反応無し。そして進路変更。
進む先は…ルーシィの家!??

「許すまじ、恋敵ーーーっ!ルゥシィイイイイィイイイ!!!!」

「え、ちょっ、ルーシィ関係無くね!?」

エルザと同じ位…いや、もっと速い速度でルーシィの部屋を目指す。

(ヤバイ、何か分かんねぇけど!)

急いで後を追う。

「!、良かった!」
部屋の前で水色の髪を見つけ、安堵する。

(思い止まってくれtーーー!?)

そう思ったのは表情を読み取るまで

ジュビアの顔には驚き、哀しみ。そしてーーー絶望。

ジュビアの隣に居るエルザも同様で

「どうした!?」

急いで彼女達と並んで部屋の方を見ると閉めた筈の扉は開いてあり、
ここから見える部屋の風景はーーー