二次創作小説(紙ほか)

Re: 【銀魂】 サディスティックパニック! 【紅桜篇】 ( No.56 )
日時: 2013/12/27 20:40
名前: 牡丹 ◆9nf7vs0ewk (ID: x2W/Uq33)

近頃辻斬りが発生している。
そのおかげで、最近よやうやく任務が片付いたばっかの私たち特別部隊までが動くことになった。
ちなみにこのことはまだ、一番隊や近藤さん、兄さん、………と、マヨラーは知らない。


「あー…めんどくさい…サボっちゃおっかな」
「そりゃ俺も考えてたぜィ このまま二人でヅラかるかィ?」
「いいね、兄さん」




      .人斬りとかメンドクサイ こっちの身にもなれ.



「たーいちょー」
「尊?」
「いやー、また辻斬り出たってきいて、ボク気になって」

私の部屋にひょこっと顔をだした尊。
ふつーに女友達っぽくナチュラルに部屋に入ってきてるけど、こいつが男だということは忘れない。…うん。


「ボクその辻斬りさん捕まえたいな」
「尊、ほんと、いい子なのか悪い子なのかわからないわね」
「うん」
「…辻斬り、ね」


夜に目撃された、辻斬り。
その辻斬りが帯びていた刀は、薄ら紅く光っていて、刀というよりは生き物だったという。


「あーあ、せっかく任務終わったばっかだっていうのに。ロクに兄さんと話せないじゃない」
「隊長は沖田さんloveだよね」
「兄さんは私の王子様!!」

尊が無邪気にけらけら笑う。
そんな私の部屋に、


「たいっちょーぉぉ!」


大きな声とともに、もう一人、隊士が入ってきた。

「花蓮!」
「いやさ、勲兄って変なトコで勘いいから!「何か隠してんだろ」って言われたよ!どうすんの、辻斬りのこと詳しいとこまで聞かれたら!」

飛び込んできたのは、尊よりも一歳年下にして身長170cm(ちなみに胸デカイ)の、真撰組局長近藤勲の従姉妹、花蓮だった。

そう、辻斬りの深いところの理由までは、まだ特別部隊以外知る人物は居ない。
特別部隊、と括っても、この部隊の中で知っているのは、私をはじめ、樹、九六、尊、秋人、花蓮だけだった。


蛇足だけれど、私と九六、樹、尊、秋人、花蓮は、他に例えるとすると、局長近藤、副長土方、そして私の兄さんの3人と同じような関係だった。


「まぁねぇ…あの鬼兵隊が関わってるなんて、簡単にもらせないよね…」


とりあえず花蓮を部屋に入れ、座らせる。
尊も当たり前のように座ってるからね。

そう、鬼兵隊。
つまり、辻斬りというのは…、人斬り、岡田似蔵だ。
ここまでくれば殆どのことは予想が行くし。

鬼兵隊っていったら、過激派攘夷志士高杉晋助が率いてるとこじゃん。

高杉晋助って…本当、あの攘夷志士軍団には何の情報も見当たらなくて、すっごい困る。

「…じゃ、さっそく情報集めか、秋人ー、樹ー」


私は取り合えずでかい声で二人を呼んでみる。


「へーい、何かあった、伊織?」
「呼びましたか、隊長」


ここら辺の部屋は、私、樹、九六、秋人、尊、花蓮、隊士、隊士、隊士……の順で続いているから、襖や障子なんかは簡単に声が通り抜ける。まあつまり、聞こえるってことだからね、うん。


「…鬼兵隊の情報集めてきて。人を殺すのはナシ、気絶までならOK。尊と花蓮もね」

「「「あいあいさー」」」


樹、秋人、尊はぞろぞろと伊織の部屋を出て行く。


「よーっしじゃあ、九六〜、見回り行こー」
「…わかった」

私は最後まで残ってたたずんでいた九六をつれて、街へと出た。
…上手くいって、辻斬りさんに会えたらなー、なんてね。




__


「…岡田、本当に派手にやってるんだな…街中辻斬りの話題でいっぱいだ」


江戸の街を歩くのは、人目を引くほどの色男、前原宗助。
額に手を当て、ふぅっと短い溜息をついた。

「晋助も晋助で、本当部下に任せっきり…」


面倒な上司だ…なんて。


こっちも情報集めに来たって言うのに、こうも辻斬りの話題でいっぱいだと行動に制限がかかりそうだ。





「…あれ?宗助?」






             丁度いい情報網、発見。