二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】 サディスティックパニック! 【帰還篇】 ( No.7 )
- 日時: 2013/12/14 20:37
- 名前: 牡丹 ◆9nf7vs0ewk (ID: x2W/Uq33)
久し振りの江戸だ。
私は空気を胸いっぱいに吸い込んで、ふぅ、と吐き出す。
懐かしい騒がしさに、心が落ち着いていくのが解った。
…兄さんと何年も離れるなんて、本当本当嫌だし考えられなかったけど、やっぱり任務だしね。
真撰組には、一番隊、二番隊、三番隊…と、いくつもの隊が存在する。
けれど、「幕府の警察」と言う肩書きを持つと、吉原などの法が適用されない場所での活動が出来なくなってしまう。
そこで、完全に秘密裏で結成されたのが、凄腕たちの揃う「特別部隊」。
私、沖田伊織は、その隊長を務めている。
因みに兄さんは一番隊隊長。
かくかくしかじかで、何年か江戸を離れて任務中だったんだけど、この前漸くその任務が終わって帰ることになった。
取り合えず帰ったら、兄さんに虫がくっついてないか確認しないと。
.帰ってきて先ず言うことは?.
真撰組屯所…この文字も物凄い久々に見る。
私は普通に門から入ろうとしたんだけど…え、何?門番に手を掴まれてるんだけど…私何かしたっけ。
「えーと何?」
「何って何だよ!…コホンッ、今日は客人が来る予定など無かったはずだが、貴様、何者だ?」
門番が私をジロリと見て、言ってきた。
あー…ああ、そうか、コイツ私のこと知らないのか。
昔からここにいる隊士くらいでないと私のことを知ってる奴は居ない。
コイツも入ったばかりなんだろう。
そうかそうか、そうなのか。
普段の私なら刀抜くところだけど、まぁ、知らないならしかたないか。許してやろう。
そして入れろ
「ゴリラかマヨラーか王子様に言えば解るはずだけど?」
あ、王子様って言うのは貶してるんじゃないよ、「王子様」だから。
隊士はオロオロし始めた。
確かに局長はゴリラだし、副長はマヨラーだし、一番隊の隊長は”サディスティック星の”王子様だけど…
そんなことは町中のだれもが知っていることで、それを知っていたからと言っておいそれと門を開けるわけには…
「チッ さっさと開けやがれ。いーかよく聞け。私の名前は沖田伊織!真撰組特別部隊隊長!でもって一番隊隊長沖田総悟の妹!」
刀に手を掛け大声で怒鳴ってやる。
隊士は目を瞬かせ、「え…え?」なんて言っている。
私の叫び声を聞きつけたのか、中から、何か地味な…あれ、名前なんだっけ…
「あ、田中」
「山崎です。お帰りなさい、伊織さん。オイ、この人は正真正銘真撰組の隊員だ。早く開けろ!」
「よしよし、さすが古参高林君」
「山崎です…」
山崎が確認し、伊織はようやく屯所の中に入ることが出来た。
私はすぐさま走り出す。
どこー、兄さん、どこ〜
あっ!
あれは!
視界の端に、亜麻色の髪のいろ。
帰ってきて先ず言うことは…
「兄さん、ただいま!!!」