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二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【マギ】光と影−日常事件帳− ( No.15 )
- 日時: 2014/01/02 23:33
- 名前: リーフ (ID: O72/xQMk)
5話
凄腕の元暗殺者と、現役暗殺者。勝負前の睨み合いは…たったの一瞬。
「ふふっ!」
「はッ!」
リリィが腕を振ると同時に、ジャーファルの官服の袖が翻る。そして彼は、自分に飛んできた数個の得物を全て確実に叩き落とした。
蛇のように動き回る、愛用の鏢で。
「……あの技、へえ」
自分の得物をすべて見切られてか、リリィがほんの少しだけむくれた様に眉を寄せる。
しかし、何事もなかったかのようにすぐに笑顔に戻した。
「お見事ですわ。そのお姿からして文官のようですが…その技量は只者ではありませんわ。やっぱり、貴方の事教えて下さらない?」
「…この技を見れば、暗殺者ならわかるはず。それより、私は貴女の技のほうが気になりますよ」
感情の籠らない瞳で、ジャーファルは一瞬足元を見やる。しかしそこには何もない。
自身が叩き落としたはずの得物は、見当たらない。
「ナイフの形状をした光源体…叩き落とした瞬間、溶けるように消滅しました。あれは何です?」
「まあ、弾きながらそこまで見ていらしたの?さすがだわ。…教えてほしい?」
「ええ、是非」
棒読み口調でジャーファルが即答すると、リリィは唇を尖らせ首を振った。
「ふぅ、つまらないお方…。そうね、私に勝ったら、教えて差し上げますわ」
「…さようですか。では」
言うが早いか、ジャーファルはヒュンと両手を振る。再び、双頭の蛇が
唸った。
「ここまで長引いた戦闘は久しぶりです…さあ、もう少し楽しませて下さいなッ!!」
藍色の髪を揺らし、リリィもまた、顔を嬉しそうに歪ませた。
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