二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【マギ】光と影−日常事件帳−アイデア募集中 ( No.40 )
- 日時: 2014/02/12 17:48
- 名前: リーフ (ID: O72/xQMk)
16話
何者か。
簡単で、答えに一番困るであろう問いを、アラジンはあっさり繰り出して見せた。
さすがのノエルも面喰い、絞り出すようにして答えを返す。
「…旅人、だが?」
「え?あぁごめんよ。そういう事じゃなくて…」
違う違う、と首を振り、また少し考えて質問する。
今度は内容の濃い質問を。
「ノエルさんの周りだけ、何だかルフが少ないんだ…どうしてかなって思って!」
「そ、そう!それだわッ!」
「ヤムライハ?」
席を立ち今一度ノエルを凝視する魔導士に、シンドバッド王が声をかける。
ルフというのは、運命。世界の血潮。白く輝く鳥の姿だが、その姿を視認できるのは魔導士の素質を持つ者だけだ。
故に、この状況もアラジンとヤムライハ以外には全く理解できていないのだ。
「アラジン、どういうことですか?」
「そっか、モルさんたちは見えないよね。ごめんよ…。ええっと何て言うか…」
言葉を多く知らない弟子に変わり、師匠ヤムライハが説明した。
「常々言う通り、ルフとはどこにでもいます。もちろん今ここでも、私たちの周りにルフは飛んでいるのです。でも…彼女—ノエルさんの周りだけ…なんというか、ルフが一歩引いているのです。」
「ルフが?」
「はい、王よ。私たちの行動で表現すれば、そんな感じなんです。」
説明を受け、アリババやシンドバッドがじっと目を凝らすが、当然ながらやはり見えない。
と、ずっと黙っていたノエルがうなずき、跪いてアラジンと視線を合わせた。
「私は魔導士ではないから、ルフは見えない。でもアラジン?」
「何だいノエルさん」
「君のいうことは、これが原因というわけかな?」
そう言って、掲げて見せた腕輪。
リンと鳴り響く鈴の音。
そして、
「え、それって…!」
「!…ほう」
その腕輪には、小さいながらも輝く八芒星があった。
その腕輪が、王の候補が持つ金属器であることを、証明していた。