二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【カゲプロ】 キドとカノの約束 ( No.41 )
- 日時: 2014/04/05 02:01
- 名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)
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後日、僕達はキドを病院へ連れていった。
結果は予想通り、頭を強くうったことによる記憶喪失。
病院からの帰り道、キドは申し訳なさそうに呟いた。
「ごめんなさい…」
謝らないでほしい。こっちが泣きたくなってしまうから。
僕は欺いてキドに微笑んだ。
「大丈夫だよ!すぐに思い出すって!」
「そうっすよ、だから一緒に…遊園地に行きましょう!」
「…え?今から?」
「駄目っすかね…」
「行きたい!」
キドがパアァと顔を上げた。
あ、可愛い。
「……カノ、今なんて?」
「へ?あ、いや何でもナイヨ?」
どうやら声に出てしまったらしい…。
シンタロー君のケータイの中でエネちゃんが叫ぶ。
「可愛いって言いましたよね!?」
「…ん〜言ってないよ〜?気のせいじゃない?」
欺け、欺き通せ、たとえキドが僕の服の裾をつかんでいたとしても…って…
「…キド、何してるの?」
本当につかんでいた。
他のみんながニヤニヤしているのは見なかったことにしよう。
今はとにかく欺け。
「いや、その…皆さん歩くのが速くて…ついていけなくて……」
涙を目に浮かべながらキドは言う。
ああ、そっか…ずっと横になってたからね。
僕はかがんでキドを見上げた。
「はい、乗っていいよ」
「え、でも……」
「大丈夫、キド軽いから」
少し躊躇して、ようやくキドは背中に乗った。
に、しても軽すぎ…ちゃんと食べてるのかな…?
と、そこでエネちゃんが盗撮しているのを発見した。
「何してるのかな?捕まるよ?」
「いやぁ〜何もしてマセン」
「嘘だよね、絶対撮ってたでしょ」
「………逃げるが勝ちデス!」
エネちゃんは何処かへ消えてしまった。「自分がやりました」と言っているようなものなんだけどなぁ…。
「でもやっぱり団長さんとカノさんてラブラブですね!」
この場にいる全員が、一斉に吹いた。
ラ、ラブラブって…
「そうっすね!完璧なリア充っす!!」
「セトだけには言われたくないよ」
「確かに…」
ふと、背中の温もりが重さを増した。
ああ、これは…
「寝ちゃったみたい」
「そうか、疲れたんだろうn「ご主人!団長さんの寝顔を激写させて下さい!!」
「はあぁ!?何でだよ!モモのケータィでやれ!」
「ええ〜!酷いです、ご主人。撮らせてくれないとご主人の秘蔵ファイr「よおぉぉし!何枚でも撮っていいぞ!」
このあと、キドの寝顔撮影会がはじまったのは、言うまでもない。
もちろん僕も撮らせてもらっちゃった!
こんな楽しい日々なら、いっそこのままでいいのかもしれない。
でも、やっぱり僕にはメカクシ団、団長の木戸つぼみが大切なんだよね…。
もしもこのまま記憶が戻らなかったら……僕達はどうなってしまうのだろうか…?
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