二次創作小説(紙ほか)

Re: 【カゲプロ】 キドとカノの約束 ( No.41 )
日時: 2014/04/05 02:01
名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)  


◆◆◆◆◆◆◆◆◆

後日、僕達はキドを病院へ連れていった。

結果は予想通り、頭を強くうったことによる記憶喪失。

病院からの帰り道、キドは申し訳なさそうに呟いた。

「ごめんなさい…」

謝らないでほしい。こっちが泣きたくなってしまうから。
僕は欺いてキドに微笑んだ。

「大丈夫だよ!すぐに思い出すって!」

「そうっすよ、だから一緒に…遊園地に行きましょう!」

「…え?今から?」

「駄目っすかね…」

「行きたい!」

キドがパアァと顔を上げた。
あ、可愛い。

「……カノ、今なんて?」

「へ?あ、いや何でもナイヨ?」

どうやら声に出てしまったらしい…。
シンタロー君のケータイの中でエネちゃんが叫ぶ。

「可愛いって言いましたよね!?」

「…ん〜言ってないよ〜?気のせいじゃない?」

欺け、欺き通せ、たとえキドが僕の服の裾をつかんでいたとしても…って…

「…キド、何してるの?」

本当につかんでいた。
他のみんながニヤニヤしているのは見なかったことにしよう。

今はとにかく欺け。

「いや、その…皆さん歩くのが速くて…ついていけなくて……」

涙を目に浮かべながらキドは言う。
ああ、そっか…ずっと横になってたからね。

僕はかがんでキドを見上げた。

「はい、乗っていいよ」

「え、でも……」

「大丈夫、キド軽いから」

少し躊躇して、ようやくキドは背中に乗った。
に、しても軽すぎ…ちゃんと食べてるのかな…?

と、そこでエネちゃんが盗撮しているのを発見した。

「何してるのかな?捕まるよ?」

「いやぁ〜何もしてマセン」

「嘘だよね、絶対撮ってたでしょ」

「………逃げるが勝ちデス!」

エネちゃんは何処かへ消えてしまった。「自分がやりました」と言っているようなものなんだけどなぁ…。

「でもやっぱり団長さんとカノさんてラブラブですね!」

この場にいる全員が、一斉に吹いた。
ラ、ラブラブって…

「そうっすね!完璧なリア充っす!!」

「セトだけには言われたくないよ」

「確かに…」

ふと、背中の温もりが重さを増した。
ああ、これは…

「寝ちゃったみたい」

「そうか、疲れたんだろうn「ご主人!団長さんの寝顔を激写させて下さい!!」

「はあぁ!?何でだよ!モモのケータィでやれ!」

「ええ〜!酷いです、ご主人。撮らせてくれないとご主人の秘蔵ファイr「よおぉぉし!何枚でも撮っていいぞ!」

このあと、キドの寝顔撮影会がはじまったのは、言うまでもない。

もちろん僕も撮らせてもらっちゃった!

こんな楽しい日々なら、いっそこのままでいいのかもしれない。
でも、やっぱり僕にはメカクシ団、団長の木戸つぼみが大切なんだよね…。


もしもこのまま記憶が戻らなかったら……僕達はどうなってしまうのだろうか…?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆