二次創作小説(紙ほか)

Re: 【カゲプロ】 キドとカノの約束 ( No.43 )
日時: 2014/04/13 11:11
名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)  


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小さな病院の一室、みんな沈んだ顔をしてベッドに横たわるキドを見つめていた。

「……キド…」

あれから半日が過ぎた。
キドは一向に目を覚ます気配がない。

やはり、あのニュースのせいだろう。
捕まったのは…先日の青年だ。
記憶が無くても、体が覚えているんだ。

お願いキド、目を覚ましてよ…。

「…私のせいだよね、テレビつけちゃったから…あの事件の…」

マリーが涙目になりながら呟いた。

「そんなことないよ、それにキドもすぐ起きるって!」

「…そうっす!マリー、大丈夫っすよ!」

マリーは少し考えてから笑って言う。

「そうだね!キド、早く起きないかな…?」

みんながキドを見つめる。
目を覚ましたら、記憶が戻ってたりしないかな。

まぁ、そんな夢みたいなことあるわけ…

「……う…っ………」

「キド!?」

手が、ピクリと動いた。

セトが「先生を呼んでくるっす」と言って病室を飛び出した。

キドの瞼がゆっくりと開く。

「………カ…ノ…?」

視界が歪む。
ちゃんと見つめていたいのに、なんだか見えないんだ。

「キド、よかった…」

僕はぎゅっとキドを抱き締めた。
みんなが見ていても構わない。強く抱き締める。

怖かった。目を覚まさないんじゃないかと、何処かへ消えてしまうんじゃないかと…そう思うと凄く怖かった。

よかった、よかった…本当に…。

「…大丈夫、何処にも行かないから」

僕の心を読んだように、キドはそう呟いた。


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