二次創作小説(紙ほか)

Re: 【カゲプロ】 キドとカノの約束 ( No.69 )
日時: 2014/05/21 22:47
名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)  


続きです。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「ねぇ、美味しい?」

「まぁ普通…だな」

ふ、普通?
僕は少し肩を落とした。

「頑張ったんだけどなぁ…」

僕と向かい合って座っているキドは、いつもと変わらない様子で米を頬張っている。

あまり料理は得意な方ではないが、この日は「キドの為に!」と張り切って調理を行っていた。
とても簡単なものだけどね……。

それでもやっぱり褒めて貰いたい。

う〜ん、と唸りつつテーブルに突っ伏していると、ポンと頭に柔らかい何かの感触がした。
顔はそのままで目線だけあげた。

「え……」

手。キドの白い手が僕の頭の上にある。

「…美味しいよ。ありがとう、カノ」

そう言ったキドの頬は心なしか少し赤みを帯びていた。

ヤバい、ちょっとその顔は反則だって…。
僕は熱くなった頬を欺いて隠し、にっこりと笑った。

「どういたしまして」

本当によかった、不味いとか言われなくて…いや、キドはそんな事言わない……よね?

ふと、ソファーの方に目をやるとシンタロー君がケータイを耳に近づけ、誰かと会話をしているようだった。

彼には残念な事に僕達以外の友達がいないらしい。
二年間ヒキニートだったからだろうか。それともそれ以前の問題だろうか。

まぁとりあえず、メカクシ団の誰かと連絡を取っているのは確かだ。

キドもそれに気付いたのか、じっとシンタロー君を見詰めて……なんか目付き悪いから睨んでるようにも見えちゃうんだよなぁ…。

「誰と電話してるんだろうな」

「さぁ?キサラギちゃん達じゃない?」

「ああ…おしるこーら…か…」

遠い目をして、温かい味噌汁をすするキドが(自分の中では)言ってはいけない単語を口にした。

『おしるこーら』

あれは勘弁して欲しい。
キサラギちゃんに勧められて一度飲んだが、強烈な風味に気絶しかけた。

味覚、どうなってるのかな…味覚っていう言葉を知らないのかな……。

「なぁ、カノとキドは買い物行くか?」

ソファーの向こう側からシンタロー君が尋ねる。

「ん〜…キドが行くなら僕も行くよ?」

「仕方ないな…行ってやるか」

溜め息混じりで言う。

「じゃあ決まりだな」

「ねぇ……何処行くの?」

「遊園地だとよ」

へぇ〜そうか、遊園地かぁ〜……。

本当に勘弁して欲しい!
みんなには言ってないけどジェットコースターとか無理なんだってば。

ちら、とキドを見ると渋い顔をして考え込んでいた。

いや、これはマズい。
僕は今、団長なんだ。
ここで行かなければ…団長の代わりは務まらない。

「よし!行こう!!」

数十分後、僕らはアジトを出た。
ケホ、と乾いた咳を僕は残して。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

文法めちゃくちゃでした。すんません。
さて、次回から第三章になります。
内容はどうなるのやら…私も知りません。

今後もよろしくお願いします!