二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【カゲプロ】 キドとカノの約束 ( No.81 )
- 日時: 2014/06/22 23:43
- 名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)
朝霧さん
そう言ってもらえると光栄です!
ありがとうございます!
楽しみにされたので、書きます笑
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長い翡翠色の髪、白い透き通るような肌、そして………服の上からじゃ有るのか無いのか解らなかった胸。
どう考えてもキドだ。
チョイ、と試しに髪を摘まんでみる。それから、軽く引っ張った。
「……痛い」
感覚はある。だが一体どういう訳で“こう”なったのだろうか。
倒れてしまってから、全く記憶が無いものだから困ったな…。
周囲を見回すと、やはりここは僕の部屋だった。おかしい、絶対なんかあったな。これは…。
僕は頭を悩ませたまま、とりあえずリビングに向かった。
部屋の扉から少し顔を出して、様子を窺う。と、そこには…僕がいた。
けれどその僕は暗い顔をして、頭を抱え込みながら何やらブツブツ呟いている。
そしてそれを励ますようにみんなは声をかけているようだった。
「あの〜?ちょっと、いいかな?」
恐る恐る出ていくと、全員「あ」と声を揃えて、そのまま固まった。
そういえば、声は僕のままなんだな…。
ふいに、僕……の姿をした誰かが掴みかかっていた。
「あ、あのな…実はマリーがお前に薬を用意したんだが、違う薬を持ってきたみたいで…しかも………」
「あ、キドか。誰かと思った」
キドが言い終える途中で遮ってしまったのが腹に立ったのか解らないが、キドは拳を振り上げた。
が、それを止めた。おそらくだが、いくら中身が僕だからって自分を殴るのは気が引けたのだろう。
反射的に身構えてしまったが、ホッと息を吐いてそれを下ろした。
「…で、しかもそれが液体だからぶちまけて、俺とカノにかかったんだ」
「それで入れ替わったの?」
「………たぶん…な」
そんな非現実的な事が起こるとは思ってもいなかった。というか思いたくもなかった。
更に言うと思ったらキドに殺される。
「ま、まぁ大丈夫っすよ!キド!」
先程までひきつった顔で立っていたセトが、思いきり僕の方を向いて言う。
しょっぱなから間違ってるけど。
「キドは僕の姿の方ね」
「あ、す、すまないっす…」
これで声まで入れ替わっていたら更にややこしくなっていただろう。
でも、僕の姿からキドの声を聞くとなんか違和感しかないんだよね…。それは向こうも一緒かな?
くぃ、と服の裾を引っ張られて後ろに傾く。
視線を下げると、涙目になったマリーがいた。
「カノ……ごめんなさいぃっ!」
そのまま泣きついてくるものだから、僕は固まってしまった。
たぶん、あれだ。僕の姿にはできないけどキドならできるって事だ。
反応に困ってみんなを見ると、温かい目をしてその様子を見ていた。
僕はキドじゃないからね!そう叫びたいくらいに。
「…そろそろ、いいかな?」
訊きつつ、ほぼ無理矢理マリーを引き剥がした。
キドがいつも着用している紫のパーカーには涙の跡が残った。
「ごめんね、いつ元に戻れるか解らないの……」
「……………………え」
流石にこれには息を呑んだ。
いつ戻れるか解らない。つまり、戻れるかどうかも怪しいという事だ。
「……僕、泣いていいかな…………」
マリーは相変わらず「ごめんなさい!ごめんなさい!」と繰り返しているし、既に如月兄妹は知らん顔。セトはマリーを宥めている。
キドは…………真っ青な顔になって、もう泣き出しそうだ。
あぁ、もう…………………………………散々だな。
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さて、次回はカノキドにイチャイチャしてもらいましょうか!※嘘です。
楽しくなってきました!