二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【カゲプロ】 キドとカノの約束 ( No.92 )
- 日時: 2014/08/14 03:24
- 名前: 木蓮 (ID: 1SUNyTaV)
先日、誕生日なのに友人から一つも連絡ありませんでした。
泣いてもいいですか?
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「………ん…あれっ?」
気づけば、いつの間にか僕も眠っていた。
隣にキドはいなかったが、その代わりにキッチンから良い匂いがしている。
「お、カノ。起きたか?」
ひょいっと顔を覗かせたキドは、小さめな皿を二枚持ち、それをテーブルに置いた。
なんか、僕がキッチンに立ってるみたいに見えるんだよな……やっぱり。
キドは気にしてないみたいだけど。
「何作ってるの?」
「ん、おやつ。まだ11時だけどな」
間食って事?そう聞くと、キドは嬉しそうにニッと笑う。
皿の上には苺のジャムが乗っかったパンケーキ。
すっごいカロリー高そうだけど、僕の知ったことじゃない。
むしろキドはもっと食べた方が良い。
僕は渡されたフォークでパンケーキを食べ始める。
「美味しい……」
「当たり前だ」
俺が作ったんだからな、とドヤ顔で言われるがその通りなので否定も出来ない。
うん、美味しい。
「そういえばさ、体が入れ替わっちゃったけど、能力とかって使えるのかな?」
「あぁ、俺も考えてた。…………やってみるか」
「えぇ!?危ないよ?」
「ヘタレ」
うぅ、何かもう意味合い違ってきてない?ねぇ、ワザとなの?
それにこの状態で能力を使うのは、たぶん一番危険だ。
もし入れ替わった相手の能力が発動すれば、それを巧くコントロールしなければならない。
だからあまり試してみようとか思わない方が身のためだと、僕は思う。
だがキドがこの話を聞く筈もないというか、既に使っているのでもう手遅れである。
キドは瞳を赤く染め、何やら難しい表情をしている。
「ちょっと、なんて顔してんのさ」
「黙れ。何か…巧くいかないんだ」
すると、まるで大気の流れの様にキドの姿が揺らいだ。
ほら、言わんこっちゃない。だから僕は嫌だったんだ。
「はーい、そこまで。キド、能力解いて」
キドの目を手のひらで覆い、おちゃらけた風に笑う。
「…何でだ」
「駄目、解いて」
「でも……」
「駄目。キド危ないから」
むぅ、とキドは頬を膨らまして舌打ちする。
キドもこういう時の僕がどれだけ粘るのかを知っているのか、すぐに承知してくれた。
思わず、ほっと溜め息を吐く。
「さぁ、みんなが帰ってくる前におやつ食べ終わらないとね」
「そうだな」
パンケーキは甘くて、でもしつこくなくて、また食べたいって思う程だった。
上のジャムを変えてみてもいいかもね。なんて話していたのが、今では一ヶ月くらい前の話のようだ。
持ち主にあったことはやはり僕にも現れるのか、それは実に困るものだ。
これから約三時間後、僕はキドの苦しみを改めて感じる事になる。
この時の僕はまるで想像もしていないような、深い苦しみを僕は味わう。
思わなかったんだ
欺く僕が、『消える』だなんて
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ども。木蓮です。
誕生日が来た気が全くしません。悲しいです。老けたくはないですが。
次回、カノ君は消えるかもしれません。
自分でもビックリです。目からおしるこーらです。
頑張るんでコメントください!!