二次創作小説(紙ほか)
- Re: 散りゆく蘇芳色の灯 (銀魂) ( No.4 )
- 日時: 2014/03/15 12:30
- 名前: 花火 ◆Pt1jMZuGaQ (ID: fLcGHkVA)
- プロフ: http://ameblo.jp/hanabi1010/entry-11795352504.html
壱
「神楽ァァァ! 俺の栗きんとんを返せェェェェェ!」
最高の花見だ、と思う。やはり万事屋の旦那達を誘って正解だった。
今日(こんにち)の気候も非常に良いものだ。暑くもなければ寒くもない、気を抜けばうつらうつらしてしまいそうな、そんな暖かな日。周辺からはピーチクパーチクと小鳥のさえずりが聞こえてくる。おまけに蝶々なんてものも飛んでいる。
そんな中でむさい男集団ばかりというのもまぁいまいちだが、ここには大きな大きな桜の木がある。俺達を見下ろすそれは、桃色の花びらをたくさん散らしてくれる。その花びらを見ながら酒を飲む、なんて最高なんだろうか。未成年とか気にすんな。
「仕様がないアル、食ったもん勝ちネ」
「俺の栗きんとんンンンンン!」
「うるせーんだよ万事屋ァァ! 栗きんとんごときでごちゃごちゃ抜かしてんじゃねーよ!」
「あんだとテメェ多串ィィィ!」
「誰が多串だコルァァァァッ!」
土方さんも旦那も、既に酒に酔いまくっている。頬は紅潮しきり、呂律もいまいち回っていない。あれで鬼の副長なのだろうか、あれで万事屋銀ちゃんのオーナーなのだろうか。なんとも情けないものだ。そのうち俺が副長の座ァかっさらってやる。しかしまぁ、それよりも情けないのは。
「お妙さーん! 今日こそ俺の愛を受け取ってくださーいィィィ!」
「お前の愛を受け取るくらいならミジンコからの愛を受け取ってやらァァァァ!」
今日も今日とて玉砕か、我等が局長。姉御も姉御でそろそろ素直になってくれりゃぁいいってのに。嫌よ嫌よも何とやら、か。
相変わらずチャイナ娘は謎の巨大犬と共にフライドチキン食いまくってるし、眼鏡はザキと一緒に語ってるし、その他の原田さんや永倉さんや藤堂さんや斎藤さんといったメンツも飲みまくって正直死ぬんじゃねーかと思う。アレ酔ってるを超えている気がする。よし、土方にももっと飲ませて昏睡状態にでもしてやろう。
「ひーじかーたさーん。酒、持ってきやしたぜ」
「うぉお〜。気ぃがきくじゃねぇかァ〜」
「そーいちろ〜くーん、もぉ〜っと酒もってこ〜い」
「総悟です。へい、鬼嫁」
そしてそのまま朽ち果てろ、土方。
なんて穏やかなんだろうか。出てきたあくびを噛み殺すことなく大きな口をあけてひと伸びし、敷かれているシートの隅の方でゴロリと横になった。鼻先に黄色い蝶がとまり、楽しい時間のせいか、それが随分と可愛らしく見える。
——いつの日かも、こんな風に花見をしたっけか。
うとうとしながらそんな風に思っていると、ぱたぱたと愛らしく蝶が飛んでいった。それを見届けると同時に、俺の意識は眠りの世界へと誘い込まれた。
***
茜
神じゃない神じゃない! …頑張るぜ!
己傘下様
お久しぶりです! お元気そうで何よりです!
そうですね〜近藤さんは相変わらずです(笑)