二次創作小説(紙ほか)
- Re: 【銀魂】はろー、幕府のお犬さま ( No.1 )
- 日時: 2014/08/07 19:16
- 名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)
「侍の国」
僕らの国が そう呼ばれていたのは 今は昔の話
かつて侍達が 仰ぎ夢を馳せた 江戸の空には
今は 異郷の 船が飛び交う
かつて侍達が 肩で風を切り 歩いた街には
今は 異人が ふんぞり返り 歩く
今回のお話の主人公は、木刀をぶら下げた銀髪の侍でも、眼鏡をかけた地味な少年でも、傘を振り回すチャイナ娘でもない。
「あー、どっかに500円玉落ちてないかなぁ」
琥珀色の長髪をもつ、絶賛就活中の一人の少女である。
第一訓【初登場って無駄に格好付けようとして結局気合いだけが空回りして後の黒歴史になるから、有りのままの自分で行け】
今年も春がやってきました。この季節になると、
「春はアレがちょっとアレな人との出会いの季節」
という兄の言葉を思い出します。
かく言う今も、アレな人との運命的な出会いをしたばかりです。
「それ以上、俺に近付くんじゃねぇ! さもなきゃ、この嬢ちゃんの首が飛ぶことになるぞ!!」
「無駄な抵抗はやめるんだ! 故郷のおっかさんも泣いてるぞ!」
私の首元でギラギラ光る刀。汗ばむ肌にひんやりとした感触が当たって、怖いくらいに気持ちがいい。
汗ばむって言っても、ただ冷や汗かいてるだけだけどね! 笑笑
って、笑えねぇよコノヤロー!!
何!? 何なのこれ怖い!!
夜道を歩いてただけで襲われるくらい、江戸は治安が悪くなったんですか!?
私の知ってる江戸は、なんかもっとこう素敵だったよ?
いきなり人質をとる輩も居なけりゃ、古臭い交渉をするゴリラも居ませんでしたよバカヤロー!?
自動販売機の下に落ちてた100円拾った罰なの? 違うんだよ。別にパクろうとしてた訳じゃなくて、あとでお巡りさんに届けるつもりだったんだよ。死んだ後くらいに!
「ごめんなさい神様、100円返すから! 原ちゃんに借りっぱなしの漫画も返すから!!」
「近藤さん、これじゃあ拉致があきませんぜィ。ここはひとつ、俺がこのバズーカで……」
「てめえコノヤロー!! 善良な一般市民殺す気かァァ!?」
甘ったるい顔の隊士が、徐にバズーカを構える。そのまま犯人もろとも亡き者にしようとしてるのか。そうはさせねぇぞ、このチンピラ警察24時め!
隊士の一人が手にしたバズーカに怯んだのか、私を押さえつけている犯人の手が緩む。
私はその一瞬をついて、犯人の股間を後ろ足で蹴り上げる。
悲鳴をあげる犯人の手をとり、そのまま背負い投げ。
宙を舞う犯人。キラリと刀が月光を反射させる。
どさり。
体が音をたてて地面に叩きつけられると、犯人は気を失ったようだった。
次に私が目線を上げた先に見えたのは、股間を守るように手を当てる真選組の姿でした。