二次創作小説(紙ほか)

【銀魂】はろー、幕府のお犬さま【企画開催中】 ( No.19 )
日時: 2014/08/07 20:16
名前: 春太郎 (ID: D7i.SwLm)

 お久しぶりです、掛井遥です。

 あのテロ事件から3日が経ち、テロの主犯者として取り調べを受けていた坂田さんたちも今日で釈放されることになりました。



 いやね、私もね、取り調べに参加出来るかなー。てか、したいなー。って思ってたんですけどね、さすがにテロリストの取り調べは任してもらえませんでした。

 それもこれも、頭の固い土方さんのせいです。土方死ねこの野郎。



 まあでも、お茶だしとかしてる間に仲良くなりましたけどね! 特に神楽ちゃんと。




「副長大変です!! だ、脱獄犯が!」










 第八訓【約束ってもんは指じゃなくて心でするもんだ】










「脱獄犯なんて何処にいるんでさァくさっ!!」

「あっちの方に逃げましたくさっ!!」

「チッ。まだ片付いてねェ仕事があるっつーのにくさっ!!」

「あ、じゃあ私が捕まえて来ますよくさっ!!」










 〇










「みなさーん! 今日はお通のライブに来てくれてありがとうきびウンコ!」

「とうきびウンコォォォ!!」



「……ウンコォォォ」




 脱獄犯を乗せたパトカーを追跡してたら、こんなところに来てしまいました。



 どうやら、ここは小さな小さなライブ会場のようで、目の前のステージにはマイクを握る女の子が立っている。男共の熱気で会場内は、まるでサウナのよう。


 周りの人に合わせて拳を小さく突き上げてみる。普段はノリがいい私だけど、ここまで来ると怖いわ。周りは見渡す限り、あのアイドルのファンらしき者。



 テンションが低いのは、私以外に居ないかもしれない。そう思ってふと真横を見ると、私と同じように呆然としている人が一人。
 仲間だ! そう思って、その人の顔を見上げる。




「あれ? 坂田さんじゃないですか」

「お前昨日のお茶出し係じゃねェか。仕事しなくていいのか?」

「いや、これが仕事なんですよ」

「アイドルの応援が仕事ってか?」

「ここのどっかに脱獄犯が居るはずなんですけど……」

「目の前よく見てみろバカヤロー」

「あ!」





 坂田さんの言う通り目の前をよーく見てみると、脱獄犯がアイドルに向けて声援を送っていた。とてもノリノリで。





「政府もこんなんなのかよ。やってらんねェ。帰るぞ神楽」

「坂田さん帰っちゃうんですか? まだ一曲目ですヨークシャテリア」

「そうアル。もうちょっと見たいんきんたむし」

「影響されてんじゃねェェェ!!」




 帰ろうとする坂田さんを、神楽ちゃんと二人でなんとか引き留める。一応脱獄犯の片棒担いだ訳だし、事情聴取しなきゃ。

「いや別に私がただ暇だからとかそういう私情は挟んでないんですよ断じて」



「オイ、心の声だだもれだぞ。お前は膀胱弱くなった老人か」

「ごめんなさい。紙オムツは要らないです」



 いっけない、まただだもれてたみたい。てへぺろ!





「それにしても、ほとんど宗教じみてやがるな」

「なんか空気があつくてくさい気がします」

「あれ? てか新八は?」

「嗚呼。お宅の従業員ならあっちに」




 怪訝そうな顔をして、私が指差した先を目で追う坂田さん。その先には、はっぴにハチマキといった服装の新八くん。
 同じような服を身に纏った集団の前に立ち、なんだか妙に気合いが入っている様子。



「オイ! そこ何ボケッとしてんだ声張れェェ!!」

「オイ。いつから隊長になったんだオメーは」

「そうだよ。真選組の一番隊隊長の座は、私のものだよ」

「俺は生まれた時からお通ちゃんの親衛隊長だァァ!! って…ギャアアアア銀さん!? それに遥さんも!!」

「てめーこんな軟弱なもんに傾倒してやがったとは。てめーの姉ちゃんに何て謝ればいいんだ」

「私、新八くんのことこんな風に育てた覚えない……」

「僕が何しようと勝手だろ!! てか、遥さんに限っては全く関係ないですよね!?」

「いいじゃん。仲良くしようよ新八くん」

「そうだぞ新八。持つべきものは従兄弟ってよく言うだろ」

「それを言うなら従兄弟じゃなくて友だろーがァァァァ!!」






 とかなんとか、3人で騒いでいたら後ろから声がかかる。振り返ると、そこには眼鏡をかけた女の人がいた。

 どうやらその人はお通ちゃんのマネージャーのようで、新八くんと何やら話している。てか坂田さん、顔すっごく不細工になってますよ。





「L・O・V・E お・つ・う!!」




 後ろから聞こえた声に釣られるように、後ろを振り返ると、脱獄犯のおじさんが相も変わらず、お通ちやんへ声援を送っていた。
 若干目が血走っていて、ちょっと怖い。




「アナタ…?」


 もう一度マネージャーさんの方へ視線を移すと、彼女は目を大きく見開いていた。